AAで読む枕草子 五 宮中日誌 その2 【宮中での生活】
- 170 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:25:35 ID:Rat/rv4U0
宮中日誌 その2 【宮中での生活】
第282段
iニ二二二二二二二二二二二二二二ｉ. ｜
|;:;.. : i;::,. : ;!..:. : i;::;.:.::.|:;; . .:i::;; :.;:|;; .:;:::!::; i! ｜
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|;:._,.:_|;:._,.:_|;:._,.:_|;:._,:;_|;:,_,;:_|;:._.,＼ ヽ／ ∠_
＜⌒＼ ／ヘ i'ﾞ||
＿／＿ . -=ﾆ¨ 匸＞=＜二＼ |..||
（{;::[串]::;}）. r ―－＞'"´￣￣｀＼ ー≧＿_|
|i￣|￣|￣|_|. ／ ￣ ７ ＜
||___|_：,|__,,|_||||]|（_,..､_/, / /_| ＼__ヽ ｀Ｙ′之＞
￣￣￣￣￣￣ ,ｲ/ |:/|:∧ :|＼{＼ ! } ヽ }< 3月ごろのお話
ﾉ八 .{ ---＼l --- || }ノ |
＼| （●） （●）.ﾉr'／
人'' __ '' ィT´
｀ ｧ┬=≦:ﾉj ∨
／'^::::-=:^ヽ:::＼ ｶﾘｶﾘ…
＿/:::┃／ ＼:::::::|
.. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣（,,ノ ＼
／ /＿＿＿＿＿＿＿ ヽ ＼
- 171 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:26:11 ID:Rat/rv4U0
物忌で他人の家に居候して2日目
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' | ､ , ,. ,.l , ﾞｉ
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ,ｌ
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ（ ー） （ー）|ハ| あー……ヒマだわ……
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 Д ノ川
―――( ￣￣￣￣￣￣ )￣￣￣) ――――――――
￣￣￣￣￣｀¨´¨´￣￣ 旦
ヒマすぎてすぐにでも帰参したいと思っていた時に
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜ 郵便でーす＞
＜之′Ｙ´／ ＼ ﾐ
>{ ,' |､ , ,. ,.l , ﾞｉ
| !､{ |. l/ﾅ弋 |.lﾅﾅ| ｨ, ｌ ん？
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ 弋歹 ﾚ 代歹）ハ|
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 |
ﾞｉTィ.,_ ^ ノ
―――( ￣￣￣￣￣￣ )￣￣￣) ――――――――
￣￣￣￣￣｀¨´¨´￣￣ 旦
- 172 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:26:28 ID:Rat/rv4U0
宮からのお手紙が届いて
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' |､ , ,. ,.l , ﾞｉ 十
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ, ｌ ﾟ 。
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ （●） （●）| ハ| * ＊
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 "" , "" | 。
ﾞｉTィ.,_ ▽ _,ノ +
│「ィ::／⌒)^ヽ
／::::/ ∠ }
/::::V:::::r＜:::::〈
',:::::::::/ ヽ::::ヽ
ゝｰ' ＼ノ
／ ｌ ヽ ＼
すごくテンションが上がる。
- 173 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:26:51 ID:Rat/rv4U0
開けてみると、
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
| |
/ ￣￣￣￣ /＿＿＿__
/ /ヽ＿＿／/
/ ｶﾞﾙｶﾞﾝﾁｭｱ / / / いかにして 過ぎにしかたを すぐしけむ
/ / / / 暮らしわずらふ 昨日今日かな
/ ＿＿＿＿ / / /
／ ／ / / （どのようにしてあなたが出仕する以前は時をすぎしていたのでしょう。
／ ／ / / 退屈でたまらずに日を送りかねてる昨日今日ですよ。）
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/ / /
と季節にあった浅緑の紙に宰相君がおしゃれな字で代筆してあった。
- 174 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:27:14 ID:Rat/rv4U0
宰相君の私信には
/ ／ ..::/.::/ .:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l ::ヽ｀ヽ
i / .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l !
! ! l .:::::::/l/__l／ /／ ｌ:::/.:::!::::/!:::::!:::::::!::!:l
ｌ /l/l .::::::/ ＿_ ｀ヽ、 ｌ/ .::::l::/.:l:::/l:::::::!::!::!
V く ｌ .:::/ ¨ 疋ﾀ` ヽ､ノ .::::::_j/ -―ｌ:::/.∧l
∨ｰ!::/ ｀¨ ／fr芹､:::／l/.:/
j/iヽl/ /.:::::┴'..:::/./ j/
. ｌ::∧ { ::::::::::::::/.:/ 貴方のいらっしゃらない今日は
. __/V ::ヽ ／..::::::::::/.:/ 本当に千歳（ちとせ）も待っている気がしますから
／i/ ! ::::::ヽ _ .:::::／ j/ 暁になったらすぐにお帰りください。
.三l :: ｌ :::::::ヽ、 __‐-..::::／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、 ....:::::／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼
宰相
と書いてあった。
- 175 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:27:41 ID:Rat/rv4U0
宰相君にお言葉をいただいただけでも名誉なことなのに、
宮の仰せの趣にはもったいないくらいの心地がして
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
. / , l、 、 , ､ | ヽ }<
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノ | 雲の上も 暮らしかねける 春の日を
|ハ |（◎）三（◎）::/ / ,/ﾚ′ ところがなとも ながめつるかな
`| ヽ 「)'/|/
／::ヽ､_ ― _,.ィ::::::＼ （九重の雲の上でも過ごしかねるとお聞きした長い春の日を
＿/:::┃ |:::::／ ＼::::::| i::::| 私は自分がいるところがつまらないせいだと思ってなすこともなくぼんやりしてます。）
.. ／ /ヽ,,⌒) ￣￣￣￣ （,,ノ ＼
／ /＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヽ ＼
と詠んでお返しした。
- 176 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:28:06 ID:Rat/rv4U0
宰相君には
＿＿ , ．イ V } イﾆミー- ﾉ
￣¨ー ., ／ヽ ／ ヽ r-イ
／ ./:::...:.＞＝<_＿:.:ハ ＼
.／ i / ＜´ ＞::> ＞..._
､＿＿ , ィ ／ ﾊ ! ,, - ハ 从 ＜
￣￣＝ ≠ { i /八! ／ }/ ヾﾐ､
/ !i! // ,' ＼
,' ﾊ 川 / , / ﾍ
/ ∧ | , ,' ,ｨ ,' i ハ
／ _, }! i ,' ,／ ,' / /i ./| |
／ イ7 | | ,' ´¨,ﾃﾅ=i‐- ｨ／ 十-.|,,_i .i
￣ i i! 从 | .i l ,rｆj＿＿ ／/｜ ,ム」_:,; .| 暁まで待つうちに
| / .| ∧ .| .| lK {| ::::::ﾘ l／＿＿ ﾉ/ |
人 八 {､ ,' ∧ > l, ゛ｰ '' K.__,/ }/ / ﾉ.,' 今夜にでも焦がれ死にをしてしまいそうです
／ | {_ ノ! |::|{ ＼! ｀"" ｲ.//／./
Vーイ{ |::| ト.､ >xxxx __ ' xxxxイ／
/ .|::| |::|::| ／ ＼ ,ｨ'
/ ／Yﾟ|::| |::|::|､ ／ ／~＼ ヽ‐､_,／
/..／ ＿ﾄ.|::| 川ﾟ|＞イ ,.へ `＜ ヽr‐ｧ―=‐､
ー ",/´＼ﾉ/!_| .|: |, イ ,､〆｀`'ｰ /;;/.:/ ﾍ
/ ﾍ:.:|;i;;;;;;;ﾊ ∨￣ /;;/.:/ / ﾊ
i ∧:!;!;;;;;;|:} |! /;;;;!:/／ i
と返事を出した。
- 177 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:28:22 ID:Rat/rv4U0
さて、朝になって参内すると
＼ │ ／
／￣＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣
─（ ﾟ ∀ ﾟ ）＜ あさあさあさあさあさ！
＼＿／ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ │ ＼
∩ ∧ ∧∩ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣￣￣￣＼ ∩∧ ∧∩＼（ ﾟ∀ﾟ）＜ あさあさあさあさあさあさ！
あさ～～～～～～！ ＞（ ﾟ∀ﾟ ）/ ｜ / ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿／ ｜ 〈 ｜ ｜
/ ／＼_」 / ／＼」
￣ / ／
￣
- 178 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:28:45 ID:Rat/rv4U0
_...-－´´ﾞ´´´ ｀－..
／´ ___...--- ..._ ｀ヽ
/ , -´ ｀ ＼ ＼
/ ／´ ｀ ／´ ＼ ヽ
〆 ...-－v´/ ＼ ｀
..´ iﾞ ｒ－´｀ヽ.. ｀.. ﾞ}
| ../｀－... i __} |__..., i
i {_____......_γ--－ i ＼ 丶 ｀´--´｀〉
| ::i ｀.. ゝ＼ ＼ i:::::::::λ_ζ´
〈 ;:::::{ ＼ ｀-...≧ ｀.. ｀－´ ｀..
丶:::::::::::/ } ､... －- - -…...,ヽ;:::ヽ ｀ﾍ i 昨日のお返しの歌は
y::::／ j_...-´｀.. ´i￣｀｀ }:::::｝ ｀ﾞ...;.;.: ヽ
/:::/ ィ _...ィ ｀ ...____.., ,i:::::i ::::〉:::; ｀.. 『かねける』という言葉がとてもよろしくありませんでした……
/ | ::::: /ヽ ｀ ｀＝＝=″}::::| ::::::／j:::::;; ヽ
{ ;::i:::::《 へ｀ i __.=≠´ ﾉ:::::/::::::::／:|::::::|::::. ＼ 皆さんとさんざん非難なさっていたのですよ？
i ::::::〉... ｋ┤ ﾞ... i ∠:::κ::::{::::ﾐi::::::::::i:::.:.: ヽ
＼/ i〆｀￣｀つ, ! /::::::i::::::::{ ヽ::::入:::::::.::: ｀
/＼___/｀￣´i__＼.. _-っ ／λ::ｌ::::|:::《 Ψ i::::::::::::::. ＼
{ （｀ヽ_｀ﾞ―-(...__ へ..._ ¨ ..／ |::::::::|:::{´｀ヾ ＼ ＼:::::::::::::; ＼
/ ゝ... ヾ＝-... ｀ﾞヽ...__＼ ─´/´ |::::::::ヽ《 ￣￣｀-..:::::::::;.. ＼
/ //ヽ..｀ﾟ-...__ ＼〉 i::::::::::ヽ::::｀ ｀:::::::::::; ＼
と仰せられたのがひどくさびしかったけど
- 179 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:29:04 ID:Rat/rv4U0
そうおっしゃったのも当然のことかもしれない……。
,.-'⌒ヽ,
ノ ヽ、
(´ ,ノヽ )
,.-' (´ ｀)｀ｰ-､
(´ ,ヽ、 (⌒ ）
｀ｰ-'´ ⌒'ー､,,,,,,,,..,,.-'￣
｡i ｡ ﾟl ｡
! | ゜ i
l i ! ﾟ
| ゜ i |
｡ i
;゜ ! ゜ : ; ; i ! ゜
! ､i;,| i, ﾟ,゜ ゜
! ﾟ ＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿> ｀r‐ ≧_＿
＞ｲ ｀ ＜
／ > ＞
. / < ,' ﾘ
ｌ ,ｨ ヽ ,/ } ノ
|ハ | |<ﾍ,Y´入ﾉ ﾘﾉ ,/ﾚ′
`| ノ ...::/|/ !
