気がついたらいつのまにか、やる夫スレまとめサイト
「このやる夫スレ、まとめてもよろしいですか?」さんからリンクされていた。
(多分ばくだんいわさんのおかげであろう)
のでうちのページからもリンク作成しました。
うちのブログでやる夫系スレを取り上げるのは、
友人から本が借りられない時、つまりは時々になります。
近頃そちらを期待してここを訪れてくださる方も増えてきましたが、
その点はご了承の程をよろしくお願いします。
細々と、こみ上げる感想を書き記しております。


【ファイヤー】アーダン・やる夫の聖戦の系譜【エムブレム】
http://mukankei961.blog105.fc2.com/blog-entry-911.html
(やる夫短編集 地獄編さん まとめ)

個人的に好きで何度も読んでいる作品の一つ、
http://snudge.blog38.fc2.com/blog-entry-909.html
やる夫で学ぶ昭和天皇(それにつけても金のほしさよさん まとめ)
を読み返していて、そういえばこの作者の人は他に何か書いていないのかと
検索しなおしたところで発見した作品。長編。
題材にされたファイアーエムブレム聖戦の系譜、というゲームは、
任天堂が発売したにしては、非常にハードな世界観・歴史設定な珍しいゲームで、
…まあざっと内容のネタバレをすれば、第一部でとある国の王様がとある女性に恋をして、
男の子が一人生まれたが、その女性がとなりの国王にさらわれて子供ができ、
王様は部下ともどもはかりごとによって
鏖殺されるというストーリー。
第二部ではその子供達が復讐のために殺しあう、じつに切なく悲しい物語なのだが、
よくこんなものを任天堂が出すな、と納得していただけるだろうか。
(他にも近親相姦やら祖父の時代からの復讐やら魔女狩りやら山ほど)
そんなハードな世界観設定ゆえ、今でもファンが多いこの作品を、
世界設定で語られていない部分を妄想や想像で埋める良作である。

主人公やる夫は、アーダンというゲーム内では使いにくい弱キャラでありながら、
絶望的な失態を見せ最底辺の暮らしをする所から物語が始まる。
この最底辺の最底辺から這い上がろうとする部分が特に見所。
少々ギャグ回とシリアス回の差異が激しすぎるところもあるが、
目を瞑って頂けるとありがたい。原作がシリアスすぎるんだ!
そして原作を知っている人間ならば、「その日」がじわりじわりと近づいてくる絶望を
噛み締めながら読むとまた物語にいい苦味が出る。
「ベルセルク」の、蝕が未来に約束されていながら黄金時代を楽しく読む感覚、
と言えばわかっていただけるだろうか。
必ず来る最後の日に向けての日々と、最後の日のその後とが、この作品のキモ。
聖戦の系譜経験者なら読んでみて欲しい。

そしてこの物語は完結はしているが、現在も第二部が連載中。完結したら読もうメモ。
http://mukankei961.blog105.fc2.com/category209-4.html
【FE】 JIHAD (やる夫短編集 地獄変さん まとめ)


やらない夫はひとりぼっち
http://junkpaperforme.blog70.fc2.com/blog-entry-1337.html
(俺用チラシの裏 さん まとめ)

やらない夫MMを読んでいる途中、スレに投下されていた動画で
「これは読んでみなければ!」と思わされた一作。動画はこれ↓
各作品のネタバレがコメントされている可能性があるので、最初はコメントオフ推奨のこと。

…作品としての出来は並。実に惜しい作品。中篇。
とある閉鎖的な村で、3つの呪いをかけられた主人公やらない夫の物語。
呪いとは、「十文字以上の言葉を話せない、一度話すと一分間強制沈黙」
「感情を表情に表すことができない」「出会った人間全てに嫌われる」というもの。
この呪いの内容だけで、絶望的なシナリオが山盛り湧き出してくると思ったんだが…
あっさり終わってしまって本当に残念。この設定ならもっともっと膨らませられただろうに。
主人公がここまでひどい強烈な呪いをかけられていて、ひねず曲がらず
内面がまともであったのが原因かもしれない。
狂気と正気の間を揺れ動くような感情の変移があれば、
もっと私好みなストーリー展開になったとは思うのだが。
続編?で同じ呪いを受けた主人公が学園生活を楽しむ、という話もあるがあちらは読まず。
この呪いを受けた主人公で安価スレというのはカオスなのだが、肌に合わず。


できない子は知恵の悪魔と呼ばれるようです
http://yaruok.blog.fc2.com/blog-category-105.html
(このやる夫スレ、まとめてもよろしいですか? さん まとめ)

ばくだんいわさんの新作。できる夫の相棒は全知全能なようですの連載中、
短編として書かれたものをリメイク、大幅に加筆したもの。
女子高生異世界テレポート物、というパターン化されたスタートであり、
少々私は採点が厳しくなる。
死ぬほど繰り返し読んだ小野 不由美の「十二国記」の第一巻を思い出してしまうからだ。
あの話ほどに主人公が荒み、世を呪うほど人心が荒れた世界観の物語はなかった。
壊れていく主人公の姿に、深く深く衝撃を受けた。
ゆえに、同じような物語はつい期待を込めてしまう。
世界が優しくない物語であって欲しいと。(←自分勝手)

まあそんな私の期待なんて関係なく、この話。
数学系知識の数々を、それが存在しない異世界に持ち込んで無双する、がテーマ。
物語の最初から立場の追い込まれ方と、頼れる物が自分の舌と知識のみというあたり
実に優しくない世界。科学技術も医術もほぼない古代異世界であり、私にとってはかなりの好物。
そんな世界で、自分の居所を作るために知識を搾り出す。
漫然と学んできた事を、形にして生かすというのは万人の夢なんだろうなぁ、
特にいろいろな知識のみを詰め込んでいる(いた)学生達には。
さあ、別世界へ行きたがっている学生諸君、向こうで活躍するためにも勉強だ!
別世界ではこのように稼ぐのだ。(何をだ)

この物語で感じるところは、
「知識は聞いてくれる人間と、価値を解る人間が揃わなければ役に立たない」ことと、
「自分の周りには何気ないが、山盛りの技術と歴史の蓄積が存在する」こと。
執政者と二人の側近がそれぞれに、実に良い味を出しているうえ、
面子や体面、古い手法に固執する人間でなく、
聞く耳を持った理解者であるという描かれ方が良い。特にケイネス先生の天才ぶり。
古い敵対的な人間が重鎮にいたら…物語が長編化していただろうなぁ。
知識と正論で戦えない人間との軋轢や、
解りやすい汚職官僚との戦いなども、ちょっと見てみたかった。
短編じゃなくなってもいいじゃないか!

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