1
,. イ
_ ,;/;'ッ '´ ;:i!
_,,.__>'ー:、ヽ ,. - 、 /;/'´ //ト-、
_,. -‐ ''''ヾ゙ヽ `ヾ:、,. ィ'ー-ッ-‐' / , / ,、 '゙`゙''- 、 / //_,...ィ
_,、r.'".ッ '"´ ` ,.. 、"''' ヾジ" ,.. '´/ ,.. - '´ ! ,.ノ'"/ !
`フ ,,. ;ッ''", / ,. i.! ゙ヾ;r'´,.イ / _,. ''" レ'ヘ'./ ! それでは、始めます。
/,;;// ,// /,/ ;!.゙, ヽ、ヾ/_/ ,.rく ,、- '´ , - '´ ゙、 |
,;'、ッ''7' ,/;' ;!. /;/!.バ,゙'、 ',、 ヾr''ヾ;、\__,..、_,、‐'',´ ,. - '"´ ,> ,' 読者投稿 『ドニエストル戦争とモルドバの決着・上』
、 ´ / i' ,./7ハ;ハ ;'/'゙i/_,.._ヾ:、 ゙; 、 ヾ、,.ゞミ;、\ー `~ ___,,... -‐ '" //`:ソ
`゙'''‐-i,/r7,:',ニ、゙:i/ ,:i',.:‐::、ヽ_ヽ,、-‐'ヾ:、 ゙、ミr‐ヾ、 / /::::/
ノ´`7! !:::::! !:::::::::! i''´`ヾミ;、 ゙;ミ:,、'、ト <._ ヾ:/
ハ.ヾツ ヾ--'ン !'ミ゙:,`ヾ;、!'''' ー― ― -- 、..,,,__ ,,.. `''ー-ヽ ,.-、
, ' `´ `" ´ i、 ; | i.ヽ/Kヽ ´ ̄` 丶、 ー―-- 、...,,,_i' '、
;' | i / ,レ ヽ' | `丶、 `丶 、 `i ゙、
! / // | \ `ヽ 、 | `、
ヽ、 ,.;''";' / _! \ `丶 i ゙:、
`' - 、 __,,. 、r'´/ / _,,,r;;'';ヽ、,_ 丶、 `''ー - 、! '、
`ヽ、,_` > /,.r;';;:::::::::::::::;;;/``'ー 、.,_  ̄` _,,.... -―rヽ ゙、
,r''>-i´゙"'''ヾ;;;;::::::; へ:::::::/`''‐-、/'''"`゙ ーー --- =二._ ̄ | \ '、
V ...::ヾ=:、 >ヘ'´ ;' ヾ、 / フ''丶- 、.,_ | \ ゙:、
i,::::::::::::::::! 、 'ー― レ''´ ,.、 '" ゙、 ` ''ヽ、! `ヽ、 '、
iヾ,:::::::ノ ','、 /ヽ 、., ___,,... -‐ ´ ゙、. '、 `''ー'
K:ヽ-、-、,,.. -、__〉、 / ヽ ',
`ヾ┴'´ `´ \ ゙;
※時々、ドニエスルと書いちゃいますが、ドニエス「ト」ルの間違いです
あと、汎ドニエスル共和国と前回書いたと思いますが、正しくは「沿」ドニエストルの間違いでした
使ってるパソコンが昔買った型落ち品なので解像度が低くて、見間違えてそのままにしてました
2
______________________ __ __
| 1988年 | , ´ `´ `'' 、
| ソ連がペレストロイカを開始。 .| / / ヽヽ \
| . | .'/ / ヽ ヽ ヽ
| これによって、モルドバでは言語問題が浮上する ..| ノィ ' / / / , ! l ヽ ゙
| ...| / f,' i ││ |! 丶. | | | |
| 高級な言語としてモルドバ語を使用するのか | f | l l ,イ |ヽ!、. ト、. | | ! |
| .| l ,.イ ヘ l ー!‐_、ト ヾ\ l ≠.jト、,l /! ,
| ロシア語の地位をどうするのか、と言う問題である | |ハ ,!ゞV´!:::_j` `'イ::_j`メ|/,.-、l!
|___________________________|. f ト, ! ー' ー' ' !.ノゞ
| | `Viヾ.! ' j /| /
| | !ハ !ゝ. ´` ..イ /
| | \ルヽ . ,.イノレ'
| | ` rノ ` ´ |' -..
| | / |‐- -‐ヽ \_ __
r‐.|(\ rィl´ |-- ― -- / //ァ
>、_)ト ヽ イ ||. |ニ ニニ ニ! __ // ハ
>、_)|/ } / <~ ` 、 | 〆´ __ ゝ/ |
ゝ、,)| \ r' |:::\ ゙ヽ.._/ ,.. :´ .:::::::::::|´ |
・・・・当初の内、これは単に文化的な、書類の問題であった。
要するに、役所の通達とか、学術論文などを何語で書こうかと言う問題でしか無かった
しかし、激動の時代の空気は、容赦無くモルドバにも流入して来た。
3
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! | 1988年の内は、モルドバ共産党(=モルドバ政府)の打ち出した方針は
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / !
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_ 『モルドバ語とロシア語の併用』であった。
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´ 結局、モスクワ政財界に連絡を取ろうとすれば、ロシア語になるのだから、妥当な線だろう。
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ ' 学術論文にしても、モルドバ語(ルーマニア語)で書くよりかは
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、 ロシア語で書く方が、より多くの人々に読まれるであろう事は、明らかである。
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
4
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ しかし、この決定に待ったをかける集団が現れた。
リ(l|゚ -゚ノlリ
/つ{⌒l^0 モルドバの知識人階級で構成された「マテービッチ・クラブ」である。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ドニエストル川西岸のキシナウ市(現モルドバ首都)の魔理沙だぜ。
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 このマテービッチ・クラブが中核となって結成されたのが、モルドバ人民戦線なんだぜ
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ 1989年3月の選挙で、15/55の議席を占めたが、
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' 15議席を超える影響力をどんどん発揮し始めるのぜ
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
.
5
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ その頃、ドニエストル川の東岸のティラスポリ市(霊夢側)でも、市評議会が形成された。
リ(l|゚ -゚ノlリ
/ il 1989年8月11日の事である。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 ただ、この市評議会ってのは、西側風(キシナウ市を含む)の、市民選挙とは違うんだよね。
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | まず企業ごとに、労働集団の代表としての評議会が有って、
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | この企業評議会の中から、市評議会にメンバーが選出されるワケ。
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| / ぶっちゃけて言うと、労働組合から選ばれた人が、市議会を運営するの。
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ (その為、この選挙は企業法で行われる)
.
6
/:::/::::/::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i::::::
/::;イ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|、;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l::::: 一体何故こんな違いが現れたのか、
.l::/ l:::::|::::::::::::/!::::::| li::::::lヽ::::::l. ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l::::::
|::l | ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l ヽ、__;;;;::::| :::::::::::::::::l:::: 起源は独ソ戦にまで遡る。
|:! .|::::::l::__;;;|_ l:::l`ヽヽ;:::l ヾ;レ‐'''゙゙´\ :::::| ::::::::::::::::l:::::
l! .|:::/ ___ノ,ィ'ト|''=ミ、 ヾ! ,r-=fニミ;;弍;;| :::::::::::::::l~゙'i
l/ ,/ト、::l゙__゙ヾ::ii::|ヽ ,/ .|:::illi:::゙ii/ |:::::::::::::::j¨゙ l
/⌒ヾ、|/`fト l ゙K);j .l'⌒''h. K);;;;ッリ l:::::::::::::/ .ノ 1944年、ソ連軍はルーマニア近辺のドイツ軍を叩き潰すべく、ヤッシー=キシニョフ攻勢をかける
/‐-、 `iノ /'ヽ|、 ノ ヾ、 ,/ |:::::::::::/=7゙
./ 、. ヽ |゙V,_ l:::i、 ̄ 丶 ゙''ー-‐'' ,l::::::::::/|:;/ ヤッシー(ヤシ)はルーマニア東部、キシニョフはキシナウ市である。
i '゙ヽ_j-' .|::::|.\ ‐- ,,イ::::::::/ ,l/
ヽ ヽ jl:::::l. ヽ、 , ''゙ /:::::::/゙`ヽ、 この時、後方基地に役目を果たしたのが、ティラスポリ市を中心とするドニエストル川東岸地域であった。
ヽ、. /ヽ::::| ,,`=ー '''i´ /:;/レ'〉;:;:;:;:,.,\
/ /. ヽ:| ,,r''゙,.;:;:;r''゙~ノ /イ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::! これが契機となって、東西冷戦期に、西側と戦争する事を考えて、ソ連はこの地域の重工業化を進める。
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! |
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / ! 企業の多くが軍産複合体に属していて、その95%がソビエト連邦管轄企業であった。
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ モルドバ全体から見ると、
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. / 面積は11%、人口は17%しか無い。
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ ' しかし工業生産高は33%、消費財では56%、エンジン(発動機)は100%、
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、 電力に至っては89%、鉄鋼などは99%、の生産高が有った。
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `: わたしが、ソ連やロシア連邦への合流を考えていたのは、
'r ´ q_
,'==─- -─==キ 根幹部であるこれらの産業が、ソビエト連邦直轄なのもあるんだよね。
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ぶっちゃけて言うとさ、魔理沙と一緒にルーマニアさんちの子に成ります!て言って、モスクワが黙ってると思う?
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | この産業は全部ソ連が作ったんだよ?
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル, 当然、企業風土の一切はロシア語(キリル文字)で構成されているんだ。今更ルーマニア語とかムリゲー。
.