ヽ､ゝ / j.:./|/ l
! ,l:/ﾉﾙﾘﾊ:ｿ |
l ｨ':::::::::::::::::｀.: i
|...... |::||::::::::::::::: || ;゜ !
|::||'￣￣`j:|j |
rｪﾘ ＼ ゜ i
／ / .ｌ ＼ i
＼/ | ／ |
i ｀ｰｒｰr┼‐ｒ'´
; i |::::| |::::| ｡ i
i;,| i, ﾟ |::::| |::::| ゜ : ; ; i
,/~ﾘ ﾄ~} ! ､i;,| i
､i;,| i, `ｰ' `ｰ 'i;,| i, ﾟ,゜
- 180 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:29:18 ID:Rat/rv4U0
◆ 解 説 ◆
_＿_＿__
,. ィ "( __ )ｰ- ､ ｀＞､
,〆 ／ | ｀ヽ. ＞､
/ .／ |. ＼ ヽ
/／ | } /
∨ | ,r'
∨ ! , ＜{´l
{｀_ｰ‐ ─､─┴‐─＜､, /´ヽ
／,ｨz ＼___ _＼ ｀＞´ _,ｲ/,ｨ､ ﾄ､
,′´ _,ィュ‐‐' ｀￣´ ,ィuｊﾃ/ |､} {｀
/ ､,ィ,!ﾍ迄ｵ"7!７''´^｀´ｸ,.ｨ'.八` どうも。解説役の白鐘直人です。
/ r'ｌﾍ｀ ''′ ´'ﾉ八{
/ ／,ﾊﾍ｀ ､ . , ' / ﾞ この話はちょっと分かりづらいので解説します。
∧´＼ ／ ｒ┴ゝ. -__-‐ ,ｲ､{｀ｆl
,〆ﾍ ヽ. ｀く ∨､ {｀＞ ._. イ.ｰ' {ﾞ ||
／ﾍ ゝ' ＼ﾟ／ ,∨､} {ﾄ, / } ./ゞ〈
／ >´ >'´￣￣´ ゝ＼｡| ｌ. / |｡〃､く＞､
／ ／ ／ | （｝}｀| |'｡i ´/ ／ ｀＞､.
／ ／ ／ヽ | ´ヽ,| l /／ !＞ ､_
／ ／ ,ｨヾ ヽ ＼| ヽ ヽ, |〃 | /
. ノ ／ ／ ,L __ヽ, ＼'|!ヽ}､, V （(.)） .| /
| ／ ,ィ´､´ ＼ヾ| // `┬───|/ .{ｰ‐──┬──‐| ﾉ､
}' ′ ﾉノ ＿＿_ ＿＼ｌ/ l / ! ｌ 「!./ /
ヽ._ ＿ﾆ ー '' ´ ｀ｌ l |（C,| ｌ |!'､／{
- 181 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:29:52 ID:Rat/rv4U0
――なぜ宮は『かねける』を不愉快に感じたのか
_ ＿＿＿＿
／／: : : : : : : : : ＞､
/: : {: : : : : : : : :／: : : :＼
ヽ- ￣￣｀ ｰ-:: _: : : : : : :＼
/-―― -．__ ヽ : : : : : : :ヽ
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: ‐ ＼ : : : : : i
／.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ＼ ＼ : : /
∠イ.: /.: .: .: .:/.: .: .fｨ l.: . N_ヽ､j:／
ﾙ.: /.: ｲ.: .:/ .: ./ {i_l |.: .:l iｿ !:〈 返歌というものは送られてきた歌の一部を使うのが作法です。
|/ l.:/ .: /.: .: .l .: 〉 i.: .:l ｀ 从::!､
ｿ.: .:l/.: .イ. /i l.: .! _」 ﾄv‐､‐-､ 今回の場合
/.: .: ｲ.: / Vﾘ l V c┘ | ｲ { r→､
ﾙ/l/l/l/：：： ‐-ヽ_ / l ヽ Ll_t } 「暮らしわずらふ」 を 「暮らしかねける」
l：：：：：：：：：：：：： > ! ゝ ‐ l
「￣￣￣￣｀ー―┴――､ ﾍ （ / と返したのがまずかったわけです。
/ / l/ﾆﾆ= ､<
ｲ / l ヽ〈
/ l l l_ ／
. 〔 l＿ -―┬―¨ ＼ こ二ﾆ‐ﾆ〕 /
ヽl ! ＼ ＼/
i| l ＼ 〈
- 182 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:30:15 ID:Rat/rv4U0
- ＿ _ ＿＿
,,＜ﾞ ( ) ��ﾞ＞ 、
／ ′ 彡 ＼
/ / 彡∧
/ 彡]
{ �� 彡ｲ
＼ ! ,,≫彡彡|
{｀ｰ-〟⊥＿__,,〟≪ .彡彡彡ﾍ
ﾊﾞ. ｰ ..__ ＿_＿_ _彡 ,,イ ﾉ八 『ける』とは≪伝聞過去≫
ﾉｿへ ,,／、ﾉｲ ,か人
厶ﾊ爪赱ｹｰ-ｧ'ｸﾞｆ赱ｼﾞﾉｿソﾘ八 つまり今回の場合だと
ﾍ从 ' ,ノンﾉﾊ 『その手紙を受け取って初めて宮の気持ちに気が付きました。』
j、 ｊ) 从,人 ということになります。
r ﾘ丶 ｰ -‐ ,ｸ乂!ヘ
{{ 'ﾘ'ﾊ＞..｀_, イ゛／|ﾘ }} 宮からしてみればとんだ片思いといったところでしょうか。
∨ ,/ﾘ | _√｀ ,,＼ ｸ、
__＿,,〟ｰ＜ﾞＶ',人 /{_/ ﾞ} ／〕,〈 ＼_
/{ へミﾐY ,4 ﾚﾞ ./ { ヽ,,_
｛ i ヽﾐ |０ ｰ':/ ／ ＞、
,,ノ .} ﾞ∧. { /／｀ ィ,ﾉ
- 183 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:30:35 ID:Rat/rv4U0
.. -‐Ｏ=- ._
／ ／ T ヽ
〈 〈 | 〉
｀) ﾉ | _,,/
／` ｰ-=≦.. _-=≧′
〃´＞.___. ィ´
/ /´
ノ ／
／ ／ . -‐ゝ- .
. ／ ／ ､__..／::::::::::::::::::::::::ヽ 解説コーナーは以上です。
. ／ ／ ｀7::::::::::::::::::::::::::::::::::.
／ _,／ イ:::::;ｨiri.ｨ::,ィz≠!:::::l 本編で補足し切れない解説はこうやって本編のあと解説します。
. '､ ＼ ｲｨ::i!!ゞ'' !' {r刈:::::ﾒ
＼ У＼ 人从 ' ｲ:/´)ﾞ
＼/ ｀Y´￣ >へ`_ｰ_ .ｨ升ﾍ!
/ / /「厂/__.. ィ､
ム___ ∨ . |r'´/〉 │
＼／ /.／ '-‐≦´>=-､
／ ﾟ " |
| i ∧
| ﾟ ゝY ﾄ､
- 184 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:30:51 ID:Rat/rv4U0
第96段
宮の御妹や公達、殿上人など、御前にたくさんの人がいたので
';';,..
'';;';';;,.,
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
ザッ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ
＿＿,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ザッ
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ _／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼／'''''' '''／'''''' '''''':::::::＼ ／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:|（●）, .|（●）, ､（●）､.:|､（ |（●）, ､（●）､.:|
. | ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .:::| ,,ﾉ(､_, )| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|_, )| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| ｀-=ﾆ=.| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|ﾆ=| ｀-=ﾆ=- ' .:::::::|
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／＼ ｀ﾆﾆ ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／ﾆ´ ＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐- ／｀ー‐--‐‐―´＼-‐‐ ／｀ー‐--‐‐―´
- 185 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:31:08 ID:Rat/rv4U0
御前から少し下がって他の女房と話をしていたところ
ラグナ×ハザマかな～
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿ /.'´￣￣｀ ｰ-
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜ ／ 〃" ｀ヽ､ ＼ヽ
＜之′Ｙ´／ ＼ / / ﾊ/ ＼ﾊﾍﾍ
>{ ,' | ､ , ,. ,.l , ﾞｉ |i │ ｌ |ﾘ ⌒ ⌒_}_}ハヽ
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ,ｌ |i｜ 从（ ●） （●）ｌ小N
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ（ ー） （ー）|ハ| （| ⊂⊃､_,､_, ⊂⊃ノ ラグナは意外とヘタレ攻めっぽいぉ
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 Д ノ川 / V j＿ |_/ ＿ﾉ/ヽ 杉田と中村の関係から考えて……
―――( ￣￣￣￣￣￣ )￣￣￣) ―(＿＿＿_.)─-(＿＿＿)─---
￣￣￣￣￣｀¨´¨´￣￣
じゃあ中村は強気受けか……
- 186 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:31:35 ID:Rat/rv4U0
宮が何か書いたものを投げ渡してくださった
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
| |
/ ￣￣￣￣ /＿＿＿__
/ /ヽ＿＿／/
/ ｲｱｲｱ ﾊｽﾀｧ / / / あなたを『私の一番』にしてあげましょうか？
/ / / /
/ ＿＿＿＿ / / / 人は「一番」でなければならないのでしょう？
／ ／ / /
／ ／ / /
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/ / /
- 187 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:31:58 ID:Rat/rv4U0
というのも、私が御前でおしゃべりしてるときに
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' |､ , ,. ,.l , ﾞｉ r,
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ, ｌ ／<
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ （●） （●）| ハ| ヘｿ〉
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 xx , xx| ／:::／
ﾞｉTィ.,_ ― _ノ／:::／
│「ィ::ニE7 l／::::／ 何につけても、人に一番に思われなきゃだめだと思う
/´::::,r'＼ﾄ::::／
/::::,´ ￣｀i／
／::::ノ |
＼:::::ヽ､ ＼
／ v'｀ ヽ ＼
- 188 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:32:22 ID:Rat/rv4U0
- ,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ .,,_ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ__,-､＿＿＿＿＿＼
>{ ,'＿{.0.}＿＿＿＿＿__ﾞｉ
. | ヽ,{ |`ｰ’寸T ハT７} ｨ, ｌ
ヽﾚⅣ ハ （ー） （ー）| ハ|
V ﾄ'(1 , }" そうじゃないならひどく嫌われてたほうがマシね。
Vィ丶, ⊂ ,.ノ ,xっ
τx、 │「ィ::ニE7l´ /＜ヽ三)
. (三＼＞└／ Y.ﾄ,ヽ/ /
＼ ヽ |´ ﾟ|｀il＿/
＼__／| ﾟ| |i
／| ﾟ| |i
. ／ ｌ ﾟ| ＼
＼ | ﾟ|ヽ >
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
. / , l、 、 , ､ | ヽ }<
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ |（●） （●） / / ,/ﾚ′
`| ヽ 「)'/|/
ヽ､ _ ― _,.ィT/ ２番やら３番なんて死んでもなりたくないね。
, :f只'Y^ノヾ,
／ﾉｿ凵/;:;/ >
/ ,/;:;|‐/;:;/ /
》v《;:;:;Y;:;:;{ ,.,ｨ/
.,ﾑ(⌒`'≪⌒ヽ》-'
{ ⌒＞､ ｀)_)),《
`ｯイ;:;:;:;｀>ｰｲ/
/;:;/o;:;:;:;:;:;:;:;《
などと言って、
- 189 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:32:41 ID:Rat/rv4U0
- ,ｫｪ､＿__
,.f込ｔﾝ:::::::::::｀ ヽ、
／::::;. -‐ ´￣￣｀丶＼
〃::／ ＼ヽ、
. ll::/ l 、 ヽY ＿
ll::l} ｌ | l | l lイﾆ}|
ll;;l} l､ | | ｌ、 -l‐七/ｖ' lミ彳、
. _,'Vｉ l,x tT二ｔ,|ヽ,ノ,ｨT}｀'j ｌ ||〃へ.､
／<//l､ ヽヽｨf_lｊ` ¨ ∠ノlﾉ.|| l ヽ>
ヽ／/{∧ ＼＿. __'_, ,ｨ′l ﾚ. l 唯一無二の道……という訳ねぇ……。
. / //'l | ＼__＜. ､ __`_´.ｲ,ヽ ＼,__ l
/ l_| |_! ｌ ｌ l'ー--,＜└vヽ ＼＼!
