空白期でもなんでもないし、感想を書きたい&お借りした本は山のように貯まっているうえ
その上スカイリムはプレイ中、やる夫スレを読んでいる暇はない!
…そのはずなんですが、ついつい読んでしまうのがやる夫スレ。
ブラウザのタブに、読みかけの作品を置いておくと
わずかな時間に読んでしまう。そして時間が消えている。いい時代になったもんだ。

スパイダーマン 》8《 アトラク=ナクア
(このやる夫スレ、まとめてもよろしいですか? さん まとめ)

間の》8《は蜘蛛のAA。
ちゃんと足も八本だし、8で頭と腹の部分が表現されているし、
蜘蛛の特徴の8という数字自体をAA内に入れているしと、AAセンスが実にステキ。
アメコミで有名なスパイダーマンと、約16年前に発表されたアリスソフトのノベルゲーム、
アトラク=ナクアをコラボレーションした長編物語。
安価スレであり、主人公たちの会話シーンの会話、
戦闘結果などは安価によって左右される。

はじめに目をひくのは大ゴマと、このスレオリジナルなAA群。
そりゃあもちろん、スパイダーマンが・初音さんを抱えて・夜のビルを飛び回るなんて
AAが既に存在するわけもなく、その全てが自作AA。
力作としか言いようがないそのAA達は、もはや芸術品の域。一度は見てみるべきだろう。
そして特徴的な戦闘システム。
主人公の戦闘における行動を4つに分割し、
あらかじめ作者が決めた正解を作っておき、安価を三つ取る。
その正解の行動を当てられれば当てられるほど良い戦闘結果が出る、というもの。
熟考に熟考を重ね、たどり着いた先がシンプルイズベストと感じるほど、良く練られている。
一見簡単に見えるレベルにまでシステムを簡略化したおかげで、
誰もが気楽に戦術会議に参加できる。
読めばすぐに解る戦闘システムとは、TRPGの理想形である。
また、過剰とも思われるほどに、正解を類推できるヒントが提示されるので、
そこまでひどい結果は導かれることはない。
無理に難度を高めることなく、読者と作者が求める結末に繋がる
クライマックスを演出する-という点では、作品として確実に成功しているといえるだろう。

そんな白鳥の水面下な話は置いておいて、
初音さんカワイイヤッター!スパイダーマン格好いいAAスゲー!と
素直に楽しむのが本来の楽しみ方。↑で私が書いたことなど全く気にせず、
エンターテイメントを楽しむがよろしい。
私はアメコミというものに触れずに生きてきたが、十二分にこの作品は楽しめるものだったし、
アメコミに触れてきた友人Jも、「これは確かにスパイダーマンだ」と
この作品を褒めていた。
少々ニンジャスレイヤー語が引っかかるかもしれないが、
同スレ内で触れられている部分だけ読む程度で、ネタ元の理解はできるだろう。それで十分。
気になる人は気にしないがよろしい。
私にはノレる作品ではなかったので、表面だけ触れて未読。語感は楽しんでいます。

あ、あとばくだんいわ氏のファンにはサービスになるだろうことが一件。
作品連載中にこの作品での初音さんと、
ばくだんいわ作品できる夫の相棒は全知全能のようですのヒロイン初音さんのコラボ作品が
発表されております。
このやる夫スレ、まとめてもよろしいですか? さんでそちらもまとめられているので、
一緒に楽しむのが良いだろう。読み進めていけば自然とリンクが貼られている。
二人の同キャラなのにどこか違う、ヒロインの姿がなかなかの妙。
まあ原作からいえば同キャラというか別キャラなんだけれども。
片方ははるかな過去から存在した蜘蛛妖怪であった初音さんで、
もう片方はその妖怪が、人間の胎を使って産まれなおした半人半妖の初音さんだから。
スパイダーマンのみならず、しっかりアトラクナクアの設定を拾ったキャラ設定にも
かなりの好感。

…おっといかん、これじゃスレ自体のネタバレにもなるじゃないか。と慌てて白字に。
↑は作品を読んでから反転してください。

総評。
エンターテイメント。痛快さ、テンポ、面白さを重視した作品。
原作を生かしつつ、プロットが全てひっくり返る可能性のある安価スレに仕上げた
作者の度胸と度量に感心。もちろん観客達の安価にもキャラ・作品愛を感じる良作。
オリジナルAAの出来栄えを楽しみつつ、酒とつまみ片手に読むのをオススメします。
…私は水で乾杯。

(追記10/4)
三ヶ月も経ってから、「このブログには拍手という機能が存在する」
「拍手機能にはコメントがつけられる」そして
「この記事に作者のKUMOさん自身から拍手コメントがついている!!(最重要)」
という事に気がつき戦慄。3ヶ月も気がつかずどうもスミマセン平謝り。
現在連載中の「トヨヒサ・ザ・グレート」及び「DOG・O SLAYER」
(両方とも→のリンク先、このやる夫スレ、まとめてもよろしいですかさんがまとめアリ)
楽しみに読んでおります。
個人的にはシャドウラン大好きなので(SFC版を予約購入したほど…おっと年がばれる)
「DOG・O SLAYER」の長期連載を期待しています。
(追記終わり)
人気ブログランキング
タグ :
#やる夫スレ
#KUMO