7
__,
__,..-:‐::───:‐-.、__,ノ:;/
,.イ´:;: : : : : : : : : : : : : : : : :<、
/: : :.:/: : : /: : : : : : : : :|:: : : : : :`ヽ、
/: : : :.:/: : :.:/: : :/: : : : : : |:.: : : :ハ: : : :\
/: : : : : :/: ::、:/:: : ;イ:: : : : : : :|: :|: : : :|: : : :、::\ モルドバ人民戦線の選挙活動も問題であった。
,ノ: : : : ::|: :.:|: : : :|\:/ |:: : : : : : :|: :|: :.;_:.:|: : : :ヘ ̄`
 ̄|: : : : |: : :|: : :/|:.:/`ー|: :.;: : : : :j斗:'´:.: :|: : : : ハ 彼らは、堂々と
|: : : :.:|: : :{: :;マチ弐ヤ ∨|: : : :/_∨ヘ::.: :|:: : : : : }
|: : ::l'´|: : :∨ V::tィ::} ∨::/テ弐ア∨::l:: : : : : :| 「モルドバ人の為のモルドバ」 「統一ルーマニア万歳」 「ノー・ロシア語」
|/|: ::ゝ|:: : : :|⊂ゞ-" ∨ん':;リ,' /∨、: :/\:|
∨|: :V::. : :| ` `ーc" {::: : :∨ ` 「ロシア人をドニエストル川の向こうへ、ユダヤ人をドニエプル川へ」 「トランク・駅・ロシア」
∨:.:\::.:| /´ ̄| }::.: : :|
`ヽ:/ヽ:|、 /___,j ,人:: : :| 等にスローガンを掲げていた。
/r====-.、 -r- -‐<_ \:|
/ /:::::::::::::::::::`ヽニニ7,//::`ヽ、 _ 流石に、無頓着が過ぎる。
\,/::::::ゝ、::::::::::::::::\//:::::::::::::::`ー'´::::::;}フ
_,ノ::::::::::ノ:`ヽ::::::::::::::::\:::::::::::::::;/::__;/
<´::::::::::::::/:::::::/ \::::::::::/`ー=っ' ̄
_ ,ノ\:::::::::::::::::/`ヽ、_V`ーヘ、_,っゝ'´
/ `r\ \::::;/ }><{/::::::::::/
/_,ノヘ、\ ~ ,//ヾ/::::::::::::〉 ]
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::| ・・・・しょうが無いんや
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._: モルドバ人とって、本当に初めてに民族運動が展開出来る時代になっちゃったんだから。
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,,
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '" ロシア人の言う、ベッサラビアにしたって、元々はワラキア公バサラブ一世(ヴラド三世の御先祖)の事だし
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ ) モルドバ(モルダヴィア)にしたって、「本来はルーマニア王国モルダヴィア」なんやもん。
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、 今でもルーマニア東部は「モルダヴィア地方」なんだぜ。
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
8
. -‐-
〃. ヾ ロシア統治時代、1867年には、ルーマニア語禁止令が出た事が有った。
. ! |ノiノハ从ハヽゝ
i (|r|┰H┰i | しかしこれは、自身の保身を図ってサボタージュを繰り返すボイエリ(モルドバの地主貴族)対策の面があって
'ハリ、 - ノリ
Ol⌒ll⌒D 一般庶民は、ロシア語で教会のミサが行われる事を、何とも思っていなかったらしい。
. くソ_i_li;ゝ
(__i_) 汎ルーマニア主義は勃興していたが、それはプルト川(モルドバ・ルーマニアの国境)を渡って来なかった。
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ んな事情は知ったことか、どうでも良いんだ!
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ 一番の問題はアレだよ!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
9
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 ん?何かあったのぜ?
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 忘れてんじゃねーぞハゲ!
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | 「1940年のモルダヴィア割譲は違法であり、不当極まりない」とか抜かしたそうじゃねーか!
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
10
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 言うても、不当な話じゃないか、アレは?
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 アホか――――!!
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | 1940年のベッサラビア(モルドバ)割譲が無けりゃあ、ティラスポリ市がモルドバに加わる事も
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | 無かったじゃねーか!!
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
11
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 ・・・・・・あ
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 てめー!!ザッケンなよオラ―!!
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | ティラスポリ市民はそんなに要らない子か?アアン!?
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | 沿ドニエストル地域はそんなにイヤですか!?
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
12
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ ・・・・魔理沙の馬鹿野郎め、思い知らせてやる
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ おい、オメーら、ストライキすっぞオイ!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ こうして、沿ドニエストル地域は、1989年8月11日から本格的なストライキに突入した
リ(l|゚ -゚ノlリ
/ il この状況に、キシナウ市側は即座に音を上げた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
13
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 やめてくれ―――!
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ 電力の9割は霊夢のところが賄っているんだぞ、
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 国全体が停電しちまう―――!
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i がっはっはっは!
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ザマ―ミロ魔理沙め、一人当たりのGDPで言えば、わたしの方が遥かに上なんだ。
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 持久戦で魔理沙に勝ち目は無いぞ!
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
14
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 分かった、話会おう霊夢。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ だからストライキは止めてくれ!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i エッヘン、どんなもんだい。
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| さあ、モルドバ言語法なんて代物は撤回しろ、最低でも延期するんだ!
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 会談の最中はストライキは止めて工場を操業してやる。
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ ティラスポリ市側は約束を守った。会議中は確かにストライキは撤回されたのである。
リ(l|゚ -゚ノlリ
/つ{⌒l^0 ・・・・しかし結局、8月31日モルドバ言語法は正式に制定されてしまう。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
15
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ 魔理沙テメー!!上等だオラ―!!
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ストライキ再開じゃーい!!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, ・・・・ゴメン
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! | ティラスポリ市側は本気であった。
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / !
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_ 何とストライキ中は労働者の給料も市が負担していたのである。
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´ それもあって、共産主義国家では珍しく、自発的とも言える程に参加者の熱気は強かった。
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
16
,.: -――<: : ̄ ̄. : .:\
へ<_. : . . .: .: .: .: . .: . .: . .: . \
/. : .: ;/.: . : . : .: .: .: .: .: .: .: .: .: . 〉 ・・・・しかし、いつまでもは続かない。
\_ /. : .: .: /.: .: .;/.: .: . .: . .: . .: . .: . .:⌒ヽ
ー1/〉. :/. :/. : . :/ . :. . : .: . .: . .: . .: . .: . .: . : . 工業立国である沿ドニエストルでは、ストライキを続けると、国全体が干上がってしまう。
//.:/. :. .: .ハ :. .:/. .: . .〈. . .: . .: . .: .: . .: . .: . .: .:、
〈. :.ィ7 : :/〉: .r=ミ!i : .:ィ. : :ヽ: . !. : . .: . .:〉. .: . .: . .:} キシナウ市側も、連邦管轄企業のモルドバ移転を始め、モルドバ国立銀行も設立する。
〉ヘ:|: ./. : : :|:pt八: . ト.、:.ノ: ./.: ,: .:!: ./ . .: . .: . ./
∨/ : : iЦリ \!rヘ(: .: . .: .: /../ . .: . .: . ./ ここでティラスポリ市側は自治共和国の設立に動き出した。
/.:/.:Y lレヘ}/}: .: /. .: . .: . .: . ./
レヘ::ハ '" lrくリ: }:/.: /: .: :/.: .!:.{ これまで与党として国家運営を担っていたモルドバ共産党の分裂も進み、
} : \ 、 7.: .: .: :./⌒Y.: .: .:人{
}ハWヘ___/:. :. :. :.イ:. ..ノ/レ´ 国政経験者のティラスポリ市への入来も進んでいた事も、追い風となった。
/: ../)/}:人: ト、
/}/ У \
-―く::::< ヽ、
/  ̄\ヽ:::ヽ }::!
/ 、 }::::! }::!
〈 } }::::! }::!
ノ } }::::! ヽ:.
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_ ここで言う、自治共和国ってのは、モルドバからの独立は考えてはいないよ。
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ あくまで、内政権をキシナウ市から取り戻してやろう、事だね。
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!| わたしの居場所は、結局モルドバ以外に無いからね。
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. | ・・・・そのモルドバがわたしを切り捨てようとしているんだけど(そう見える)
ルレ ル`ー----‐イル,
.
17
/:::/::::/::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i:::::: 1989年、12月3日から1990年9月9日にかけて、沿ドニエストル地域全土で、選挙が行われた。
/::;イ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|、;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::
.l::/ l:::::|::::::::::::/!::::::| li::::::lヽ::::::l. ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l:::::: 日付に注目して欲しい。
|::l | ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l ヽ、__;;;;::::| :::::::::::::::::l::::
|:! .|::::::l::__;;;|_ l:::l`ヽヽ;:::l ヾ;レ‐'''゙゙´\ :::::| ::::::::::::::::l:::: 沿ドニエストルの独立は1990年9月2日である。:
l! .|:::/ ___ノ,ィ'ト|''=ミ、 ヾ! ,r-=fニミ;;弍;;| :::::::::::::::l~゙'i
l/ ,/ト、::l゙__゙ヾ::ii::|ヽ ,/ .|:::illi:::゙ii/ |:::::::::::::::j¨゙ l つまり、独立宣言後に、もう一度選挙を行ったのだ。
/⌒ヾ、|/`fト l ゙K);j .l'⌒''h. K);;;;ッリ l:::::::::::::/ .ノ
/‐-、 `iノ /'ヽ|、 ノ ヾ、 ,/ |:::::::::::/=7゙ ティラスポリ市側も、迷っていたのである。
./ 、. ヽ |゙V,_ l:::i、 ̄ 丶 ゙''ー-‐'' ,l::::::::::/|:;/
i '゙ヽ_j-' .|::::|.\ ‐- ,,イ::::::::/ ,l/ この頃、ルーマニアではチャウシェスク政権の末期で、各地で悲惨な銃撃戦が勃発していたのも
ヽ ヽ jl:::::l. ヽ、 , ''゙ /:::::::/゙`ヽ、
ヽ、. /ヽ::::| ,,`=ー '''i´ /:;/レ'〉;:;:;:;:,.,\ 迷いの一つだろう。
/ /. ヽ:| ,,r''゙,.;:;:;r''゙~ノ /イ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 でも、全部を通じて、投票率79%、賛成票96%、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | つまり、全有権者の75%の支持を確認したよ。
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | これでストライキ以外の手を思い切って打てるぞ!