. / ,ｨｰ-.‐| |'′ //lＹﾐヽ|l ハ 、 ヽ:.＼
/ /.::::::::::::{ ＼ｰtfﾉｌi 斤 l:::::|j＼ l:::::::.＼
/.:::::::::::::::ヽi＼ ヽ ￣l｣ |/ |::.Ｙ :::`'::::::::::/
. /.::::::::::::::::::::::|:::l ヽl_,､_ｒ､,_,､r､l'|:::::', :::::::::::::/
〈:::::::::::::::::::::::::l:::::＼ﾞ ' | l / ' ,}::::/ :::::::::::ハ
. ＼:::::::::::::::::::i､:::::::::＼ 仍} ,/:::::ｌ｀ヽ:::::::::::::',
T :::::::::::/ ＼:::::::::::` - ､／::::::::l ヽ:::::::::..ヽ
と、同僚の皆にも言われ、ネタにされたことを覚えていらしゃっての事らしい。
- 190 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:33:39 ID:Rat/rv4U0
- お返事には
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ .,,_ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' |､ , ,. ,.l , ﾞｉ
| ヽ,{ |寸寸T ハT７} ｨ, ｌ
ヽﾚⅣ ハ （●） （●）| ハ|.
V ﾄ'(1 , } ＿i 九品蓮台（くほんれんだい）の間には 下品（げぼん）といふとも
Vィ丶, ― ,.ノ |[] |
│「ィ::ニE7l´ |囲 （九品蓮台では 私は下品の位置にいるので……。）
└l´::::／ヽ.ﾄ｀i / /
|::::|´ ￣｀i. ﾚ /
|::::| |ヾ_ノ
と返事をだした。
九品蓮台……浄土の等級の事。上品、中本、下品があり、それぞれに上生、中生、下生がある
- 191 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:34:00 ID:Rat/rv4U0
/.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:i:.:.:.:.:ﾚ≧＝=ミ､__.:.:.:.:.:.ヽ、
. , '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.}:.:.:.:.{ ｀ヽ.:.:.:.'.
. ／.:,､:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:ﾊ }:.:.:.|
／.:／ノ.:.:.:.:r┐'.:.:.:.:.,'.:.:.:.:/ム＼_ ,':.:..i:.}
.:.:.:i ﾚ'⌒｢ } ｈ:{:.:.:.{:.:.:ィイテ=x、 一´_/.:.:.:.り
.:.:.:| ､_j ｜|/｜、:.:!:.癶代tｧﾝ ｲテ小:.:.:.:{ いやに卑下してますね。いけませんよ？
:.:.∧ ､_ﾉﾉ ヽ vﾊ:.!:廴__ ,｀´ 弋ﾂｲ:.:'.:.:.:.',
:./.:∧ ＼ い:}:.:）￣ { /:.:}:.:.:}:.:.:.:} 一度口に出したものはその通りにしなければなりません。
'.:.:/.:.:', /.:/イﾍ、 ─ .イ:.:.ｲ:.:/.:.:.:/
.ノ.:.:.:.:.〉、 ム(::じ ｀ .._ ィ:.:{:.:.:.V:.{:.:{:.:,.く
:.:.:.:.／ } ハ、｀¨´ |_:.{:.:.!:.:.:.:.｀ヽﾚ':.:.:.:ヽ.
:.:.:/ 」二二二二}丶、 ｀ヽ、:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' |､ , ,. ,.l , ﾞｉ
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ, ｌ
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ （●） （●）| ハ| いや……人によりけり……ですから……。
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 , |
ﾞｉTィ.,_ ― _ノ
│「ィ::／⌒)^ヽ
／::::/ ∠ }
/::::V:::::r＜:::::〈
',:::::::::/ ヽ::::ヽ
ゝｰ' ＼ノ
／ ｌ ヽ ＼
と申し上げると、
- 192 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:34:24 ID:Rat/rv4U0
-／...;;イ:::: / . `, `!|::|: ｌ |
〔,ｒ'≦../.::: .: / .:: , ..: / _,, ,,,|::| l, |
:::..... /.::: .:: ／ .:: ./ 〃 .／ _,,,,r-‐"´ ./,∧:| .ｌ|
テ‐ﾌ/.::.::: / :: / / 〃／=ニ三` .iｒ‐|∧ﾊ ∧
' ／/.::::／ .:::/ / ./ / 彡-‐、__ lｃ」'::::ﾍ;:ﾍ ..ﾍ
´:::::::::::/ ::/ l iｌ -,ｒ","c、,ｌ l::::|:::::::l::ﾍﾍ ﾊ それがいけないのです！
::::::::::::i ::l: : .ｌ .lｌ ‐," |:::::::::::| i;;ﾉ;::::::l::::ﾊ::l |
:::::::::::ｌ :l:.: l .i! ｝| !::::::::::l ヽ、ノ.::::::::lﾉ...ノ 第一の人に、第一に贔屓されるようにおなりなさい。
:::::::::::l. :l:::. .ｉ l、 ` 、乂；ﾉ ヽ::::::,r",ｒ"
:::::::::::.i:. 、ヽ;:. ヽヽ `´~ /:／／
:::::::::::.ヽ、. ヽ,ヽ、. ` ヽ_____ .ノ ,ｘ--/./ /
:::::::::::::::::ヽ、. ﾞ、ヽ、:. ` 、￣￣ ,ｒ" / i!../
`ヽ、::::::::::..ヽ、.`、 `、. |!`、 ヽ___/ l.ll...l
:::::::フヽ、::::::::｀、l!::. `,、l-ﾘ_＿＿＿＿_/λ.lll、l
-‐” `、::::::::〉!|i::: ﾉﾚ’ / ./ノ`ー`ー
ﾉ::::::::/ ヽ、/ / （
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之' ⌒ ヽ
. / , l、 、 , ､ | ヽ }<つ イ
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノ |て＿!,
|ハ |（●） （●） / / ,/ﾚ′' /
`|.xx ヽ xxx 「)'/|/／ ／ i という素敵なお言葉をいただきました。
ヽ､_ ― _,.ィT/ ／ l
, ＜￣ヾヲ´ ￣ ＜´ 丶 ﾉﾉ
.／ -ヽ | ｀ (￣｀ヽl￣ )ノ ノ
{ ／⌒i ,r―て__ ィﾉ ,彡
ヽi__i ﾉ)/ ＼ ヾ￣
￣ / ヽ ヽ
- 193 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:34:51 ID:Rat/rv4U0
第97段
中納言殿が宮のもとに参上して、扇を差し上げるとのことで……
／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ }.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
/ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ ´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
乂:/:/::|::::|〃弋てク _, /:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
ノ／/く:::厶入 ｀¨¨:::::´ ､_弋うク :}}:/::::／ とても珍しい扇の骨を見つけたよ。
〃 j/ ∨-ﾍ_::`=- l、::::｀¨¨`=彡 '´
{〈⌒}_ ′::::::::::::::::/ 現在その骨にふさわしい紙を探しているところさ。
＼__ﾑ ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
`ヾﾍ、 ー一'´::::::::::∠ノ
ヾ|＼ :.ー:::::::::::／
l 丶 :::::::::,.イ
| x≧=≦==|ヽ
|￣￣「「 | |｢|
| | | .| ll |
中納言 藤原隆家 （定子の兄？）
- 194 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:35:26 ID:Rat/rv4U0
- ＿ , -- ､ ＿＿_
_／. : , -ミ::.:.: : : : : : . ｀ヽ、
,. -'´ ヽ ／: :､: .＼:.:. : : : :‐=ﾐ､ ＼ _
/. : .:/ヽvｧ'ｱ´=＼: .｀: : : : : :.:r-..､／:.:.}
,. : : :/＾｀｀ ´´￣｀ヽ: : : : : :.:.:}:.;-'=ミv'
/ . : /{ }: : : : :.V´,_:_:}:} }:}ヽ
. { : :!: :'Ｔ ´｀ヽ、 }: : : : : :{/:/⌒メ=ｲ }
. ヽ}ﾉ. :/- - ､ /. : : : :.::{{:.{: :/{: :ﾞYｨ!
