(*友人Yよりの寄稿感想文です)


やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです
(泳ぐやる夫シアター さん まとめ)

作者:Opqr ◆XLjdU8ssbYさん

ボツワナ共和国初代大統領、
セレツェ・カーマの一代記とその周辺アフリカ諸国の変遷を、
素人にもわかりやすく紹介している。

 もともとは2chの軍事系まとめの、ODAに対しての話の流れで、
「アフリカや中国にODAなんぞやるだけ無駄」というようなトピックスのコメントで、
「アフリカをひとくくりに見るのはおかしい」と紹介されていたものを
読み始めたのがきっかけです。


 アフリカがどんなところか、私は知らない。
小さい頃にテレビで見た、ガリガリに痩せたアフリカの子供が映像で流れた、
「アフリカの子供たちに援助を」というような内容の、
公共広告機構ACのCMくらいのイメージしかない。
治安・経済・衛生が悪く、飢餓が横行し、
内戦が絶えない危険な場所で進んで行くような場所でない、という程度だ。

 確かに「アフリカって国はどんなところか?」と質問することは、
「ヨーロッパという国はどんなところか?」と質問するのと同じくらい意味がないことだ、
ということを学んだ。
日本人だってアジア人だが、もしアジア人という括りで扱われれば
「間違ってはいないけれども、
他のアジアの国の人とひとくくりにされるのはちょっとおかしい」と
反論したくなる。

 このスレは、ボツワナを中心に、
アフリカという場所と歴史を、特にアフリカの中南部にかけて、
・植民地と宗主国
・人種の対立と融和
・経済援助と国家経営
など、複雑に絡み合った多彩な要素について、
素人にも分かりやすく、面白く例を用いながら説明してくれる。

 特に興味深かったのは、
経済援助がなぜ失敗するのか。
どのようにしてその土壌が作られ、
何が不足しているからこのような状態になるのか。
という部分だ。
 私はその部分の説明を逆説的に、
「日本は何故経済的に成功して、先進国になれたのか」という視点から見た。

最終的に突き詰めていけば、その国にいる人たちの、
教育レベルやモラル、習慣、文化、国家という枠組みに対する帰属意識などの
多岐にわたる要素があり、長い時間の上に積み重なったものが基礎としてあるからこそ、
新たな制度や設備を導入することで国が繁栄するのだ。
ただ単に機械や施設、ノウハウを与えるだけの援助では
ODAは失敗することが多い、と教えられた。

 少しでも興味をもたれた方は、
やる夫はアフリカで奇跡を起こすようです 番外編 モーリシャスは繁栄しました
(リンクは同じく 泳ぐやる夫シアター さん まとめ)
を先に見ていただくのが一番かと。
これを読んで国の成長する姿に感動を憶えるなら、
間違いなく本編も楽しく見られると思う。

 また、これはごく個人的な意見だが、EoE3とかCiv4・5などの
ストラテジー・シミュレーションゲームが好きという方にも合うのではないかとも思う。



(*以上。友人Yの寄稿文。編集を貧者が行いました)

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