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| / (ルーマニアこそオワコンだよ、魔理沙)
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
18
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._: ・・・・投票率が30%しか無い地区投票も混じってるけどな
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,,
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
/ィ , / / / / ヽ,
/ / / / / / ,.' │ ヽ
/ / / l | / | | ヽ ヽ., 、 |
│ l | | ,∧ /、 | \. | │ ヽ, |
│ ィ | ,ヘ、 |_,| | \ |\, | `'j、│ | |
レ │ ,ヘ | _ゝ_メ._ \| _ハ,ヒ"_ヽ| |. ! リ 実際に、この選挙はキシナウ市側の妨害等も確認されており、
ヽ | _ヽ Y 行ッr`、 _ jl イ:ユキj> /ヽ| !
! _ヽ!、 ト、ン |´ `l. トヘソ | !) ルl/ 日程や実施個所についても、不明点が多いの事実だ。
/_-、ヽ∧.. ニ ' , ゝ .ニ イ /ィ′
{/ _ ヽ`l i _ ! ∧l
ヽ L`' ヽ.| \. `′ , ィ' /! ・・・しかし、ティラスポリ市側が、自身の正統性を確信する分には、十分であった。
\ ヽ }! 、 / /,ヘリ
l .ヘ ri ー ´ l/ |
r'ン / , ィ' /j / ヽ
r ‐' ヽ _jヽイ ::/ ,/ \
/ 三三三三ノ//、 ヽ.. ー / _\
| 三三三三/ , 'ヘ \/ , ´ __ ., --ヽ
/ヽ三三三三 !/ 〉′ // ´ ィ´三 !
/ 三三三三三/ / // /:: 三三l
.
19
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ こっちも黙ってはいないんだぜ。
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 霊夢側に揺さぶりをかけるぞ。ティラスポリ市以外の地方自治体に粉を掛けるんだ。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ モルドバ軍も設立するぞ(この頃は一応共産主義の看板を下ろしていないので、共和国親衛隊と言っていた)
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 内容は志願兵主体で、1万5000程度だな。
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人! 武器とか教官はルーマニアから派遣してもらうんだぜ。
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! |
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / ! しかし、丁度この頃、黒海の東岸域、アゼルバイジャンで、ナゴルノ・カラバフ問題が噴火する。
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ つい先年にも戦争が勃発した、例の火薬庫である。
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ ' ・・・・これを見たキシナウ市側は、高度な自治権を与える事に恐怖を感じ出した。
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、 同時に、ベルリン壁の崩壊からの、手品のようなドイツ統一も見ていた。
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
20
___........,,,,,,,_
>-''''': : : : : : : : :'''-、
>'''": : : : : : : : : : : : : : : :\_
>'''": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\,
>'" : : : : ::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ,
,,,-'''"-'/ ::: : :: : : : : : : ::...: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/::: :::./ : ::: : :::: : ::: : : : ::::...: : :::.: : : : :..: : : : : 'l ・・・そんな中、運命の1991年3月17日、例のあの選挙が行われた。
/::/: :::::: :.. :::: : :::::.: : : : :::ヽ:..: :::.: : : ::::..: : : : :'l
/::/::::|:::: :::: : :. ... :::::..: : : : ::ヽ::..:::.: : : ::::::.: : : : l ソビエト連邦の存続を、初めてソビエト連邦全土に問いかけた、
l:::/|: ::l:::::: :/|: : ::::|: : ....l.. l ::::::: : : ::: l
|:/ |: ::ヽ:::l:|┤: ::::|ヽ: :::l、:::::::.. : :.|::::::::: : : ::::::::: : : :|、 連邦維持に関する住人投票が。
|l |:::1ヽ:|ムヾ、:::.l ヽ、メヽ、::::..::|:::::::: : : ::::::::: :::: :l ヽ
.' ヽ:ト、:::lレナド.、:::l ヾ、 ̄'-,,,l::::::::: : : ::::::::::::::::/ この時、キシナウ市側とティラスポリ市側で、全く異なる反応が生まれたのだ。
|l ヽ:::|レ|カ ヽ . ト''''''ト,,,,, |::/:::: : :/、::::::/:/
l:::| " / .トナガレ l:::|::::: : /| |::/|/
l:ヽ、ヽ ''''''''' /:/::: : /.// .'
.l::::|ト、 - .//l::: /"::/
.l::|' \" __,,,/:ク::: :/|/l/
ヾ ''''''''l"-,,/':/:/,-l'''':ヽ
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 わたしは当然、無視するんだぜ。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ もうソ連なんてオワコンよ。投票自体の参加を拒むんだぜ。
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ルーマニアのチャウシェスク政権も倒れたし、これで堂々とルーマニアと合同が出来るぞ。
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i わたしは当然、行うよ。
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| 問われているのは、わたし自身の未来だからね!
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 投票率は84%、ソ連維持に賛成な人は98%だ、当然だね!
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
21
‐ '"´ ̄` ー 、
_ ,. -‐ ´ ̄` ー- 、
一 ' "´/: : : : : : : : : : : : : :.:.:\
/ /: : : : : :/: : !: i: : ヽ..:.:.:.ヽ
,. ' //: : : : :/ :/ : :/:./: :.!: : ;.:.:ヽ:.i
-‐'´ /:.:/: : :/: /: /!: :/:,イ: :./: : :.}.:.:.:}:.:l
/: :/!: :.l.|/|:.:/ |:./|/ |: /!: :.l.:.l.:.:从:.l
∠ ヘ: /:l人代ナ7'‐l/ 'l7十ト|/.:/:/:!::ト、
/ 〈イ.l: :.lイtx=ミ 彳=‐ァri/:/:.∧| \ ・・・・・或いはこの事が、
/.!:.ト、lハ 廴 } 廴/ノ/r、:/ !
/イ|/l:.ト:.トヽ :. ///イ/
/!:!:〉;: ...、 ‐‐ //:.:/:/
/ l/ ! l/トレ> イ/// ・・・・・本当の破断だったのかもしれない
__,. -‐'フ /}\
,. ィ'TT |--、 ,.--! ` 7ァ、
< /| |::| |ニ二ニ! // /
`7 l \\ | | // ∧
/:.:.:.:\ fァrr-、 | // /:.:.:l
/:.:.:.:.:.:.:「f i ! fl 〉 ! // /!:.:.:.:|
/:.:.:.:.:.:.:〈 ! '' ' lイ ! //./:.:;.:.:.:;.l
ト、:.:.:.:.:.:.八 ト、 l//.:.:.:.;.:.:.:!:!
}:.:.:.:.:./:.:.:.` ー'"〉 ミ!/ イ:.:.:.:.:.:.:!:.:.:!.:l
_//_/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ,.ヘrニ二コ:/:.!:.:.;.:.:|
,.'´:.:r〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//,.イ/||T"´:./.:.:!.:.:;.:.:.l
/:.:ム┤:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:>r,ィュl:.〉:.:.:./.:.:.:!.:.:';:.:..!
/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.///┴/イ: : .:.\:.:.!.:.:.:\:ト
. {:.:.:.:.:.:└- r==ニニ二二ニニ//: :.:.:.:.:.:.\!:.: : ::.:.}
\:.:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:./ /. :.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:〉:.:.:/〈
> ./:.:.:.:.:.:.:/ l/ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:://:.:. :|
r-イ/\:.:.:.:./.// ー- イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.'-:.〈:.:.:.:... l
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ヽ // / /____ ,. ィ"´ \:.:.:.:{
\ // . . : . : . :/ ! | \r'
`ヘく . : : :.:l //
| ー- _ :.:l ,.くr'ノ
| 「二ニr- 、_「└ '´l
. | | | |
| l l l
l | | |
.
22
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, ・・・・霊夢は本気で・・・・
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; ソビエト連邦に残る気で居るのか・・・・?
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_ 魔理沙はもう本当に・・・・
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ ソ連に色気が無いの・・・・?
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
23
『『いやいや、でもさ・・・・・・』』
.
24
『『・・・・・・・・・・・』』
.
25
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \ 1991年の春頃には、キシナウ市側はルーマニアとの合同を唱える
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::! モルドバ人民戦線が、旧与党の共産党を巻き込んでハッキリと政権を確立する。
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! |
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / ! 国旗・国歌・国語をルーマニアと同じにしつつあり、
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ 結局、独立時には完全にルーマニアと同化した。
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. / しかし合同の実行に関しては、どこか言を左右にしてあやふやにしている面も有った。
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ ' ティラスポリ市側は、もうモルドバ抜きで、独自にソビエト連邦加盟国入りする決意を固めていた。
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、 ・・・・そんな中、あの大事件が起こる。
.