. ／. :/ / . : : : : :.:}ゞゝヾゝ-'{.{
/ . :/ﾊ __, 〉 {: : : : : : .:/!:.:.: : : : : .ヾ､ それはどのような骨なのですか？
{: : .:i{{´}¨´ '^ｧ==- ヽ: : : : .:〈)ヽ:.:.:.: : : : : : }＼
ヽ: : .ヽ{ 、 }: : .:i : . Y: .＼: : : : : :{: : .ヽ
＼i: .＼ r :┐ ー=彡} : :{ : : }､{ : . ＼: : : : : : : :}
j : :} ヽ｀ ´ . ＜ﾉ : : )_,ノ: :､: : : . ｀: : : : . Ｖ
／. ://. : ｀ｧチ} ／ . :／. : : : : .ヽ: : : : : : : : . ヽ
. / :／ {'. :＿｢lｨミl ( : : r'. : {: :__: : : : : :{:.＼ヽ : : : : }
/ :/ . : ヽ{:r=|:|{ ' x≧{_,.ｨtｭ'=i:}ヽ:. : : : .ヽ:ヽj:. :. : :}
. {: :{_.ノ＞´ﾞ7〈/ﾆﾆﾆ彡' {:r彡//｀7´ヽ: . ＼ : . ＼: : : :/
. ／ヽ{／ 〃 //// ￣// ' V : . ＼ : . ＼/
. / . :／ 〃 //// // !:. : : : .ヽ: : : .＼
／ , ／:／:／: :／／: : . : . ヽ ヽヽヽ＼ヽ
ノ, // /: :/ : : /〃: : /∧ : {､: . }: . 〉 }､:ヽヾ､＿_ﾉ
ー 彳 :l |: /: : l: : :/ A: : ://＿V: :!ﾊ: :/:／Ｖ: :ヽ:ヽヽ／
| : : ! ｖ: : ! : ハ! ゝ:Ａ{┬ ∨ﾚﾞ}:/´ | l:ヽヽ ぃヽ
ｌ :〃/|:|:ｌ: 小､iｧ＝＝ミ､ ｊ/ （( ^ｉ | |: :l: |ｌ | ｀l
V/ l/|:|:l | {〃｀んて, ﾄ _癶｜ ///:' /ｊ/
lハヽい､{ | ｒ､ぃｔﾂ 夊ヽ ∨/ｨ:// ﾉ
{ ヽゝ_ ｀＼｀~＾¨¨ 礼ﾉ/レノノ'i/
ヽ V/l ｌ /ハヽ { 弋'ぅ/ っ えっと……とにかくすごいんだよ！
＿／´ 丶 , --､ ´ l ﾊV
ﾉ―‐ミヽ、__＼ゝ __ ｀ ーｧ ／ ｡ まったくみたこともない骨だと
／: : _: : ´二: : : ￣｀ヽ‐｀¨´_ ´ みんなはいっているよ！
/／／: :／ : : : : : : : : : ヽ＜
/ ／: :／: : : : : : : : : : : : : レ…―― ､ 僕もこれほどのものは見たことないなぁ……。
. / : : ／: : : : : ::::::::::::::::::::::::::::! : : : : : : : ∧
/ : : / : : : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::{: : : : : : : /: :l
. /: : : :l: : :ー::::::::: : :ー―――く: : : : : : / :::::|
': : : : :|: : :､: : : : : : :::::::::::::::::::::::ﾉ: ::: : : /: :::::ﾉ
l: : : : ::::､:::: : : : :::::::::: : : ::::::::::::く=､i::::: /: ::::::{
|: : : : : :::ヽ::::::: : : : : : :::::::::::: : :〈: c!:::/: ::::: /｀>
と自慢げにおっしゃっていたので
- 195 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:35:46 ID:Rat/rv4U0
- ＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
. / , l、 、 , ､ | ヽ }<
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノ |
|ハ | （●） （●）/ / ,/ﾚ′
`| ヽ 「)'/|/
ヽ､_ ― _,.ィT/ それって……クラゲの骨とかではないのでしょうか
.｀,}ｰ,r'＾ﾍ-'"､
/ヽ/ ｀_}ィ^!'
,'r' / /´ l- ､
ヽl.rー'´ ヽ ｨ
ノ＾ヽ-―'´＾ヽ、
,ィ^ヽ、/＝＝､ _,.ハ､_
/: :.:./ .:.:/ ./:.:l: ｉ:. !l /丿 ミ､: l: ヽ ､:ヽ
. ':. .:./ .:.:/:.:/ .:∧:.|､ 从 { ､-―‐-､」:ﾄ､: ｉ i い
|:. .:.': .:.:.:.l:.:.' .:./‐l: |ﾍ{ ｀ ＿＿ ｊﾒ､|: | |: !:|
|:.:.:.l:.:.:./:.!:.:|:./ _ｌ厶 ヽ ﾉｧ＝=ﾐ、 |: i: , :ﾊ:!
'､:.:.|:.:.:l:.ｉ:.､:l:.{／, =ﾐ '/ ｒぃ 》 ｉ: ｉ/:/〃
}:.:.:､.:.l:.|:.:ﾄＮ／ ｒぃ＼ 弋_ﾘ ノｨ:／/ ！！！
. _ノヘ:.ヽl､:､:'､ 《 弋ﾘ i `＝彡 ィﾘ
＼i:.i､ヽヽ ､＿__ノ ',ヽ l´
＿＿_l:.l､＼: ＼￣ iﾉ /
／ ヽ!｀≫ミ=- ,. -‐ｭ ∠ヽ
_／ 乂 _≫ ‘¨´ ｲ: : :l├ ､
// / ／ {{: : ､＞ ／丿: : ｊ小ヽ＼＿
7 / , ／ }} : : ヽ ｀二 イ: : : :/ }} ／へ ∨￣ ､
ｉ ′ / / 从 、: :｀二二 -‐'ﾞ: : ／ 〆／ ／ 丶、
| ! / / 〃 ヽ＼二二二 -‐ '´ ／／ ／ ＼
- 196 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:36:03 ID:Rat/rv4U0
/:.:.:/.:.:.:/.:.:.:/:: ..:.:./:.:.:: / l:.:..:.:.:.:ﾊ: l:: .:.:/ l:ﾊ:.l.::.:.:..:. :.:.:.:ヽ
/:. ::/:: .:.:':.:.:.:.{.:: .:.:./:.::.::/ l:.:.:.::/ l:.l::..:/ lハ::.､:..!:.: : .:.:.:.::ﾍ
＿__ノ:.:: ..:l:.: .:.::{:.::.:.:l:.: .:.:{_:.:.:/-─‐!:..:/ ヽﾊ:{ ヽヽl: l:.: : .:.ヽ:.:＼
ヽ:＿.:ｨ:.::{.:l:.: .:.:.:l、::_l〉':´ﾊ:.:./ l::/ ヽ:ﾍl:.:. .: .:.:.:ﾄ､::.＞
l:: :lﾉl:.: .:.:.::l ﾒ:.l ﾍ::l ヽｊ＿_ l/ ⌒ヽ l.:ｒ:ゝ:.: .:.:.:}
', ::/ {.: .::.:.l ﾘ -‐ 二 ＿ ｀ ＼ l:.ﾉ:.:.: .:l:.:ﾊ:',
l/: /ﾊ.: .:.:.:l ,イ/´ ﾋうﾊ ｒ‐‐ 、 ヽ /ｲ.:.: .:..:}.:l l:.l
/: ﾊ { ﾍ:.:.:.::l / / fﾌしｨ} ,ｨｔﾃﾐ､ヽ /ｲ:.:./:.:.:ｲ:,' l:.l
,' / ﾍl ヘヽ:.::〈 { ｔり ﾉ ｲｒんｨ }ﾊ /::/.:.:/ l:/ ﾘ
l ' { ( l ﾄ､:.:ヽ‐ゝ‐一'‐ , l tソ １ 〉 /:ｲ:.:.:/ l/
{l ヽヽ ﾍ ヽ:.ゝ l 廴 ノ / ｲ-v／
＼ソ / ￣ ｀ /ﾍﾉ′ それはこのボクがいったことにしよう。
ﾄﾊ /ｒｿ
∧ﾄ､ く´￣￣ ` ｧ /ノ
}l ヽ ヽ _ ノ ／
l ＼ 二´ , '´
__l ＼ , ｒイ
{´ k__ ｀ ､_ . ＜ l‐ﾃ}
|ｰ - 二T ー ───‐┼'_ｲ
l::::ﾊ::::::::l 「::￣￣￣:l 「:::::l
lﾍl1ｒ'ヽ:l l::::::::::::::::::::::l l::ｔｵ
といってお笑いになられた。
- 197 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:36:23 ID:Rat/rv4U0
- ＿_ ＿_
＼ ヽ／ ∠_
＜⌒＼ ／ヘ
-=ﾆ¨ 匸＞=＜二＼
＞'"´￣￣｀＼ ー≧＿_
／ ￣ ７ ＜
/, / /_| ＼__ヽ ｀Ｙ′之＞ 本来ならこんな文
. ｲ/ |:/|:∧ :|＼{＼ ! } ヽ }< 聞き苦しくて書く必要もないことなんだけど……
ﾉ八 .{ ---＼l --- || }ノ |
. ＼| （三） （三）.ﾉr'／
. 人'' __ u ィT´
｀ ｧ┬=≦:ﾉj ∨
〈ｘく矢¨¨ヽ|__八
＼ ヽ／ ∠_
＜⌒＼ ／ヘ ≧
. -=ﾆ¨ 匸＞=＜二}､｀ー 、
＞'"´￣￣｀＼ ＼＼ ＞
. ／ ヽ. ヽ}i ﾊ
/, / /_| ＼__ヽ. ﾊ! }|
,ｲ/ |:/|:∧ :|＼{＼ ! } i| i|!
ﾉ八 .{ ---＼l --- |厶ノ 八 みんなが
＼| （●） （●）.ﾉr'｝! / 「そういったエピソードは余さず書け」
人'' __ '' ィT´!∨ っていうから書くことにするね。
｀ ｧ┬=≦:ﾉj |! |
〈ｘく矢¨¨ヽ|ﾉL!
/Ｙ￣￣Ｙ´|
,′} ...::::| |
/ ﾉ ::| │
- 198 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:37:18 ID:Rat/rv4U0
第293段
上御局（うえのみつぼね 天皇の寝所の近くの控室）にいらっしゃるときに大納言殿が参上なさって
/::::l::::/::::/::::/::::/::::/::::/::::/l::::l::::ヽ:::: l l:::: l
/｀､ ／/ l::::l::::/::::/ /:::: /::::/::::/::::l::::l::::l::::::::l:::: l '、 |
/.......∨ / / l::::l /::::/::::///l/::::/::::///∧ l:::: l::::l::::'、 |
i∨;;;;／::::/ /::::l l::::l// ////l::::////l // ヽl::::l::::ｌ::::'、 |
＼;;;;< ::::/ /::::/l l::::l///ﾑll＿ｌ/// /l/_ll__＿_ヽ.|::::|::::l::::|
ｒ'"´⌒-ヘ /ハ lﾞl｀､i,ゝｆ‐-ｔ､"|/ l/ .///,,-‐ｰ-__| }/ﾘｆ..l
ｒｰ-､/＿.,,.,,,, 'i, .../ l l'::i'i ヽ了ｹi ト li' ///ィi ｹTﾌ.ﾘ.ｌソ∧l
'i, .ゝ;;;;;;;;;;;;￣｀ヽl ..ﾍﾍヾ'i,."￣ ../ i./|' ￣.". /::/::::/l|.＼ よろしいですか？
,,)＼ 'i,／⌒＼-,丿 ..l...＼ﾍ｀､ | ,/:://ｌ/l
| ヽ, 'i,::::::::::::{ i,ヽ‐ｰ‐r､ 'i, ilヽ＼ ＿＿＿,. ,/／ /ｌ ｌ.ｌ この文は●●なんで■■なんですよ。
／| ヽﾄ、｀ｌ｝::::::::∧, ヽ i .| 'i, l.. ｌ＼ ｀ﾞ二"´ イｿi／ | ｌｌ
（ l ヽﾚノ|:: . ::| ` ｰ‐,, / .| 'i, l ｌ .＼ ″..／ゾｌ ｌ
i'、''-､ ヽ, .|:: . ::| ヽ,ヽ ７ . i l 〈二ニl"＞＜"lニ二〉
,/ l ＼ ヽ|:: . ::| ヽ ﾉ .. ..{::::::::l r´¨¨¨｀.f l:::::: {
（ "''-,,_ 'i, )..}:::::::.|ヽ / _＿,,_ l::::::::..l l::::::::::::::::l l:::::::: ＼
~"'' ｰ‐-､;_ ''-７;;;.;;;;i ,ｒ;∠ｰ‐.'"´::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::::::::::::::::｀`丶､._＿＿
ﾊ＼ ／＿＿∨/||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l::::::::::::::::l l:::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣ーー
＿＿__
ゝ／＿＿＿＿ヽ
/ | , ─ ｗ－､!
| __|-| +|+ | え？そうなの？
（ u ｀ー oー |
/ヽ､/＾＼__／ ﾉ
ｌ､(uu ー,─ ､´
ｌ ＼ __／┬ ′
一条天皇
漢詩などを主上（うえ）に教えて差し上げていたときのこと。
- 199 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:37:35 ID:Rat/rv4U0
いつものように夜が更けてきたので
,ｨ ・ ｡ *
☆ ﾟ /´i ∧∧
iﾞ ﾟゝ（*ﾟーﾟ）
! ｰ､（ っ★o ・ ｡
ﾟ ﾟ . ヽ,, ｀ｰ(^)-ｧ^)
｀''--―'´￣
ﾟ ・｡
☆ ﾟ ☆彡 ｡
';';,..
