近頃Eve onlineなるものに手を出しております。
このゲーム、自分の能力を決めるスキルを取得するのに
時間のみでカウントされる鬼仕様。
プレイしていて経験値稼ぎなどというものはなく、
純粋に「このスキルを得る」と決めてから、リアル何日と何時間でゲットというもの。
ログインしていない時間もカウントされるので、なんというか
前に進みたくても進めない、何もしなくてもキャラが成長するという
盆栽ゲームであります。…特異である、と言わざるを得ない。

さて久々のやる夫スレ紹介。
http://yaruok.blog.fc2.com/category55-0.html
できる夫の相棒は全知全能のようです (完結)
(このやる夫スレ、まとめてもよろしいですか さんまとめ)

非常に出来の良い、女神転生二次創作読者参加型安価スレ。
普通の女神転生シリーズでは、law、だいたい救世主光臨を望む側の人々は
扱いが割りとひどいものだが、(自己犠牲の末人間やめたり、大量殺戮されたり)
そのlaw側に所属していた経歴を持つという、かなりメガテン主人公としては珍しい立ち位置。
作者は、以前紹介したやる夫は私腹を肥やす悪徳貴族のようです[R-18]と
同じばくだんいわ氏であり、強敵との会話シーンは
絶望的なまでの強大さと、胃をえぐるまでの腹の探りあいが
しっかりと継承されている。油断をすれば会話で殺されるゲームバランスは必見。
序盤の主人公の、吹けば飛ぶような戦闘力で、
元師匠、今ではメシア過激派筆頭であるアーカードとの会談は、緊張感がたまらない。
一手間違えれば言質を取られ、二手間違えれば行動が大幅に制限される。
TRPGのGMとしては非常に厳しいゲームバランスを取っているといえよう。
しかし厳しいだけのシナリオではなく、各所に散りばめられた聖書からの引用や、
信仰というものがどういうものか、主人公と「相棒」が語るシーンなど、
メシア(ユダヤ教とかキリスト教とか関係なく)に対する作者のセンスが実に良い。

重厚なテーマのみならず、女神転生といえば必ずある葛藤、
「一番世話になった、初期悪魔達との別れ」にもしっかり書かれている所も評価が高い。
メガテン主人公達は、強くなるために悪魔合体という選択肢を選ばざるを得ない。
だがその行為は、仲魔たちにとっては意識・記憶を消し去り、
新しい生き物として生まれ変わる、自己消失の儀式である。
(二次創作設定としては記憶は元のままだよ!派や、記憶は無くなり契約だけ残るよ!派など諸説)
私個人の好みだが、ここで葛藤の末に過去を切り捨て踏み越え、
人間をやめてしまう主人公、人間をやめずに踏みとどまる主人公が大好物である。
この部分を大事にしたこの作品、実に見事。星5つは揺るがない。もっとあげたい程。

…ただし、読む人間は選ぶ。
少なくとも、女神転生未経験者は非常に辛い。ペルソナシリーズだけ…という方々でも
太刀打ちできない情報量ではないだろうか。
スレの住人が、シリーズ最難と言われた「ストレンジジャーニー」の話題を普通に出しており、
私も「ああこれは自力クリアしてから見たほうがいいな」と、友人Jからお借りした
「ストレンジジャーニー」と「デビルサバイバー」をクリアしたほど。
以前に3DSを買って…とこのブログに書いたが、
断言しよう。このやる夫スレのために買ったのである。
プレイしたおかげで、かなりの数のネタを理解し、一段と楽しめた。感謝。
(追記3/14)
この作者、仏教界の御仁だったと告白、
ばくだんいわを名乗る前の作品について言及なされておりました。
新城直衛は、末法の世に抗うようです
後で読む用のメモ。
(追記終わり)

あ、しまった、山ほど感想書いてしまった。まあいいか。次行こう。

http://yarupon.blog134.fc2.com/blog-entry-3440.html
やる夫は聖杯戦争に挑むようです (完結)
http://yarupon.blog134.fc2.com/blog-entry-4240.html
やらない夫は聖杯戦争で死に続けるようです  (完結)
(やるぽん さんまとめ)

↑の、できる夫の相棒は全知全能のようですの作者、ばくだんいわ氏の作品の中で、
度々現れるお隣さん、天使エイワス氏のスレ。
氏はTRPGで、GM役になることが多く、そのバランス感覚はどこかおかしい。
両氏が参加し、ばくだんいわ氏がリプレイを書いているが
そちらもお勧め。(アルシャードセイヴァーご近所セッション)
二作品ともタイトルでわかるとおり、「Fate/stay night」の二次創作だが、
こちらも読者参加型安価スレであり、その上GMが鬼畜難度大好きという
ばくだんいわ氏よりも読んでて楽しく、参加して苦しいのがポイント。
「やらない夫は聖杯戦争で死に続けるようです」は、ほぼ続編と言う扱いになっており、
前作のネタが多少散りばめられているので、「やる夫~」から読むのがお勧めである。
…しかしここでお勧めするのは「やらない夫~」の方。
続編ということもあり、作者エイワスは主人公が、
幾度となく死ぬ事前提のゲームバランスを作った。
これがまた凶悪な設定で、一度死ぬごとに読者達に、
「主人公のレベルを一レベル下げるか、主人公の日常が一つ欠ける。選べ」
と問いかけてくる。レベルを下げれば強敵に勝てなくなって詰む。
日常が欠け続ければ、主人公は良くて発狂し詰む。
…いやー、主人公が死なない物語で、
ここまで真綿で首を絞められる感覚を味わうのはそうそうない。
ついついこのストーリーの面白さに、登場人物の一人に興味が沸いて
読んでいなかった「めだかボックス」を手に取ったぐらいである。
大作であり、分量は実に多いが胸を張ってお勧めできる。星5つ。
Fate/stay night成分はそんなに多くなく、むしろメガテンであったりクトゥルフだったり、
インドだったりと原作知らなくても何とかなるとは思う。
R-18成分が多い作風はご愛嬌。
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