26
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, オイ!!霊夢、聞いたか!?
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; モスクワでクーデター騒ぎ(1991年8月19日に保守派が起こしたが、失敗した)だぞ!!
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ ( いよいよ我らがソビエト連邦も末期だな。
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i ・・・・・・そうかも、ね
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
27
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ ・・・・魔理沙はどうするの?
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 当然、泥船からはさっさと降りるに限るのぜ!
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ 共産主義の看板も、もうこれまでだ、モルドバ共和国は完全に独立する!(1991年8月27日)
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 憲法も貨幣も社会制度も、完全にソ連とはおさらばよ!
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人! お前はどうすのぜ?
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
.
28
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ ・・・・維持するよ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, あん、何だって?
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
29
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ 沿ドニエストル・モルドバ共和国は
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ソ連憲法を基本に据えて、国を維持していく事を宣言するよ。
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | (1991年9月2日)
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル, 国旗も国章も、ソ連式の三日月鎌と金槌を採用した、ソビエト時代のモルドバのままにする。
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, んな!?
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; ・・・・お前、本気なんだな
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
30
: ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、:
: ,'r´ iノ イ人レヽ_ルヽ、 ン、:
:.,'=イi .(ヒ_]// / /ヒ_ン ).==', i : 分かってよ、魔理沙!
: i イ /U/,-―-、 /U/" ヽイ i |:
: レリイi // ` ー一' // .| .|、i . ||: わたしの居場所は、共産主義と言う民族主義を超越したグローバル思想に支えられた、
: i!Y! # # 「 !ノ i i |: .
:L.', # L」 ノ| | : ソビエト連邦にしか無いんだよ!
: | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /:
:レ ル` ー--─ ´ルレ レ
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ ・・・確かに、ロシア人が東欧の支配者になれたのは
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 この地域が余りにも民族的に混沌としていて、お互いに殺し合いが絶えなかったのが原因だ。
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ そしてスターリンの手によって、この混淆はさらに進められて、民族問題が核爆弾級の火種になっている。
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ そして、霊夢は正にこの問題の当事者だ。
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ ・・・・でもな、霊夢。ソ連がもう死にかけなのも、事実なんだぜ。
.
31
/:::/::::/::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i:::::: 1989年に、ソ連が行ったソ連全土を対象とした国勢調査では
/::;イ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|、;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::
.l::/ l:::::|::::::::::::/!::::::| li::::::lヽ::::::l. ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l:::::: モルドバの人口は434万人である。
|::l | ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l ヽ、__;;;;::::| :::::::::::::::::l::::
|:! .|::::::l::__;;;|_ l:::l`ヽヽ;:::l ヾ;レ‐'''゙゙´\ :::::| ::::::::::::::::l:::: しかしその中で純粋なモルドバ語族と言えるのは、60%程しか居なかった。:
l! .|:::/ ___ノ,ィ'ト|''=ミ、 ヾ! ,r-=fニミ;;弍;;| :::::::::::::::l~゙'i
l/ ,/ト、::l゙__゙ヾ::ii::|ヽ ,/ .|:::illi:::゙ii/ |:::::::::::::::j¨゙ l 人口1000人を越える部族が19も有って、
/⌒ヾ、|/`fト l ゙K);j .l'⌒''h. K);;;;ッリ l:::::::::::::/ .ノ
/‐-、 `iノ /'ヽ|、 ノ ヾ、 ,/ |:::::::::::/=7゙ トルコ系のガガウズ人の他に、ウクライナ人、ロシア人、ブルガリア人等も含んでいる。
./ 、. ヽ |゙V,_ l:::i、 ̄ 丶 ゙''ー-‐'' ,l::::::::::/|:;/
i '゙ヽ_j-' .|::::|.\ ‐- ,,イ::::::::/ ,l/ この時期、ガガウズ人とブルガリア人の民族問題も、東欧全体で加熱していた。
ヽ ヽ jl:::::l. ヽ、 , ''゙ /:::::::/゙`ヽ、
ヽ、. /ヽ::::| ,,`=ー '''i´ /:;/レ'〉;:;:;:;:,.,\ その少数民族にも通じるのがロシア語だったのだ。
/ /. ヽ:| ,,r''゙,.;:;:;r''゙~ノ /イ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
__,
__,..-:‐::───:‐-.、__,ノ:;/
,.イ´:;: : : : : : : : : : : : : : : : :<、 18世紀の日本に、工藤平助と言う人が居た。
/: : :.:/: : : /: : : : : : : : :|:: : : : : :`ヽ、
/: : : :.:/: : :.:/: : :/: : : : : : |:.: : : :ハ: : : :\ みなもと太郎の「風雲児たち」にも出て来た奇人で、江戸に住んでいた仙台藩士である。
/: : : : : :/: ::、:/:: : ;イ:: : : : : : :|: :|: : : :|: : : :、::\
,ノ: : : : ::|: :.:|: : : :|\:/ |:: : : : : : :|: :|: :.;_:.:|: : : :ヘ ̄` この人は、日本で初めてロシアの専門書である「赤蝦夷風説考」と言う名著を記すのだが、
 ̄|: : : : |: : :|: : :/|:.:/`ー|: :.;: : : : :j斗:'´:.: :|: : : : ハ
|: : : :.:|: : :{: :;マチ弐ヤ ∨|: : : :/_∨ヘ::.: :|:: : : : : } その中でロシア人の手法をこう書いている。
|: : ::l'´|: : :∨ V::tィ::} ∨::/テ弐ア∨::l:: : : : : :|
|/|: ::ゝ|:: : : :|⊂ゞ-" ∨ん':;リ,' /∨、: :/\:| 『どうにもならない現地の戦乱を中で、現地人はオロシャに救援を乞うた』
∨|: :V::. : :| ` `ーc" {::: : :∨ `
∨:.:\::.:| /´ ̄| }::.: : :| 『これを受けてオロシャは大軍を送って乱を鎮め、法を改め、政を正(匡)し、
`ヽ:/ヽ:|、 /___,j ,人:: : :|
/r====-.、 -r- -‐<_ \:| 上下を存問して兵を引けたり』と
/ /:::::::::::::::::::`ヽニニ7,//::`ヽ、 _
\,/::::::ゝ、::::::::::::::::\//:::::::::::::::`ー'´::::::;}フ これはシベリアの話であるが、東欧にも同様の手口だと言えるだろう。
_,ノ::::::::::ノ:`ヽ::::::::::::::::\:::::::::::::::;/::__;/
<´::::::::::::::/:::::::/ \::::::::::/`ー=っ' ̄ ロシア人もロシア軍も横暴であったが、しかしロシア人が居なければ、
_ ,ノ\:::::::::::::::::/`ヽ、_V`ーヘ、_,っゝ'´
/ `r\ \::::;/ }><{/::::::::::/ 東欧が楽園であったとか言う話は無い。
/_,ノヘ、\ ~ ,//ヾ/::::::::::::〉 ]
そして今、ロシア人は東欧から手を引こうとしている。
.
31
,. - 、
イ,i , ', モルドバと沿ドニエストルの問題とは・・・・・
ハリ, i, ,i.リ
,ィ-"`''、' 「ロシア人の法と政治でしか安定を保てない地域を、ロシア人撤退後に一体どうするのか」と言う問題なのだ。
.ノ::::|i__ iハ
r'::::ノ:::::::::V::::', 沿ドニエストルの住人にとって、一体感を保つ為にはロシア語を使う他無く、
'-ク::::::::::::'iヽ;::ヽ、_ _
( ::::::::::::::::ヽ`-,_;;タァi.| ロシア語無しでは、もう周辺諸国を巻き込んだ民族紛争を起こすしか無いのである。
y"7i ̄ `マ、', // |.|
ti ̄`7ー-ァラ // .|.| 東欧の都市の多くは、ロシア人が開発したものが多い。
', |i:: !´ // |.|
i .i.! .| // .|.| キシナウ市もティラスポリ市も、ロシア人が来る以前は中世のままの都市でしか無く
|__.',i _',// | |
{::::::!';:::::', |:.| 鉄道を敷き、水道を整備し、工場を建てたのも、ロシア人が主導したからである。
.i:::::! i::::::! .|: |
!:::i/,';::::! .|::.| ロシア人は搾取する事しか考えない、モルドバのボイエリ(地主貴族)を一掃する事で、開発を進めたのだ。
|:::|/ i:::| ..|:: |
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 民族主義の世界では、わたしは生きて行けないんだ!
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | もうウクライナ人とも、モルドバ人とも、ロシア人とも言い難いわたしはな!
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | 国自体がもう混血児のようなものなんだよ、
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| / わたしは1940年に誕生した、「ソビエト人」なんだ!
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
32
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ ・・・・・しかし、時を止める事は出来ない。
i (|r|┰H┰i |
'ハリ、 - ノリ 1991年12月25日、ソビエト連邦は解体され、消滅した。
Ol⌒ll⌒D
. くソ_i_li;ゝ
(__i_)
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._: ・・・・・・・・・・
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,,
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ ・・・・・・・・
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
33
,.: -――<: : ̄ ̄. : .:\
へ<_. : . . .: .: .: .: . .: . .: . .: . \ これまで、ドニエストル川の両岸で、
/. : .: ;/.: . : . : .: .: .: .: .: .: .: .: .: . 〉
\_ /. : .: .: /.: .: .;/.: .: . .: . .: . .: . .: . .:⌒ヽ 死者が出る騒動が頻発するも、お互いに沈静化させて来た。
ー1/〉. :/. :/. : . :/ . :. . : .: . .: . .: . .: . .: . .: . : .