'';;';';;,.,
''';;';';;'';;;,., ザッ
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ
ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy ザッ
ザッ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾－＾Λ＿ﾍ＾Λ＿ﾍ
ザッ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ ﾍ＿＿Λ
＿＿,/ヽ＿ /ヽ＿＿,.ヘ /ヽ＿＿,.ヘ ＿,.ヘ ,.ヘ ザッ
/＼＿＿_／ヽ /＼＿＿＿ /＼＿＿_／ヽ _／ヽ /＼＿＿_／ヽ
／ .＼／ ／ ＼ ／ ＼
. | | | | | |
. | | | | | |
. | | | | | |
＼ ／＼ ＼ ／ ＼ ／
／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐-. ／｀ー‐--‐‐―´＼ ／｀ー‐--‐‐―´＼
御前にいた女房は一人、二人と引いてしまったので
- 200 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:37:59 ID:Rat/rv4U0
- 私は眠たいのを我慢して同席していると
__ /{ ＿_
／⌒Ｙ Ｖ´ ∠_
/ ／⌒＼ ／⌒ヽ. ：
_ノ ′ ＿Ｙ/_ ＼_
. ｀ｱ V ,∠ ニ＝=ミ }ﾉ＜´
. / ／ ｀ヽ ヽ ：
{ / ヽ } ；
､_ﾉ ,′// /{ ハ ﾊ ハ ｛
｀Ｔ l |／ ハ ｛ }／ | ｜}｀
. ヽ.| | --‐＼{. ‐-- ｜ l/ ：
八 `| (-‐):::::::::(‐-) ｊ /{
＿／ヽ{｀U `_ uノイ＞―- ､
／ ,二｀＞-へ二 -＜´ ヽ
ヽ、 く／_ ＼ ＼>Ｊ） ノ
|￣￣￣￣￣￣￣￣|
| 丑四つ |
|＿＿＿＿＿＿＿＿|
∧∧ ||
( ﾟдﾟ)||
/ づΦ 丑四つ……午前2時半
と時を奏する声が聞こえてきた
- 201 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:38:35 ID:Rat/rv4U0
,_ ＿
､-ー'｀Ｙ ＜,__＿
_＿≦ー`__＿ _二ｚ<＿
＞ ７ ￣､-‐ ´￣｀'┴＜
＜之′Ｙ´／ ＼
>{ ,' | ､ , ,. ,.l , ﾞｉ
| !､{ | 寸寸T ハT７} ｨ,ｌ
′Ｊﾞｉ, ﾞｉ ﾞｉ（ ー） （ー）|ハ| 夜が明けてしまうなぁ……
ﾞｉ|ﾞｉ'(1 Д ノ川
―――( ￣￣￣￣￣￣ )￣￣￣) ――――――――
￣￣￣￣￣｀¨´¨´￣￣ 旦
と独り言を言うと
,.:.:.:´.:￣.:.:.:＞ 、
,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、
／.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、
/.:/.:.:.:l.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:/.:.:.:l.:.:.:.:.:.ヽ
,.:.:./.:.:.:.:|／.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:爪
／ｲ./.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:／.:.::/.:.:.:.:.:.トー-、.:爪
'／,.:l.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:／.:.:.:.:.／.:.:.:./.:.:.:.:人.｀ー 、VL',＼ ,＿,
' ,ｲ.:.:.:.:.:.:.:|／／フ＞く//V.:.:.:.:/ゝ、｀ーﾑ ゝ┴ ￣ ＼-、-、
| |.:.ﾑ.:.:.:.:|〃隹不 ﾌ /.:／／≠―ﾁ＞ 、_ ｧγ ´／イ: :＼ なんです？まさか今更お休みになられるおつもりですか？
’ , l.:ｌl.:.:八ゝﾋ角ﾑメ./.:彡´ ﾃri一 ,.:.:.:.:.:.:.:lヽ ー " ／| ｲ/: : : : : : ＼
' ,.:.ヽヽ: ヽ ' l 〔角7 "/.:.:.:.:.:r '￣'＿_.／ | 'V: : : : : : : : : :＼
l.:.:ゝヽ.:｀ / ｀ //.:/.:.:/"￣ Y: : : : : : : : : : : : :.＼
从.:.:.:.:l>＼ ＿＿＿_ ,.:.:／.:/V 乂: : : : : : : : : : : : : : ＼
, ´/／ﾘ.:.! ＼ ￣￣ " イ.:.:.|／レ' ｀ ＜: : : : : : : : : : : : :ヽ
／／j.:.不 ＼ ィ ´.:.:.:.:|乂" ｀ ＜: : : : : : : : : :.＼
/ ⊂ニテニ＞ ＜ニ乂|乂 ｀ マ: : : : : : : : :
ｲ: : : :| |: : : : | |: :从 ＿＿＿__ ヽ: : : : : : : :
|ﾘ厄 | |: : : : | |う||＿_／ヽー ´ ヽ - 、 ＿_ ＿V: : : : : : :
人ｸ: : | |: : : : | |: ）ル: ノ: : : : : : : : : /: : ／: : : : ヽ―――≦: : : : :／: : : : : : : :
／: 丁: : :! !: : : : | |: : :／: : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＜: : : : : : : : : : :
__／: : : : : : : :| |: : : : | |:／: : : : : : : : : : : !:／: : : : : : : : : : : : : : : ＜: : : : : : : : : : : : : : :
＜: : ＞: : : : : : : :| |: : : : 片V: : : : : : : : : : :／: : : ＜: : : : : : : : ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
と、釘を刺されてしまった。
- 202 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:38:55 ID:Rat/rv4U0
＿_ ＿_
＼ ヽ／ ∠_
＜⌒＼ ／ヘ
-=ﾆ¨ 匸＞=＜二＼
＞'"´￣￣｀＼ ー≧＿_
／ ￣ ７ ＜
/, / /_| ＼__ヽ ｀Ｙ′之＞
. ｲ/ |:/|:∧ :|＼{＼ ! } ヽ }< （なんでそんなことを言ってしまったんだろう……。）
ﾉ八 .{ ---＼l --- || }ノ |
. ＼| （三） （三）.ﾉr'／
. 人'' __ u ィT´
｀ ｧ┬=≦:ﾉj ∨
〈ｘく矢¨¨ヽ|__八
と思ったけど
＼ ／
＼ ／
＼ ／
＼ ／
＼∧∧∧∧／
＜ だ ＞
＜ 予 れ ＞
＜ も ＞
─────────＜ 感 い ＞──────────
＜ な ＞
＜ !!! い ＞
／∨∨∨∨＼
／ ＼
／ ＼
／ ＼
／ ＼
よく考えたら誰もいないので居眠りしようがないのであった。
- 203 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:39:26 ID:Rat/rv4U0
／ ´￣ ｀(＼
/ ＼-'､
/ ヽ ヽ
_| | |
´! / ､／ ＾ ──- ､_
＼.__ _ / //（ ＿＿＿__/ ｀ヽ
／ （（（ j─ ´ヽ// / ＼)ﾉﾉ￣｀＼＿ ／＾ヽ
(. ￣ 人. i |_＿＿_／ ＼|￣￣ ﾉ
(￣￣￣￣ ／ ｀ヽ､＿ | ´_|＿＿＼ ` ─ ､_.／
￣￣￣￣￣ ￣ ￣￣ （＿＿＿ノ
主上が少しお眠りになっているのを見て
- 204 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:39:44 ID:Rat/rv4U0
- .':.:.:.:.:.:.|: .:.:/:.: .:./:. .:.:.／i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ､ ヽ:.:.:.:.:.
l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.／//l:.:. :. /:.:.:.:.／:.:.:.∧ ＼:.:.
