ガンパレードマーチというゲームが昔あった。
2000年…というから既に13年前か!
PSで発売された、お世辞にも完成度が高いとはいえない、
ゲームの大事な部分が色々足りないゲームだった。
細かく言えばバグ頻発、ロード時間は長い、戦闘3Dのグラフィックレベルが低い、
開発途中の段階で発売したのかというような甘い作り込み。
…だったのだけれども、その設定も、肝心のゲーム内容も、
大量の人間をファンとするほどに、恐ろしく尖がっていた。
かく言う私もその一人で、今でも友人Yからお借りする、
通称「榊ガンパレ」(電撃文庫発売の、小説ガンパレードマーチ。著者は榊 涼介)
を読んでいるくらい。原作ゲームと同じ登場人物で、まったく違う戦記物。
いつのまにか大量に作品が出ているので、分量的に軽くはお勧めは出来ないが、
ゲームプレイ当時の記憶がまだ残っている人は、是非機会を作ってでも触れてもらいたい。
あ、そういえば最新シリーズお借りしたのに、前シリーズ読み返してから読もうと思って
埋めてしまっていたな。できるだけ早く読まないと…と思いつつ、
やる夫スレ-ガンパレで検索してしまっている自分がいる。

やる夫の熊本奮闘記
(Yaruyomiさん まとめ)

やっぱり元が名作ゲーム、少し検索するだけで、ガンパレテーマのやる夫スレが大量。
とりあえず目に付いたのを3章ぐらい読んで、気に入ったら読み進めよう…と
軽い気持ちで手をつけたのだけれど、これが思いの他面白い。
結局二日で読了。掘り起こされるゲームの記憶と榊ガンパレの記憶とも、
どこか違う、似た人間達の物語。

主人公はやる夫(速水ポジだが色々な所が違う、新人学兵)、
そしてやらない夫(大陸帰りの苦労性司令。善行ポジ)の二人。長編。R18。

スレ作者が、できるだけ未プレイの人々にも理解できるようにと
原作の設定、特に裏設定と呼ばれるものは綺麗に排除してある。
例えば芝村は存在しない。芝村の軍閥について描かれることもない。
主人公の過去は原作とは違う。OVERSもない。もちろん青もカダヤもない。
聖銃も、黒い月も、第○世界も、非エリンコゲート点追跡機…はあったっけ?
…とまあないない尽くしではあるが、ガンパレードマーチの面白い部分、
正体不明の生物・幻獣との絶体絶命の戦いと、
使い捨てにされる予定だった、クローン学兵たちの青春模様は
しっかりと残しつつ、ゲーム内で語られなかった部分を補完し、
ヒューマンドラマ主体に仕上げてある。
どうしても現在も連載中の榊ガンパレとは比べてしまうところも多いのだが、
原作をやった事があるならば、すぐにこういうものだと割り切って引き込まれるだろう。
読めばすぐにわかると思うが、この作者、原作と「似ている」部分の扱いが上手い。
私も予想していた・記憶している展開を外され、オリジナルの部分を的確に混ぜてあり、
良い意味で何度も裏切られた。
心が熱くなる展開も多数。まだガンパレの記憶がある方に、特にお勧めしておく。

あ、名前は似てても「ガンパレードオーケストラ」は買ってはいけません。
別の意味で泣きたくなるゲームなので。評判はググってみよう。

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