//.:/. :. .: .ハ :. .:/. .: . .〈. . .: . .: . .: .: . .: . .: . .: .:、 時にモスクワの仲介を受け入れ、
〈. :.ィ7 : :/〉: .r=ミ!i : .:ィ. : :ヽ: . !. : . .: . .:〉. .: . .: . .:}
〉ヘ:|: ./. : : :|:pt八: . ト.、:.ノ: ./.: ,: .:!: ./ . .: . .: . ./ 時に話し合いの機会を持ち、
∨/ : : iЦリ \!rヘ(: .: . .: .: /../ . .: . .: . ./
/.:/.:Y lレヘ}/}: .: /. .: . .: . .: . ./ 時にお互いに手を引いて、
レヘ::ハ '" lrくリ: }:/.: /: .: :/.: .!:.{
} : \ 、 7.: .: .: :./⌒Y.: .: .:人{ ・・・・・とうとう、その時が来た。
}ハWヘ___/:. :. :. :.イ:. ..ノ/レ´
/: ../)/}:人: ト、
/}/ У \
-―く::::< ヽ、
/  ̄\ヽ:::ヽ }::! 1992年、3月、ドニエストル戦争が勃発する。
/ 、 }::::! }::!
〈 } }::::! }::!
ノ } }::::! ヽ:.
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ヤッゾオラー!!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, スッゾオラー!!
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
34
クッソ雑なモルドバ地図
↖北ブゴヴィナ地方、ホトィン郡(元ルーマニア、現ウクライナ)
川
川
↑北 川
川
川〇ドゥベサリ市
川
川
川
川川川川
川
川
川
●キシナウ市 川
(モルドバ共和国首都) 川
川
川
川川
川
川
川
川
川 川
川川 川 〇ティラスポリ市
〇 川 (沿ドニエストル共和国首都)
ベンデル市 川
川
川
川
川
川
川
川
●コムラト市 川 オデッサ市(ウクライナ)
川 ↘
川
↓ブジャク地方(南ベッサラビア) ↓黒海
元ルーマニア、現ウクライナ
.
35
___........,,,,,,,_
>-''''': : : : : : : : :'''-、
>'''": : : : : : : : : : : : : : : :\_
>'''": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\,
>'" : : : : ::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ, 激戦地となったのは、ドニエストル川西岸でありながら、
,,,-'''"-'/ ::: : :: : : : : : : ::...: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/::: :::./ : ::: : :::: : ::: : : : ::::...: : :::.: : : : :..: : : : : 'l ティラスポリ市側についたベンデル市と
/::/: :::::: :.. :::: : :::::.: : : : :::ヽ:..: :::.: : : ::::..: : : : :'l
/::/::::|:::: :::: : :. ... :::::..: : : : ::ヽ::..:::.: : : ::::::.: : : : l 北部河川交通の要衝、ドゥベサリ市であった。
l:::/|: ::l:::::: :/|: : ::::|: : ....l.. l ::::::: : : ::: l
|:/ |: ::ヽ:::l:|┤: ::::|ヽ: :::l、:::::::.. : :.|::::::::: : : ::::::::: : : :|、| この二つとも、ロシア=トルコ戦争において、建てられた要塞を基にて発展した街で
|l |:::1ヽ:|ムヾ、:::.l ヽ、メヽ、::::..::|:::::::: : : ::::::::: :::: :l ヽ
.' ヽ:ト、:::lレナド.、:::l ヾ、 ̄'-,,,l::::::::: : : ::::::::::::::::/ ほら吹き男爵こと、ミュンヒハウゼン男爵が参戦したトルコとの戦争とは、ベンデル要塞である。
|l ヽ:::|レ|カ ヽ . ト''''''ト,,,,, |::/:::: : :/、::::::/:/
l:::| " / .トナガレ l:::|::::: : /| |::/|/ 大砲の弾に乗って帰って来たあの場面は、有名だ。
l:ヽ、ヽ ''''''''' /:/::: : /.// .'
.l::::|ト、 - .//l::: /"::/
.l::|' \" __,,,/:ク::: :/|/l/
ヾ ''''''''l"-,,/':/:/,-l'''':ヽ
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ ・・・・しかし、現実は、いつだって、人間の想像を超えてくる
リ(l|゚ -゚ノlリ
/つ{⌒l^0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
36
開戦前の状況
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ 戦力:モルドバ共和国軍 30000(ルーマニア支援)
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 空軍:無し
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ 海軍(水軍):無し
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ボートに機関銃くっ付けるくらいの事はしただろうが、装甲付きのボートは多分無い
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人! 大統領:ミルチャ・イオン・スネグル、52歳(1940年生まれ)、1991年9月3日就任
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_ 戦力:沿ドニエストル志願兵8000、ロシア志願兵6000(ロシア支援)
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ 空軍、海軍(水軍):無し
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ていうかキシナウ市側に無い戦力はこっちにも無い
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | 大統領:イーゴリ・ニコラエヴィチ・スミルノフ51歳(1941年生まれ)1990年9月2日就任
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
37
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ ・・・・人類とは不思議なものだ。
i (|r|┰H┰i |
'ハリ、 - ノリ 40年以上に渡り、戦火の絶えて久しい、平和な世界を生きて来たモルドバ人も、沿ドニエストルの人間も
Ol⌒ll⌒D
. くソ_i_li;ゝ 盛大に、立派に、堂々と、殺し合いを繰り広げたのだから。
(__i_)
.
38
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ フゥーハハハ!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 未だにソビエト連邦の夢から醒めない愚か者どもに、鉄槌を下してやるぜ!!
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
/ ゙ヽ  ̄ ̄、、゙l,
|;/"⌒ヽ, \ ヽ: _l_ ri ri
l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
゙l゙l, l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
/"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/ ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | |
_,,,,,,,,,ヽ、 ,,,,,r-'''''ーー'''| | | |
''" ヽ,,___,,,r‐''''''二__ |__| | |
\'''" / ノ | |
.
39
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::| ̄|_::::ロロ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::| _|::::::::| ̄|_::::ロロ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::|_|::::::::::::::::| _|:::::::::□:::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ̄|_::::ロロ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::: |_|::::::::::::::::::::: / / ..:..:::::.::::..:.:.: ::.:::.::::::| _|::::::::| ̄|_::::ロロ::::::::::::::::::::
::::...: ヽ/ ''⌒ヽ ;;;::::::|_|:::::::::::::::| _|:::::::::□:::::::/ヽ:
ヽ ヾ ,,ソ ,,) _ ::::::::::::::|_|::::::::::::::::::::: / /:::
::::::... ,,ノ、 ,,ノ ::::... ヾ ::::... ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/:::::::::
:. :::... ヾ :::.... ヾ ::::.. リ ::::. ,,リ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::.. ::.. ,,リ ::::.. ソ::... ::.. 彡.. ::.. ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::... ,, 、 彡 ,, 、 =- ,, 、 - ::::.. ,, 、 ,,ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
く< ヾ 、 ‐ く< ヾ 、 ミ、 く< ヾ 、 ‐ く< ヾ 、 ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
\''ノ、 ミ、、 \''ノ、 'ミ、、 \''ノ、 ミ、、,,\''ノ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゞ ,,彡 ミ \\ \\ \\ \\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,ソ \\ \\ \\ ......:::::::::\\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
\\ \\ ....:::::::::::\\::::::::::::::::::::::\\:::::::::::::::::::::::::::::::::
\\ ......:::::::::\\::::::::::::::::::::::\\::::::::::::::::::::::\\::::::::::::::::::::::::::::
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 撃て撃て―――――!!
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | わたしたちを認めないキシナウ市の連中に、正義の裁きを下すんだ―――!!
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
40
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! | ところで、ここまでの経過を見ていて、一つ不思議に思わなかっただろうか。
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / !
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_ そう、モルドバのもう一つの隣国、ウクライナの存在である。
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´ まるで話題に上らなかった。
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ ' 実際のところ、モルドバ側から、関係をほぼ絶っていた。
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
41
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 あんな馬賊どもに、ローマ文明の末裔であるわたし達から頼む事なんて、何も無いんだぜ
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ 20世紀に入ってもヘーチマンとか言うチンギス・ハーンみたいな君主号を使っていたしね、
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ 同じ乱暴者なら、もっと強い方を頼みにするに決まってんじゃん。
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | (実はコッソリ支援は受けてはいたが、決定打にはなってないから省略する)
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ もちろんこれには、ソ連崩壊を受けて、ウクライナでも動乱が起こっているから、と言う理由もあった。
i (|r|┰H┰i |
'ハリ、 - ノリ しかし、ウクライナ人もウクライナ共和国も、日本人からすると不思議な程に内紛が絶えない地域で、
Ol⌒ll⌒D
. くソ_i_li;ゝ 20世紀前半に起こった数々の独立運動が潰れた一番の原因は、内紛なのだ。
(__i_)
・・・・ちょっと口を突っ込んで欲しくは無い相手である。
.
42
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ 激闘が続く中、ベンデル市が6月に陥落した。
i (|r|┰H┰i |
'ハリ、 - ノリ
Ol⌒ll⌒D
. くソ_i_li;ゝ
(__i_)
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, ヨッシャー!
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; ティラスポリ市まで20キロ無いんだぜ、これで勝つ!!