|.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:.／ /:.／ヽ:.ヽ ｝:.:
,':l:.:.l＾l:.:.l:.|.: l:/ｲ＜ヽ､/‐､|:.:.:.レ'´／:／l |.:.:.| |:.:
/:.|:.:.}｝|.:.|:.|.:.:.|､｛ｒｆ夊仏＼|:.:./rフ´／＿.| {:.::.| |/
. /:./|:.:.| l.:.l:.|.ﾄ:.'.￣￢‐┴ヽ',:./／‐´ ＼_/ ヽ_l
/／ }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ ヽ, ,}＼ ヽ
／´ .':.ﾊ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-＼ ｛_￣￣￣ヽ ',
/:/ }:.:|ＦT〕､:.＼ ヽ￣ヽ l やれやれ……なんでもう明けようとしているのに
// /|:.:l|{≡}|ヽ-､＼ ､＿_ _ / .| | ', こうお眠りになるのかわからんよ………。
/´ l:.|}:|f i:|. ＼ ___ ¨ヽ { l ',
/´l:ﾊヽヽ､ ＼ ¨ ｀才:.ﾊ
ﾉ _}:.:|＼＼ ＼ , ' ´/:.:./ /,ヽ
}二二匁≡⊃＞＜ｦ‐≠ｫ{! ./´ ＼
/:∧: : / /: : ￣７ /￣￣l ヽ ＿〉_＿＿
/: ∨: :/ /: : : : :/ /-､〈〉/ __|＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ 《〈〉》 l { : : : : { {＾}} }{}ヽ＿ |＿＿＿＿＿
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : | |: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :
___ _____
,r=ﾆ二、￣￣ｒ-__｀`ヽ、
,ｒ".'´~￣~ヽﾐ 彡"´￣~`.、、
/´ ,ｘ-‐-、 .,ｒ‐‐-.、 ヽ`、
λ ./.::::::;;;;;;`ｖ';;;;;;;;;;;:::`、 l l
ハ .Ｙ'´´´ `´ ｀`ｦ | |
/ ,∧ ｀i ,' ヽハ
/ / , l.,, -‐‐ ‐‐- 、ｌ ヽ、`i.ﾍ
/// ./ / ., -‐ ‐- ヽ .`,...l...ﾍ
, '/∧ {: / __, ___ i l ,' ﾍ.ﾍ ええ、本当に……。
./ ,' ,' `、! l `、==＝" `＝==.,',l`i / !、 ﾍ, ＼
,' ./ ,′,ﾉl .| lﾄ、 、 l /ｲ.ﾘ.,'| l`l` ﾍ .ﾍ,
ﾚ' / .λl ,ｲ`ｌ| .ヽ、 一 ｲ |'l、.l.| |lﾊ. ヽ、ﾍ
/ ./ ' ﾞ|/ |.ﾚ|. | |`,i 、 ,..イ_|.|| i.!ﾊ|ﾉｲ|ハ ヽハ
／, ' ,' .ﾊ`ψﾉ l l |ヽ、 `´ ,ﾉ |.|.|. | ﾂ . lﾍ ﾍ .ハ l、
／／ ./ ,' ./ /,l | ヽ、 '´ l l.l..| ! .|ハ ハ .ハﾍ
./ ,ｒ" /〃,-≦-‐"~l.|| .ｲ三|、 .l||.ﾚ’ / /-、ﾍ.ハ l.ﾊ
/ / .// /~ﾜ彡| .|.|.l /...トイ i、 ﾊﾚ’./,イニｺ`l ﾍ ﾊ l |
｜l ,ｒ´/ .l' '´ ,ｲ .|.|.ﾚ′ ! ! ヽﾚ′|'´.├- l .ハ ｌ l .l
l...l ／ / lヽ l |.| ./ l | l lヽ | ！l / l
といって二人はお笑いなさる。
- 205 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:40:07 ID:Rat/rv4U0
主上はそれも知らずに
＿＿_
/rニｰ 、` ｰ、
/´/'´ _,. l,.....ヽ ヽ
r''ﾍ_ _ ,.r' l lヽ .i
,r '´l _. リ ! / l.〉 l,r
l ､i(._` `ｰ-‐'ヽ./ l`
,r::'::::l !ヽ_｀ヽ_,..､ '⌒r_'
r‐ ､ ＿ i:::::;::;_;l-'´｀ ‐￣._ l _,､_'ノ- i､._
l `-､..-i' ´ ヽ_,.ゞ- 、 r ' ´￣ /:::::::::｀ヽ
! ,..rー､ ヽ. ヽ ./ ＿,...-::'´:::::::::::::_;/
ヽ、 / ,ヽ. i. ヽ -r:::::'::::´:::::::::::;::::-‐::':´::::::)
`‐/ ､__ ./ヽ,入_,ノ l ,r'´ ｀ ｰ ::::_::::::::::::::_;:::- ' ´
＿,/ /. ヽ_ _,.. -ﾍ-' ￣
r' ´ ヽ ￣
ヽ、 _ﾉ
` ―― ''´
眠り続けている。
- 206 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:40:25 ID:Rat/rv4U0
そのとき。
,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
ﾞ､';|i,! 'i i"i, ､__人_从_人__/し､_人＿入
`､||i |i i l|, ､_）
',||i }i | ;,〃,, _） ｺｹｺｯｺｰｰｰｰ！
.}.|||| | ! l-'~､ミ ｀)
,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ '´⌒V＾'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
.{/ﾞ'､}|||/／ .i| };;;ミ
Y,;- ｰ､ .i|,];;彡
iil|||||liill||||||||li!=H;;;ﾐミ
{ く；ｧｿ '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ
ﾞi [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ ＿,,＿＿
ﾞi }~~ ｝ ';;:;li, ﾞiミミミ=三＝-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
;;;;;;;;''''/_ / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
''''' ,r'~ `V ヽニニニ二､-'{ 十 ）＿＿;;;;/ ←ニワトリ
ニワトリが乱入してきた。どうやた童が隠していたものが逃げ出したらしい。
- 207 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:40:42 ID:Rat/rv4U0
けたたましく鳴いたせいで
＿＿＿_
＿＿＿_ ..::／ ＼ おはようございますｗ
／ ＼ ─ ─＼ ＿＿＿
今沖田ｗ ／ ─ ─＼ ⌒ ⌒ ヽ ／ ＼
／ ⌒ ⌒ ヽﾉ(､_, )ヽ | ／ ― ― ＼ これからお仕事ですか？ごくろうさまですｗ
| ,ﾉ(､_, )ヽ |-=ﾆ=- ／ ／ ⌒ ⌒ ヽ
＼ -=ﾆ=- ／:. < | ,ﾉ(､_, )ヽ |
ノ ＼⌒￣ ⌒⌒～ ＼ -=ﾆ=- ／
～⌒ ⌒￣⌒ ⌒￣ ⌒⌒～ > <
＼ ／⌒ ⌒￣⌒ ⌒￣ ⌒⌒～
人がみな起きだし
ヽ /
＼ ＿＿＿_ ／
ゝ／＿＿＿＿_＼
＼ / | / , － ､ －､l ／
i___|─| o|o |
i d ` － o－|_
＿_＿ `-、 ,.-──┬ ┘∩∩∩
/ ,-ヽ┐ ヽ （_(二二)_| |~ ￣￣~|
| || ()（⌒|￣￣＾＼┬､┬─'￣|⌒） ﾉ
ヽ. ､_`ﾞノ┘＾ ￣￣| ｀ ` |￣￣￣|´ ヽ
＼() |＿＿＿.| |＿＿＿）
（ ⌒ ）二__| /⌒＼二二 ∪∪∪
( /＾`─ `┬┴ヽ／＼/⌒i ＼＼＼
／／／ | ┌┴┘ ＼ / （ ⌒ ）
( ⌒ ） `- ′ `－′ （ ）
( ノ ／／／ヾ ☆
☆=＼＼＼（ ⌒ ） ── ( ⌒ )－( ⌒ ）／
（ ） 二二（ 丿＝（ ﾉ
主上も目をお覚ましになって
- 208 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:41:03 ID:Rat/rv4U0
, ─ 、
（_l_l_l_ ｊ
ヽ ⊂ノ , ──- ､
| |／ ＿＿＿＿__ヽ ／＾)､
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_）
| | |─| ＞|＜ |／ _ノ
|＿_|⌒ `ー o ー| ／
| |､ /⌒ｰ──つ／ いったいこれはなんの騒ぎだ！
| |ヘ ヽ､(二)ノ<／
| ＼／＼／／
/ /
とお訪ねなさると
- 209 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:41:21 ID:Rat/rv4U0
. / / .: .::::/ .::／.::／/::/ {::.:|:. .::::::::::::::::::ヽ
/ / / .: .:::/ .:／.::／ ,.:ﾞ::/=＝ﾍ::ﾄ､. /.::::::::::::::::::::::::::.
/ / .:/ .: .:::/ .:.ｲ.::／ ／:,∠=＝=ｚミ､∨.:: .::::::::::::::::::::::.
, , ﾞ .::/ .:::!.::/ .:/ /://７.:／, , =ｧ､ }///. .:::/.::::::::::::::::
／ ｲ .::/ .:::::|/l.::/｀X/iﾚ'／〃_辷ｚり＿_, //.: .::::/.:::::::::::::::::::!
| :ｲ .::/.::{,ｨ７弌ﾒ､/´ ｀￣￣￣￣´７/.: .::::/.:::::/.:/.::::::::}
|./ il .:/ .::::ﾄ､｣ｆ斗'′ //.: .::::::/.:::::/.:/.::::::::/
|:! ��:i:{ ::i::| ヽ ＿＿__,｀ヽ, /ｲ.:::: .:::／.:::, くY:::::::::::,ﾞ 『声 明王の眠りをおどろかす』
|{ | :ﾘ ::{::| ､ニ, -‐─‐‐ｧ′ /.:::::／/.::／〉 l::::::::::::{
| ! :!ﾊ V / /.::／／／ _ノ.::::::::i::| （鶏人が暁に時を奉じて、明王の眠りを覚ます）
l 小 :! .:ヽ、 } .ノ /／／'" ﾉ｀7.:::::::::::i::::|::!
_ﾉ | ﾄ. !.::::/ ＼ └-‐ ´ ´ /.:::::::::::::|:::{ﾘ
ﾘ} {:::/ }:ﾄ､ ｀￣ . ´ /.:/::::::::!:::ﾄ､| ＿__
ﾉ.: メ、 /.::i::.ヽ _ -‐ ´ /:,ｲ:::|:::::ﾄ､|≧-‐ ´
'⌒´ ノ イ::/ 二二二｀仁二二二/二|:::ハ＞ ´ ／
|ハ { } | _〈 〉- ､ -'‐ ´ ／
, -‐- . } | | | {r┐!.｣⌒ ／
/ ｀ヽ、＿_, ＿ ｣ { } | └､{.__,ｨ , ´
. { ＞ 丁７´｀ く ノノ /ｰ' r‐' / 鶏人……時を報じる役人。乱入した鶏と鶏人をかけた
という漢詩を声高々と朗唱なさったのはとても素晴らしく
明王でもなんでもないタダの人の私ですら
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
. / , l、 、 , ､ | ヽ }<
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノﾍ ））
（（ ,ﾍ, |（○） （○） / / ,/ /
'､ `|'''' r-‐‐┐''''.「)'/|/ /
＼ヽ､ヽ､__,ﾉ _,.ィT/=/ おめめﾊﾟｯﾁﾘｰ！
< l 7Eニ::ィ1 〉
ゝ'ｲ／ヽ::::｀ ､ ／
i´￣ ｀ヽ::|
j| <
／ ヽ ＼
一瞬で目が覚めたほどだった。
- 210 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:41:39 ID:Rat/rv4U0
, ─── ､
ゝ／ ＿＿＿_＿_＿_＼
/ | / ─ ､ ─ ､ｌ
/ | / ｌ l
| |─| （・|＜ | (⌒ヽ
Y⌒｀ ヽ＿ ノっ＿ ﾉ 三 ） いいねぇ～。今この瞬間にぴったりだ！
ヽ_ ､＿＿＿＿つ ｌ (､_ ノ
＼ ＼－､-､_／ノ _ _
/｀ ー | ｌ |‐ ´ ｌ ｌ／／)､
/´ ＼／ `ー´ ＼ ｌ ) ヽ´ﾉ
| ヽ |／＼／ __ ／
├─┤ | ､
／ ,. ＿ ＿ / _,. -ｰ ＼
.／／ , ｀` ／-'´￣｀ ､ ､ 丶
/ / λ＝- ､_ ,,. -=ﾆ::ｰｲ l, l,
/ .i' /:::::::::::::::::::ヽ､,イ:::;-=::､_:::::| | l,
/ l |彡 ' ￣｀｀｀`゛´´ ゛ﾌ | l
| :| { / / .| {
/／l i 'l ハ | ＼
.／ l ﾊ, - '￣ ￣゛`'7 {, ﾋ､ ＼
／ / | _,. -、 ,-- ､＼ l, ヽ ` ＼
_l ／ ノ ´ ＿ 人 | ﾉ l
／ ゝ、 .::/ .ｲ ,,=＝ニ 'ﾆ＝= 、 | | ν ./
／ r-‐‐う__,∠´lﾑ_´ ; ｿﾉイ ..／ ええ、その通りですわ。
／ | T／ l | | ｛:`i ' ゝ､ｲ::::;::／l
l l | _ｲ l, |/ l;:人 ‐_ｰ ／|::://´ / |
| ..::::::/ ´ヽ:::ヽ_ゝﾄ- |､＼ヽ. _ ,. イ|::|::`f_'__, |:. |
ヽ ::::::::::ﾍ ヽ､ `´:: ﾄ-ﾉ:ﾊ:::::::|＞ ､ r '´ |:::::|::ヽ::::. |:: |:..
＞ ‐ ´ﾊ ｀i /`ヽ､＿:ノ |_::::l::::::＼:.. ヽ..:| l:::
,.-‐ ´ l: l / ＼ `ー‐, ､_ヽ;. ヽ| ＼
／ , ＿λ:... 人 `､‐-- ､ ,,...../ `‐i:: : ＼
l ...:／ /´ （(ｿ:::::. / ＼ ＼ ｀ ´ ／ ﾉ::::: l
主上も宮も感じ入りなさる。
- 211 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:41:54 ID:Rat/rv4U0
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿>ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
＞┴'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ ヽ ｀Ｙ′之＞
/ , l、 、 , ､ | ヽ }<
ｌ ,ｨ {７Tハ T寸寸 | }ノﾍ
,ﾍ, |（＞） （＜） / / ,/ /
'､ `|ﾟ r -- 、ﾟ。「)'/|/ /
＼ヽ､ヽ､__,ﾉ _,.ィT/=/
< l 7Eニ::ィ1 〉
ゝ'ｲ／ヽ::::｀ ､ ／
i´￣ ｀ヽ::|
j| <
／ ヽ ＼
こういうことこそ本当に素晴らしいものだ。
- 212 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:42:11 ID:Rat/rv4U0
次の夜は宮が夜御殿（天皇の寝所）に参内したので、帰宅しようとしていると
／.::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀丶、
／.:::::::::::::::::::/.:::::::::::::. :: ::::::. .ヽ.
/.::/.:::::::.::::::::/. .:::!:::::::::::. : :. :::.:::::ﾍ
i′:′.: .:.::::::/.::::.:::l、:､:::::::. ::. l::::::::ﾊ
|:::::i ::: :: :!:::/.:: .:/.:jヘ､＼:: .::::::ﾄ､:::::::ﾄ､
|:::::l: :. ::::l:/|::!::/}:/ ,rｧ≠fﾄ､::::::|/.::::ﾄ|
|:::::|::::::::::|ｋl::|:{ / ｨ代fiﾂ:::::::::{::::::::ﾄ|
l:i{::ﾄ､::ゝ㌘f沁′ ￣ |:::/:/ l::::i:|
爪:l::::ヽ::::＼¨´ } |/l/ }:::ﾄ! お帰りですか？ならばお送りしましょう。
ノ ヘ.::.::ﾄxヘ、 ｀ t一ｧ / .ｲ|从
メ、 ─‐`┐. _ ／,r',仆､l、 ﾞー‐- .._
／ ｀二丁{､｢￣ヽﾞﾏヽ ｆ ＞‐‐､
／ .ｲ｣ /} }／〉､ ヽﾏk｣` ／ i
ｒ'´ ∠ -‐〈/ {/iﾊ ﾒ} i .′ l
{ `rｲ } } | | i / l
l＿_,／,小、 | | | | ', / / |
／{ ／／ ｜ ヽ | | { ＞ニニＶ / / j
/__／／ ｊ ｒ‐─ 二ソ ｢」 } .′ / /{
{-- ´ ﾄ､ { ｢｣´ | |/ ／ / }
', |} 丶、 ﾄ､ヽ ＼|/ ／ .ｲ
', {ー‐‐一ｧj ヽヽ .′ ／ ／ . {
', l ／,ｲﾍ. ヽヽ .′ ／ .′ !
と言われたので一緒に帰ることにした。
- 213 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:42:30 ID:Rat/rv4U0
月がとてもきれいで
'´ ｀ヽ !
l !
/ / ⊂⊃
､ _ ,ｒ '´ ／
｀' ｰ-- ‐ ´
⊂⊃ ⊂⊃
∧＿∧
（ ::;;;;;;;;:）
/⌒:::;;;;;ヽ
/ / ::;;;;;;;;:| |
,ニニニニニニ と./ゝ_;_;_ノヽつニニニニニニ
大納言殿の上着がどこまでも白く見える
＼::::::::::::ヽ /::::::::::::::::::::／
＼:::::::::ヽ /::::::::::::::::::／ ,
, ヽ:::::::::ヽ /:::::::::::::::／ , ,....イ´::::〉
＼＼､ ヽ::::::::ヽ /::::::::::::／ ,...ィイ´ll､_::::＜´
＼::｀lへ,,‐-,､_ ヾ::::::::l ,､ /::::::::::／ , -‐´´ ll | /l ｀＞'
／ノll ll ll ｀`‐-､ ヾ::::::l ,､ ,へ ll＼ /::::::::／, -´ , -┴ ┴'
`´ └┴┴､＿ ｀`‐-､ ヾ:::V::ll ／´T｀＼ll:::::::〉/:::::／´´ _, -‐ ´
￣｀`‐-､_ ｀`‐-､ヾ::::::::ゝ＼ l //::::／::::／ _, -‐´
｀`‐､ ヾ::::::､:ヾ⊂ノノ:／:::／´‐´
｀` ＼::＼::........:::::::イ ´
l｀｀┐ィ ´´ /
l lll /
| lll l
l lll l
/ lll /
/ 川 /
/ ノﾍヽ へ
/ // ヽヽ | ＼
_ -┤// ヽl l ＼
, -‐ ´ |l l ∩ ll | ヽ､
, - ´ l ll l.| ll | ヽ､
_ -‐ ´ l ll l| ll | ヽ､
, -‐ ´ l ll | ll | ヽ､
l ll l ll | ヽ､
- 214 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:42:55 ID:Rat/rv4U0
私の手を取って
,...::::: ￣￣::｀丶､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::｀丶
／::::::'::/:::::::/:/::/::::::,:::::､::::ヽ
/ｲ::::/::/:::::::/:/,:/::::,:::|:::::::|::|::::::.
':':::: |:::|::::::/:/ｲ/:::/j:∧:::::|::|::::::|
/'|::::::|:::|:::/ｲ- /:::/ /--∨}/::::/|
/:{:::八:Ⅳ乏ｵ{:::/ /ｨ乏オ:::::,:':::|
'ｲ从:::{＼｣ j:/! /:::イ:∧!
＼::八 _'＿ ﾑｲ,ﾉ/ ＼
}'|::::::.､ ｀こ´ ,.:::::::/
＿__ 从:::::|＼ ／}:::::::{
,.ィ´////ヽ＼__}￣￣｀ ´ｰ┤:::从 足元に気を付けて……転ばないように。
_/≧=彡///// ＼{Yﾉ/||///,{ﾘｲ
｢////////////// ＼/{{/// |._
r-- ､ ／//////////////////Y＼/ {r,＼_
{l ｀ ー--' ´￣￣｀ヽ､////////r===''//// ||////≧ｭ､__
＼ ∨//////||O///////!!_////////ﾑ
｀ ､＿＿__,. ∨/////||//////////￣ヽ///// }
///// ｀ }ﾑ /// ||/////////////}}/////;
,'//／ ､ l ｀ヽ､//l||/////////////||/////
. {//{ :. ＼| ヽ ||/////////////jj!// /
. |// | ヽ. Ⅵ//////////// ////{
. ∨＿ } / ､ }||/////////// /////|
/ ∨ｲ ＼ ,!||////////// ｲ/////}
{ ﾄ､ } ｝ , ｀ヽ､ _ {ll||////////// {///// |
＼ｰ' // / ∨!////////// |///// }
｀¨´ｲ -､/＼ | ＼//////////{//////|
∨/} }//{ {T ヽ '´ ヽ､/////// !///// {
. ∨| |//| .._| }//ゝ､ ＼///// |//////|
｀| }¨´ , Y/////＞ ､ ヽ/// !//////!
} | '， ∨/////// ＞--'/// |//////|
| , , }￣￣￣ ´////////ﾑ///// !
ー ´ } |/////////////////|//// ｛
と言いながら
- 215 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:43:30 ID:Rat/rv4U0
／: : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/:. :. : : : : :./: : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.//: : : : : : :/: : : : /: : : : /: : : : : : : |: : : : : : : |: : :ﾍ
//: : : : : : : |:.:r‐､r‐､: : :/: :/: : : : : :.|: : : : : : : |: :|: :|
./: !: !:. : : : :.r‐､! .| |:.:/: :/: : : /: : /!: : : ! : : :.|: :|: :|
/: : |: |.: |: : : :| i | |/: :/: : : /: :.:/ .i: : : |:.: : :.|: :|: :|
./: /: |: |.: |: : : :| | ! !:.:/: : : /: : :/ ＼:. ! : : :.|: :|: :ヽ、
/／: /|: |.: |: : : :| | | |/: : : /|: : / , ィ≦!:.:.:.:. !:. !｀ ー｀‐
／ /: / ヽヽ:ヽ: : ｲ i | |: : : /./／ イj } .} .|: : : /:.:.| 『遊子なほ残りの月に行く』
./／ |＼: ／ l. ! ! !: :./／／夂ｪシノ |: : /: :.:.|
.／ .|:.／ .／! | | |: / ! ￣￣ ﾉ／:.: :|:ﾍ （旅人達は残月の光を受け、歩き続ける）
|ヽ ヽ ! | | |/ | ／: : :|:.: |: :.ヽ、
ﾉノﾍ. ∨. ! ヽ , -‐‐､/:. :.: !: :.!｀ ー ｀-
／ | ヽﾆ二ン´ , ' ´|: /|:. !:.: !
| ／ !/. !:∧: |
| ／ .＿!））/ ヽ|
| /ニニニ.|─‐' |
| ／: : : : : : | |: : : : |
/ ／: : : : : : : : .| |: : : : |
--─==ﾆﾆ/ ／| |: : : : : : : : : | |: : : : |｀ﾆﾆ=- ､＿＿
: : : : : : : : .| /: : ! !: : : : : : : : : ! !: : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : .| |: : :! !: : : : : : : : : ! !: : : : : : : : : : : : : : : :
と詩を読まれたのが
なんとも素晴らしかった
＿,-｀^--y＜＿
」＼ _-=-- -- ｚ＜＿
＿＞> ,-‐ ´￣￣ ｀┴＜
「 之′y´ ,. ,. ヽ、
」i ,r' / 太太v''〈 ､, ｿ ヽ
/､ /ｿ /ﾘ （○） ﾘ入ｯ ,､ /
. J l | ｲ lﾞi .xx , （○）::/ﾍ/
. lﾞi ﾞ!)!|ﾍ. っ xx ノ
／:::::::::::::::::ヽ､__ ,. ｨく ./⌒Ｙ⌒ヽ
/:::::::／´ヽ:< /:::::::::| ズキュ── /──→ンッ！！
. ヽ＿__/:::／ Y､::::::::::/ ＼_ ／
- 216 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:43:55 ID:Rat/rv4U0
大納言殿は
,.:.:.:´.:￣.:.:.:＞ 、
,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、
／.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ 、
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,.:.:./.:.:.:.:|／.:.:.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:爪
／ｲ./.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:／.:.::/.:.:.:.:.:.トー-、.:爪
'／,.:l.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:／.:.:.:.:.／.:.:.:./.:.:.:.:人.｀ー 、VL',＼ ,＿,
' ,ｲ.:.:.:.:.:.:.:|／／フ＞く//V.:.:.:.:/ゝ、｀ーﾑ ゝ┴ ￣ ＼-、-、
| |.:.ﾑ.:.:.:.:|〃隹不 ﾌ /.:／／≠―ﾁ＞ 、_ ｧγ ´／イ: :＼ これくらいのことで、そんなに褒めないでいただきたい。
’ , l.:ｌl.:.:八ゝﾋ角ﾑメ./.:彡´ ﾃri一 ,.:.:.:.:.:.:.:lヽ ー " ／| ｲ/: : : : : : ＼
' ,.:.ヽヽ: ヽ ' l 〔角7 "/.:.:.:.:.:r '￣'＿_.／ | 'V: : : : : : : : : :＼
l.:.:ゝヽ.:｀ / ｀ //.:/.:.:/"￣ Y: : : : : : : : : : : : :.＼
从.:.:.:.:l>＼ ＿＿＿_ ,.:.:／.:/V 乂: : : : : : : : : : : : : : ＼
, ´/／ﾘ.:.! ＼ ￣￣ " イ.:.:.|／レ' ｀ ＜: : : : : : : : : : : : :ヽ
／／j.:.不 ＼ ィ ´.:.:.:.:|乂" ｀ ＜: : : : : : : : : :.＼
/ ⊂ニテニ＞ ＜ニ乂|乂 ｀ マ: : : : : : : : :
ｲ: : : :| |: : : : | |: :从 ＿＿＿__ ヽ: : : : : : : :
|ﾘ厄 | |: : : : | |う||＿_／ヽー ´ ヽ - 、 ＿_ ＿V: : : : : : :
人ｸ: : | |: : : : | |: ）ル: ノ: : : : : : : : : /: : ／: : : : ヽ―――≦: : : : :／: : : : : : : :
／: 丁: : :! !: : : : | |: : :／: : : : : : : : : ／: ／: : : : : : : : : : : : : : : : : :＜: : : : : : : : : : :
__／: : : : : : : :| |: : : : | |:／: : : : : : : : : : : !:／: : : : : : : : : : : : : : : ＜: : : : : : : : : : : : : : :
＜: : ＞: : : : : : : :| |: : : : 片V: : : : : : : : : : :／: : : ＜: : : : : : : : ＜: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
と笑っておられたけど
- 217 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:44:12 ID:Rat/rv4U0
＞ ／´ ′ ヽ.