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
43
,. - 、
イ,i , ',
ハリ, i, ,i.リ
,ィ-"`''、'
.ノ::::|i__ iハ
r'::::ノ:::::::::V::::',
'-ク::::::::::::'iヽ;::ヽ、_ _
( ::::::::::::::::ヽ`-,_;;タァi.| ・・・・しかし、そして、ついに、あの軍が、動く
y"7i ̄ `マ、', // |.|
ti ̄`7ー-ァラ // .|.|
', |i:: !´ // |.|
i .i.! .| // .|.|
|__.',i _',// | |
{::::::!';:::::', |:.|
.i:::::! i::::::! .|: |
!:::i/,';::::! .|::.|
|:::|/ i:::| ..|:: |
.
44
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_,,....,,_ _ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 バ、バカな、
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ あ、あの軍団は・・・・
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
,,,,,,,,,, ,,,,,,,,
[★,l,,,l] [,★,,l,] ,, ,,,,,,,,,,
,__ (Д゚ ,,) (゚Д゚,,)[, [★,l,,,l] 三
゚゙゙゙゙゙∩0)'t`_`,/il`:´_ヽ_ (Д゚ ,,)
_ ,,---/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゚゙゙゙゙゙∩0) ゚゙゙゙゙゙∩0)'t`゙`! 三
.l_lニニニニニニニニニ二二/..,/ ★ 〈~〉 ヽ,,L_ハ,__ゝ ,Lハ ヽ
l:__:ll ̄`ー-- ,,__,,, ---┬-ー`(__」、_,,) (__」ヽ_ノ)_ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_`ゝ,,________ ゙/三l三l三l三l ̄| | ̄ ̄ ̄| | ̄l
,,--/ ll_) (__l==lコ ====. ~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l_| |___| |_l、 三
━(/_/l二二二二l ~ ~ \、 三
『ソ連、いや・・・・・ロシア連邦軍!?』
45
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i はー、はっはっは!!
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| モルドバ駐屯の、ロシア第14軍(約15000)を味方に着けたぞ!
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| 薙ぎ払え!
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ チ、チクショーーーーー!
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 撤退だ、てったーい!!
,' ノ !'" U ,___, U"' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
.
46
/ィ , / / / / ヽ,
/ / / / / / ,.' │ ヽ
/ / / l | / | | ヽ ヽ., 、 |
│ l | | ,∧ /、 | \. | │ ヽ, |
│ ィ | ,ヘ、 |_,| | \ |\, | `'j、│ | | 占領されたベンデル市は即座に奪回され、戦況は膠着状態に入った。
レ │ ,ヘ | _ゝ_メ._ \| _ハ,ヒ"_ヽ| |. ! リ
ヽ | _ヽ Y 行ッr`、 _ jl イ:ユキj> /ヽ| ! 両軍ともに塹壕戦に突入し、6月、7月と激戦が繰り広げられた。
! _ヽ!、 ト、ン |´ `l. トヘソ | !) ルl/
/_-、ヽ∧.. ニ ' , ゝ .ニ イ /ィ′ この時期だけで、1000人近い戦死者が発生している。
{/ _ ヽ`l i _ ! ∧l
ヽ L`' ヽ.| \. `′ , ィ' /!
\ ヽ }! 、 / /,ヘリ
l .ヘ ri ー ´ l/ | しかし、もう両軍に、限界が来ていた。
r'ン / , ィ' /j / ヽ
r ‐' ヽ _jヽイ ::/ ,/ \
/ 三三三三ノ//、 ヽ.. ー / _\
| 三三三三/ , 'ヘ \/ , ´ __ ., --ヽ
/ヽ三三三三 !/ 〉′ // ´ ィ´三 !
/ 三三三三三/ / // /:: 三三l
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、 U
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\U
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァU
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ 徴兵制度を整えて、モルドバ軍を6万まで増強したが
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 戦争を遂行する組織も人材も、完全に不足しているのぜ・・・・
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ どうあがいても攻め切れない上に、
`! !/レi' (ヒ_] U ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' U 工業生産が不足しているから、戦線の維持すら厳しい・・・
( ,ハ U ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ ______ ____ U
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_ こっちは人口がモルドバ全体の17%しか無いんだ、
,'==─- -─==キ U
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ 戦死者が出ると、補充が厳しい・・・
レリイi (_ヒ_] U ヒ_ン_) iリルノ U
| !Y!"" ,___, ""'!Y!| ロシア第14軍の補給もわたし担当だから、それも辛いし、
| L.」 U ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 U ノ||. | その上、ロシア軍はモスクワの命令で動くから、命令系統が詰まりがちなんだよ・・・・
ルレ ル`ー----‐イル, U
.
47
___........,,,,,,,_
>-''''': : : : : : : : :'''-、
>'''": : : : : : : : : : : : : : : :\_
>'''": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\,
>'" : : : : ::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ,
,,,-'''"-'/ ::: : :: : : : : : : ::...: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ 最終的に、両軍合わせて1500の死者と5000の負傷者を出し、
/::: :::./ : ::: : :::: : ::: : : : ::::...: : :::.: : : : :..: : : : : 'l
/::/: :::::: :.. :::: : :::::.: : : : :::ヽ:..: :::.: : : ::::..: : : : :'l 1992年7月21日、ロシア大統領エリツィンと、モルドバ大統領スネグルとの間に
/::/::::|:::: :::: : :. ... :::::..: : : : ::ヽ::..:::.: : : ::::::.: : : : l
l:::/|: ::l:::::: :/|: : ::::|: : ....l.. l ::::::: : : ::: l 休戦協定が締結された。
|:/ |: ::ヽ:::l:|┤: ::::|ヽ: :::l、:::::::.. : :.|::::::::: : : ::::::::: : : :|、|
|l |:::1ヽ:|ムヾ、:::.l ヽ、メヽ、::::..::|:::::::: : : ::::::::: :::: :l ヽ この休戦協定は、そのまま現在まで続いている。
.' ヽ:ト、:::lレナド.、:::l ヾ、 ̄'-,,,l::::::::: : : ::::::::::::::::/
|l ヽ:::|レ|カ ヽ . ト''''''ト,,,,, |::/:::: : :/、::::::/:/ (沿ドニエストルとの休戦は、バンバン破られたので、ロシア軍を止める方向にしたらしい)
l:::| " / .トナガレ l:::|::::: : /| |::/|/
l:ヽ、ヽ ''''''''' /:/::: : /.// .' ロシア第14軍は、その場で平和維持軍へと様変わりした。
.l::::|ト、 - .//l::: /"::/
.l::|' \" __,,,/:ク::: :/|/l/
ヾ ''''''''l"-,,/':/:/,-l'''':ヽ
.
48
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, ええい、クッソクッソ!
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; 最終局面、ドニエストル川にかかる橋の攻防戦で押し負けた!
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ ( おかげで沿ドニエストル側の領土は全然削れなかったぞ。
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_ 防衛戦だから勝ったには、勝ったけれども・・・
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ 結局ソ連は崩壊しちゃったし、ロシア軍駐留の負担が重いよ。
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!| 新しく出来た、独立国家共同体(CIS)の加盟も断られたし、国連の代表権も魔理沙が持っていっちゃった。
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. | 正直、先が見えないよ・・・・
ルレ ル`ー----‐イル,
.
49
/:::/::::/::::::::::::l::::::::|:::::::l:::::::::l:::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::i:::::: お互いに、先を見通せないまま、休戦状態が続いた。
/::;イ::::i::::::::::::::| ::::::l|;::::::li;::::::::|、;::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::l:::::
.l::/ l:::::|::::::::::::/!::::::| li::::::lヽ::::::l. ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::::::::::l:::::: モルドバは、ロシア軍が居る場所に、戦争を吹っ掛ける訳にはいかないし
|::l | ::::|::::::::-i-L;;_l .|!i:::::l ヽ::::l ヽ、__;;;;::::| :::::::::::::::::l::::
|:! .|::::::l::__;;;|_ l:::l`ヽヽ;:::l ヾ;レ‐'''゙゙´\ :::::| ::::::::::::::::l::::: 沿ドニエストルは、ロシア語抜きでは国が空中分解する恐れがあった。
l! .|:::/ ___ノ,ィ'ト|''=ミ、 ヾ! ,r-=fニミ;;弍;;| :::::::::::::::l~゙'i
l/ ,/ト、::l゙__゙ヾ::ii::|ヽ ,/ .|:::illi:::゙ii/ |:::::::::::::::j¨゙ l ユーゴスラビア崩壊後の、バルカン半島を見れば分かるだろう。
/⌒ヾ、|/`fト l ゙K);j .l'⌒''h. K);;;;ッリ l:::::::::::::/ .ノ
/‐-、 `iノ /'ヽ|、 ノ ヾ、 ,/ |:::::::::::/=7゙ チトー亡き後、チトー主義も民族の安寧も国家そのものも、崩壊した。
./ 、. ヽ |゙V,_ l:::i、 ̄ 丶 ゙''ー-‐'' ,l::::::::::/|:;/
i '゙ヽ_j-' .|::::|.\ ‐- ,,イ::::::::/ ,l/ 結局、沿ドニエストルとは
ヽ ヽ jl:::::l. ヽ、 , ''゙ /:::::::/゙`ヽ、
ヽ、. /ヽ::::| ,,`=ー '''i´ /:;/レ'〉;:;:;:;:,.,\ 「ソ連によって作られたモルドバに、ソ連が付け加えて新しくモルドバとなった地域」なのだ
/ /. ヽ:| ,,r''゙,.;:;:;r''゙~ノ /イ /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
. -‐-
〃. ヾ
. ! |ノiノハ从ハヽゝ この問題は確かに、ルーマニア人の民族主義では解決しないだろう。
i (|r|┰H┰i |
'ハリ、 - ノリ 「モルドバなんか捨てようぜ」、などと言われては、
Ol⌒ll⌒D
. くソ_i_li;ゝ ティラスポリ市側は、「自分たちも捨てられる」と考える。
(__i_)
.