／ｧ= ／ ∧
／ / / / / / / ､| | ハ. ヽ ∧
/イ / / / ,ｲ ／/.} ,ト |、|! | | ﾍ
/ / :/ |. | /:.:_:ﾑイ }:/_/:../ }/_|/トA:. |. |. l
/ :/:: .:::ト:| |:::ｲ iｼﾄ、/／ ﾉ' ＝､ }: ハ l!:.|
|:/l::::: .::::::Ⅵ l/ | （ ●） （●） /.:: ||｜ どうして素晴らしいものを
| |::::/:::::V｜ | 、 ||::::|:: | ハ|
|:::|::::::::{.｜: : |. ´´´ ´´´八:|:/|′ 素晴らしいものといわないでいられるだろうか……。
|::|!::: |::｀:Ⅵ :.l､ ,. ―- ､ イ:|:::::l/
|ハ:::|､:::::Ⅵ. :l:{ ＞.／r――- く |:ｲ::/′
Ⅵ V:::ﾊ!:.:ﾄ∨`.| ,二二ﾆヽ.l､ |/
｀{ V:|_.ヽ{∧ /| ‘ー―‐､ |ト､
,.くヽヽ ﾍ.V:ハ ( 二二 ハ/ i>､
i ､.ヽ::ヽハ.∧} / {7ヽ///ヽ
| ＼ヽ:l ∨ { V 〈/// ｜
| ｀}! / A. ヽ ∨ !
｜ } / ∧∧ ヽ}. |
- 218 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:44:39 ID:Rat/rv4U0
＿ _,
＿__,＞ Ｙ´'ー-､
＿ >ｚ二_ ＿__`ー≧＿_
｀＞…'´￣｀ ‐-､￣ ７ ＜
／ , Ｙ′之＞
／ 、 :{ ,: ｉ j、 , ヽ }<
/, ｛. /＼Ⅵ :| /／､ } :. ノ｜
.．=､ И ヽ{xr=ミ ＼jV,r= ミV :}ﾚ′
ｆ ｰ→ｘ | {.《 下歹 弋歹》} / |
. /| ｀¨こ)_ 人 :. { ,/イ┐ /
`! r ､} {＼〉 ＿＿＿ ｉ |丿/ というわけで今回の投下はここまでです。
| ヽ ｀ i:. {´￣￣｀}: ,| | ﾚ
｢＼ ノ＼／ :| ＼ V´￣ ｿ ／:| | 今回は宮中での生活に焦点をあてて投下しまてみましたが
r‐,{///ｱ77 |/ ｀i ｀ﾆ´ イ ヾ いかがでしたでしょうか？
∨/ﾒ､'/// __ 几__ _,九
|'////ｱ77 ／'//ｱ7| ﾏﾞ////Ⅹ///∨ :
|/////// _,／///ヽ//,ﾚ､〉∨,:/ : :∨/////, j、
|/////,:{ ／///////∧/////∨Y: :Y∨//ｲ∧ｱ7ヽ
. 八////∧///////////}///////,|: : |//////////|
////////,:}////////////////// |: : |///γヽ'///j
.〈//////////////,厶/////////// !: : ∨/,弋丿///
∨//////////／ V//////////|: : : ∨'//////〉
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∨///'／ ∨///////,:|.: : : :|//////,|
｀¨¨´ ∨///////|.: : : :|//////ﾑ
- 219 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 10:44:58 ID:Rat/rv4U0
/ / . .:／ ／ ヽ: : |: } !|
/ ,ｲ : ://l/／/／/ ': :.. ﾄ、 ! ﾘ
i / | ..:// l / l V: | ヽ{
. j/ | ｨ'.: ; .:| .:. |! | ｀
|/|:.:. :! .:/ .:! :/ ;ｨ:. :|: ;:|,ﾘ
!.:|:. :| ..:,ｲ .::/| .::;′:/ |::. / i:|
ｌ.:|:: :!: . ..:ﾑ|:.::/__|: :.. .:.:.:| .:/___}:. ∧:..| :/:}
Vﾄ:.. ..:l: :.:/ /／￢`ヽ:...: ::|:「― j:/￣V:. :/:/
iヽ 入 ..:!.:.f ｧfラぇ V:. :リ,≠ミ }..:/jｲ 次回も出来上がり次第投下します。
| | /ｲ ﾄ､V ヽ弋tﾝ ＼| 代ﾝﾘ” ﾉ;ｲ:.:.:|
| | j/ | |: : ﾄゝ ｀¨´ ｀¨´ ｲ:.:.:ﾄ､.:{ 今回もありがとうございました！
| | | |:.:∧ ' ∧:.:|| l｀
| | __ / Y |/ / .>､ ､＿_, ｲ∧Ⅵ |
| |／ V /Ⅵム/ }}rヘ、 =- ィ､/∧ V ／
f¨ __,∠>､〉/ ¨¨／个＜Ⅵ＞ r＜／Y,ｲ:＼ｰ′
/ __,,, ヽ¨´￣: : : :!: : : ｀:.＜｀Y′: : :.:/: }!: : : ＞-．
} '¨¨ _ V: : :＼ : : : ヽ: : : .:.｀≧＞'´￣｀V/: : : : : : :.:｀ヽ
| =イ 〉 〉: : : :.:＼: : : :.＼:.:.{ /´ ∨:/:.:: : : : : : :.ﾄ
. ! ヽ し'}: : : : : : : `ヽ: : :.:＼`ｰァｸ V:.: : : : :.:;|: :.ハ
丶 ∨: : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ｰ=-「 〈/{ |:.: : : : :.:;!:./:.:.|
- 223 ： ◆3R0NYM7cZk ： 2012/06/03(日) 11:02:12 ID:Rat/rv4U0
- >>221
_...〟.-∠≠ﾆ二ﾆ≧=＜´ ﾍ. ', ﾍ＼ヽ.
／ ´､_, '⌒｀^ ､ ＼::＼ } l ヽﾍ ヽ}
／ 丶＼::V| | Vl
／ ｀Vヽl | ヽ ' .
/ | Ⅵ/, ヽ.＼
/ / 〉 | ∨ﾍ. ﾄ､ ＼_
| /| | :| | ∨i ､ |
| / | :| :| | :| | | l :| | l 書いたまんまの意味です。
| | | :| :| | :| | : | :|/ ﾊ. ト､
| |ヽ| | :| : | ::| :| | : | / / l/⌒ヽ もっと正確に書くなら
| .| _|￣｀＼ | :| | :|＼ :| ::| ∧. ,' ´
ﾉ :|| ｉ｀ヽ､ ヽ::| | ´￣｀ ＼| :| ／ | :| { 「こんな私の自慢じみたお話を書くには
/／|:| |::::::::| ヾ /´|´｀￣￣| | :|'´｀i:jﾉ :| | なんか見苦しくていやだけどけど、
,'. |:| 弋_ノ ' 弋:::::::::::::ﾉ.| :| /.:::| ﾊ ', 周り連中が書けっていうから書きました。」
ﾉ |:＼/// , `‐‐‐ ' | |_/ / / ヽ_＞ って感じですかね。
| :/＼ ////／/ :| : /／
|: / |｀.. ､ _｀＿＿ ／_//| :| :ﾊ >>196で中納言にネタをパクられたのを自慢げに書いているように
// | : ヽ／ / | | :ｉ 見えるのが清少納言はいやだったそうです。
ハ | ／｀ヽ､ / /:/ | :|
| / ＼ // 人 :| ﾍ 基本的に自慢話を書くのはいやだったそうですね。
|: | ヽハ ／|＼ヽ ノ
ハ:| ヽ／ | ｀ '
＿＿ , ．イ V } イﾆミー- ﾉ
￣¨ー ., ／ヽ ／ ヽ r-イ
／ ./:::...:.＞＝<_＿:.:ハ ＼
.／ i / ＜´ ＞::> ＞..._
､＿＿ , ィ ／ ﾊ ! ,, - ハ 从 ＜
￣￣＝ ≠ { i /八! ／ }/ ヾﾐ､
/ !i! // ,' ＼
,' ﾊ 川 / , / ﾍ
/ ∧ | , ,' ,ｨ ,' i ハ
／ _, }! i ,' ,／ ,' / /i ./| |
／ イ7 | | ,' ´¨,ﾃﾅ=i‐- ｨ／ 十-.|,,_i .i
￣ i i! 从 | .i l ,rｆj＿＿ ／/｜ ,ム」_:,; .|
| / .| ∧ .| .| lK {| ::::::ﾘ l／＿＿ ﾉ/ | と、私の手元にある参考文献に書いてあります
人 八 {､ ,' ∧ > l, ゛ｰ '' K.__,/ }/ / ﾉ.,'
／ | {_ ノ! |::|{ ＼! ｀"" ｲ.//／./
Vーイ{ |::| ト.､ >xxxx __ ' xxxxイ／
/ .|::| |::|::| ／ ＼ ,ｨ'
/ ／Yﾟ|::| |::|::|､ ／ ／~＼ ヽ‐､_,／
/..／ ＿ﾄ.|::| 川ﾟ|＞イ ,.へ `＜ ヽr‐ｧ―=‐､
ー ",/´＼ﾉ/!_| .|: |, イ ,､〆｀`'ｰ /;;/.:/ ﾍ
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