50
. -‐-
〃. ヾ キシナウ市側が、昔の元鞘に戻るだけなんだ、と言っても
. ! |ノiノハ从ハヽゝ
i (|r|┰H┰i | 沿ドニエストル地域にとって、1940年以前の昔などは無い。
'ハリ、 - ノリ
Ol⌒ll⌒D 当然、ウクライナにもなれない。ロシアにもなれない。
. くソ_i_li;ゝ
(__i_) 「ソ連じゃなかった時代」などは存在しないのだ。
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ 第一、ルーマニアじゃあ、ハンガリー人を始めとした、少数民族の弾圧が続いているじゃないか。
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ そんなところに、わたしみたいな「半端もの」が入ったって、居場所なんか無いよ!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | ルーマニア語とルーマニア人の「クニ」が「ルーマニア」じゃないか!!
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
51
,.: -――<: : ̄ ̄. : .:\
へ<_. : . . .: .: .: .: . .: . .: . .: . \
/. : .: ;/.: . : . : .: .: .: .: .: .: .: .: .: . 〉
\_ /. : .: .: /.: .: .;/.: .: . .: . .: . .: . .: . .:⌒ヽ
ー1/〉. :/. :/. : . :/ . :. . : .: . .: . .: . .: . .: . .: . : .
//.:/. :. .: .ハ :. .:/. .: . .〈. . .: . .: . .: .: . .: . .: . .: .:、
〈. :.ィ7 : :/〉: .r=ミ!i : .:ィ. : :ヽ: . !. : . .: . .:〉. .: . .: . .:} ・・・・そんな中、モルドバ大統領スネグルは、とある決断を下すのである。
〉ヘ:|: ./. : : :|:pt八: . ト.、:.ノ: ./.: ,: .:!: ./ . .: . .: . ./
∨/ : : iЦリ \!rヘ(: .: . .: .: /../ . .: . .: . ./
/.:/.:Y lレヘ}/}: .: /. .: . .: . .: . ./
レヘ::ハ '" lrくリ: }:/.: /: .: :/.: .!:.{
} : \ 、 7.: .: .: :./⌒Y.: .: .:人{
}ハWヘ___/:. :. :. :.イ:. ..ノ/レ´
/: ../)/}:人: ト、
/}/ У \
-―く::::< ヽ、
/  ̄\ヽ:::ヽ }::!
/ 、 }::::! }::!
〈 } }::::! }::!
ノ } }::::! ヽ:.
.
52
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 お~い!霊夢~!
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、 ・・・なんだよ、魔理沙
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | もうわたしたちは敵同士なんだよ、気安く話しかけないでよ
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| それで、何の用さ。ルーマニアと合体するの?
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
53
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ その逆だよ、逆!
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ルーマニアとの合体は完全に白紙だ!
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ 公用語はルーマニア語じゃ無くてモルドバ語にする
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' (新しい言語を作る訳では無く、扱いとしてルーマニア語とは違う事にする)
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | え、いいの?そんな事して・・・
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
54
_
, ^ `ヽ
イ fノノリ)ハ 先の話になるが、1994年には、国歌もモルドバ独自のものに制定する。曲名は「我らが言葉」
リ(l|゚ -゚ノlリ
/つ{⌒l^0 (それまで歌っていたのは、ルーマニア国歌「目覚めよ、ルーマニア人」)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ 構わん構わん
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 おかげで与党、モルドバ人民戦線と敵対して、妨害を食らったが、知ったこっちゃねえや。
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ ルーマニアとはもちろん仲良くしていくが、
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' あくまで、お隣さんとしてだな
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ _____ ______
,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ン、
,'==─- -─==', i
i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | もう、遅いんだよ・・・・
レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | わたしたちはお互いに銃口を向けて殺し合いを演じたんだ
L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
| ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
.
55
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ 分かっている、これはコッチの判断でした事だ・・・
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 しかしそれでも、モルドバ人としてわたしは生きていくのぜ
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ モルドバ人としてなら、霊夢と一緒の道を行けるだろう?
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
: ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、:
: ,'r´ iノ イ人レヽ_ルヽ、 ン、:
:.,'=イi .(ヒ_]// / /ヒ_ン ).==', i :
: i イ /U/,-―-、 /U/" ヽイ i |: _人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
: レリイi // ` ー一' // .| .|、i . ||: > 魔理沙・・・、「モルドバ」を認めるの? <
: i!Y! # # 「 !ノ i i |: . ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
:L.', # L」 ノ| | :
: | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /:
:レ ル` ー--─ ´ルレ レ
.
56
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ わたしと霊夢とは、「モルドバの歴史」ならば共有出来るんだぜ。
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 頼りない、貧相な小舟だが・・・
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ これなら、霊夢とわたしは二人の小人として、一緒に乗りこなす事が出来るんだぜ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ それでも・・・戦争は起こってしまった。
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ ロシア軍の介入を認めてしまったものだから、わたしたちの問題は高度に外交的なものとなった。
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | もうわたしでも魔理沙でも、解決不可能な問題になってしまった
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
57
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::| 分かっているさ、そんな事。
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::|
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._: それでも、霊夢が将来的に合流する可能性は、
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,,
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '" 「ルーマニア」なら皆無だが、「モルドバ」なら僅かに存在するのぜ
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i;
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ ・・・・うん、有るよ。
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ その可能性は確かに存在するよ!
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 | わたしは、ルーマニア人には絶対になれないけれど、モルドバ人にはなれるんだ!
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
.
58
/, | /:: , l:: i::. }::ヽヽ::.ヽ \
.// .:! :| : /:::/:/::/i: /: !: }i:',ヽ:|
i,i .::| :|: :: !,/_ム/_ l:/::: l:: !l::! i::!
. ! l .: : .::::| :i:.:: レ',ソ,_/`!::/i:/ i:! |
. !.:! ::. : .:.::/´', !::: | ! ヾ.i´:i` !/ / ! 最終的に、モルドバと沿ドニエストルとは、1997年に実質的な国交正常化がなされた。
i:l', :::::. :. ::. ::〈 、'_゙il::::. |.| j_ソ ゙、_
ヽヽ、:::::::::. :::.::::\ニ',::. ii::! ノ 貿易も再開し、現在では沿ドニエストルの輸出額第一位は、ロシアでは無くモルドバで35%である。
ヾ、i::::l::::l::::',:| ',::. !',! ィ´
i|ヾ:!:::i::::/ヽ ヽ. l 丶. /
ノ /ii/lノ ヽ:r‐y┬ '
イ'"`'‐- 、 / ヽl/ '
/ \__{ヽ、
/_,, -‐‐‐-- ,,_ \_,ヽ‐、
.
59
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:
'r ´ q_
,'==─- -─==キ そういや、結局のところ、モルドバの使用文字の問題はどうなったの?
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!|
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
/:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_/::::::::::::; / ̄ヽ;:::::::|
__.) `''ァ-ァ'"´, ' ヽ:::| ああ、あれか、あれな
ゝ_, '"ソ二ハ二`ゝ- ヘ 、_ _ ゞ!._:
、'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ブ、_,:::::"'''- ,, やっぱラテン文字(アルファベット)採用したわ
ヽ_/i. /! ハ ハ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V 、!__,ハ、 |`、`; ,!i; キリル文字とかオワコンだよな―――
ヽ iV (ヒ_] ヒ_ン ) レ !; イ )
V i'" ,___, "' '! ヽ (
i,.人. ヽ _ン ,.ハ ) 、 `、
ノハ > ,、 ._____,. ,,. イ;( ( '` .) )
.
60
__ ______ ____
,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `: _儿
'r ´ q_ ヘ「
,'==─- -─==キ
i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ 上等だテメーコラー!
レリイi (_ヒ_] ヒ_ン_) iリルノ
| !Y!"" ,___, ""'!Y!| スッゾオラー!
| L.」 ヽ-ノ L」 |
| | ||.ヽ、 ノ||. |
ルレ ル`ー----‐イル,
_,,....,,_ _
-''":::::::::::::::::`' 、
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 やんのかオラー!
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
,. - 、
イ,i , ',
ハリ, i, ,i.リ
,ィ-"`''、'
.ノ::::|i__ iハ 欧州安全保障協力機構(CSCE)が、1993年2月に、モルドバへ代表団の派遣を決定した時
r'::::ノ:::::::::V::::',
'-ク::::::::::::'iヽ;::ヽ、_ _ 沿ドニエストル共和国軍は即座にモルドバ側の都市を制圧したと言う事が有った。
( ::::::::::::::::ヽ`-,_;;タァi.|
y"7i ̄ `マ、', // |.| 世の中、何事もめでたしめでたしとは行かないものである。
ti ̄`7ー-ァラ // .|.|
', |i:: !´ // |.|
i .i.! .| // .|.|
|__.',i _',// | |
{::::::!';:::::', |:.|
.i:::::! i::::::! .|: |
!:::i/,';::::! .|::.|
|:::|/ i:::| ..|:: |
.
61
__ ,イ_rヘ
ハ. / 0\‐=ミヽv/イ ̄ ̄ニニ=‐-
.| ト、 〈\ ,>-‐ 、 `⌒`ミ=-
ト| ハ_,X V /爪 \ \ \ 正確な事を言うと、具体的にこんな話をしていたかどうかは、分かりません。
|.l //// // :| ∧ .}\ヽ\\ハ
V厂 /,イ/:/ ≠ヱ__j/ ,,.V } 、 V __{\\ さらに言うと、モルドバ大統領スネグルのこの方針は、戦争前に既に掲げられた方針ではあります。
,イ /' /:/ //'  ̄ }/  ̄ { `ヽ
. 〉 //,イ ‐----‐ ‐---‐', 今回は、話の流れを考えて、こういう順番に書きました。
/ /'{ ̄ !ヾ ',
 ̄二¨゙丁 |n ',
__ .| ハ,| /
人 `ト、 ,イ あと、モルドバ関連のwikiの記事が充実しすぎです
 ̄ ̄ /\ \、 _ , イ
/| :|\ `ミ=--=≦ / 絶対、スレの住人の中に書いた人が居るでしょ、コレ。
, イ | :|/'\  ̄_,才丁´
<{ ̄ ̄¨゙| :| ,>-< ,イ |
.
62
/ィ , / / / / ヽ,
/ / / / / / ,.' │ ヽ
/ / / l | / | | ヽ ヽ., 、 |
│ l | | ,∧ /、 | \. | │ ヽ, | ・・・・この問題の争点、それは
│ ィ | ,ヘ、 |_,| | \ |\, | `'j、│ | |
レ │ ,ヘ | _ゝ_メ._ \| _ハ,ヒ"_ヽ| |. ! リ 「ロシア語系のモルドバ人」としか生きていけない、ティラスポリ市側と、
ヽ | _ヽ Y 行ッr`、 _ jl イ:ユキj> /ヽ| !
! _ヽ!、 ト、ン |´ `l. トヘソ | !) ルl/ モルドバ地方のルーマニア人」として生きて行こうとした、
/_-、ヽ∧.. ニ ' , ゝ .ニ イ /ィ′
{/ _ ヽ`l i _ ! ∧l 「キシナウ市側のすれ違いだと言えるかもしれない。
ヽ L`' ヽ.| \. `′ , ィ' /!
\ ヽ }! 、 / /,ヘリ これが全てでは無いが、戦争の直接的な原因の一つであろう。
l .ヘ ri ー ´ l/ |
r'ン / , ィ' /j / ヽ 戦後、モルドバはそれに気付いた。
r ‐' ヽ _jヽイ ::/ ,/ \
/ 三三三三ノ//、 ヽ.. ー / _\ だから「沿ドニエストルの住人がモルドバの投票所に来れば、投票に参加できる」としている。
| 三三三三/ , 'ヘ \/ , ´ __ ., --ヽ
/ヽ三三三三 !/ 〉′ // ´ ィ´三 ! そして沿ドニエストルの独立を認めないが故に、「沿ドニエストルの住人にモルドバ国籍を与えている」
/ 三三三三三/ / // /:: 三三l
.
63
,.: -――<: : ̄ ̄. : .:\
へ<_. : . . .: .: .: .: . .: . .: . .: . \
/. : .: ;/.: . : . : .: .: .: .: .: .: .: .: .: . 〉
\_ /. : .: .: /.: .: .;/.: .: . .: . .: . .: . .: . .:⌒ヽ
ー1/〉. :/. :/. : . :/ . :. . : .: . .: . .: . .: . .: . .: . : .
//.:/. :. .: .ハ :. .:/. .: . .〈. . .: . .: . .: .: . .: . .: . .: .:、 そして、モルドバ国民は、1994年の投票で、ハッキリとルーマニアへの合同を否定した。
〈. :.ィ7 : :/〉: .r=ミ!i : .:ィ. : :ヽ: . !. : . .: . .:〉. .: . .: . .:}
〉ヘ:|: ./. : : :|:pt八: . ト.、:.ノ: ./.: ,: .:!: ./ . .: . .: . ./ この時に、モルドバ独自の国歌も制定された。
∨/ : : iЦリ \!rヘ(: .: . .: .: /../ . .: . .: . ./
/.:/.:Y lレヘ}/}: .: /. .: . .: . .: . ./ そして現在、沿ドニエストル・モルドバ共和国もドニエストル川も、
レヘ::ハ '" lrくリ: }:/.: /: .: :/.: .!:.{
} : \ 、 7.: .: .: :./⌒Y.: .: .:人{ 平和そのものである事は、確かである。
}ハWヘ___/:. :. :. :.イ:. ..ノ/レ´
/: ../)/}:人: ト、
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-―く::::< ヽ、
/  ̄\ヽ:::ヽ }::!
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ノ } }::::! ヽ:.
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895 : ラーメン大魔王 ◆5BsUPK2aGs : 2021/09/12(日) 22:47:52.852231 ID:NkOp5PYh
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『ドニエストル戦争とモルドバの決断』
十ヽ -|-、レ |
d⌒) /| ノ ノ
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,. イ
_ ,;/;'ッ '´ ;:i!
_,,.__>'ー:、ヽ ,. - 、 /;/'´ //ト-、
_,. -‐ ''''ヾ゙ヽ `ヾ:、,. ィ'ー-ッ-‐' / , / ,、 '゙`゙''- 、 / //_,...ィ
_,、r.'".ッ '"´ ` ,.. 、"''' ヾジ" ,.. '´/ ,.. - '´ ! ,.ノ'"/ !
`フ ,,. ;ッ''", / ,. i.! ゙ヾ;r'´,.イ / _,. ''" レ'ヘ'./ !
/,;;// ,// /,/ ;!.゙, ヽ、ヾ/_/ ,.rく ,、- '´ , - '´ ゙、 |
,;'、ッ''7' ,/;' ;!. /;/!.バ,゙'、 ',、 ヾr''ヾ;、\__,..、_,、‐'',´ ,. - '"´ ,> ,' 参考文献で~す
、 ´ / i' ,./7ハ;ハ ;'/'゙i/_,.._ヾ:、 ゙; 、 ヾ、,.ゞミ;、\ー `~ ___,,... -‐ '" //`:ソ
`゙'''‐-i,/r7,:',ニ、゙:i/ ,:i',.:‐::、ヽ_ヽ,、-‐'ヾ:、 ゙、ミr‐ヾ、 / /::::/
ノ´`7! !:::::! !:::::::::! i''´`ヾミ;、 ゙;ミ:,、'、ト <._ ヾ:/
ハ.ヾツ ヾ--'ン !'ミ゙:,`ヾ;、!'''' ー― ― -- 、..,,,__ ,,.. `''ー-ヽ ,.-、
, ' `´ `" ´ i、 ; | i.ヽ/Kヽ ´ ̄` 丶、 ー―-- 、...,,,_i' '、
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ヽ、 ,.;''";' / _! \ `丶 i ゙:、
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V ...::ヾ=:、 >ヘ'´ ;' ヾ、 / フ''丶- 、.,_ | \ ゙:、
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K:ヽ-、-、,,.. -、__〉、 / ヽ ',
`ヾ┴'´ `´ \ ゙;
・ これまでの、語り人=サンの、モルドバの話 語り人=サン、善吉=サン
・ やる夫たちは世界大戦を二度するようです ◆cynxGfVqpA氏
・ ソ連邦の解体と事実上の国家の形成 松嵜 英也 (2015) 基本な流れはコレを使いました
・ 旧ソ連圏諸国における言語戦争について A・ディボフスキー (2021)
・ 民族間紛争の予防に関する欧州安全保障協力機構OSCEの機能 中内 正貴 (2001)
・ モルドヴァ共和国の歴史教科書における現代史 中島 崇文 (2019)
・ 帝政ロシアにおけるノヴォロシア・ベッサラビアの成立 志田 恭子 (2002)
・ ソ連末期におけるガガウズ人民族自治政府を巡る諸問題 佐藤 圭史 (2006)
・ ロシアについて 北方の原形 司馬 遼太郎 (1989)
・ モルドバ、沿ドニエストル、モルドバの言語問題など各種Wikipedia
感想 : 絶対に、もうやらね~
3割くらいは想像で書いているので、おかしいなと思ったら、調べてみましょう
私は全部、Google Scholarで探しました
終わり終わり、さあ終わりだ!
つっかれた・・・
おつでした。
言葉の違いがある地方を一つに纏める方法……
日本も大変だったっぽいからなぁ……
お疲れさまでした
単独でスレ主なれますよ
乙でしたー
あと、モルドバ関連のwikiの記事が充実しすぎです 絶対、スレの住人の中に書いた人が居るでしょ、コレ。>
いないんじゃないかなww 今の今までスレ民そこまでディープな話した事ないよwww
大作(でーさくセンセイではない)乙です。
おのれ、そろそろ寝ようかと思ってたのに、よくも俺の睡眠時間数十分を奪ってくれたな!?
乙です
文献が…文献がわりと多い…!
ここまでいくともう学ぶ系スレ立ててもいいんでない?
スレ主は無理!
板の管理とかやっていけませんよ
投稿乙でしたー
文献も多い大作ですね
あと、日常のまとめ様のとこで言われたけど
わたしゃ、カクヨムでガッツリアフリカの話も書いてました
全然読者が付かなくて、放置してますが・・・
そこで書いてて分かった事は「言語の問題」は日本人が思ってるより
遥かに重要で危険な問題ですね
しかし・・・ああ・・・
あの日、やる夫アフリカスレに出会った感動が、私をここまで動かした
あの名作スレに、少しでも近づけただろうか・・・
あと、モルドバ人の知り合いは居ませんが
2018年5月19日のモルドバフェアに行ったのは私です
メシも酒も美味かったが、地味です。モルドバは。
モルドバの善吉=サンはどう評価してくれるだろうか
眠いのででもう去りますね
アリーヴェデルチ!
乙ー
乙
モルドバワインはいいぞ
投稿乙
イッチが朝起きてみたら絶頂しそうな大作でしたね
乙
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