Microsoftが次期OS「Windows 11」を発表!初ビルドはInsider Programで来週提供開始

Microsoftは24日(現地時間)、オンラインにて発表会「What's next for Windows」を開催し、パソコン(PC)など向け次期プラットフォーム「Windows 11」を発表しています。年内に動作対象のWindows 10搭載製品への無償アップグレードによるソフトウェア更新が提供され、ホリデーシーズンとなる年末にはWindows 11搭載の新製品が発売されるとのこと。

Windows 11では複雑なものを取り除き、よりシンプルな使いやすさを提供し、ユーザーインターフェース(UI)を刷新してWindowsロゴの「スタート」ボタンが画面下部にある「タスクバー」の中央に配置されるなどし、またWindowsとしては初めてAmazonやIntelとのパートナーシップによってAndroidアプリが利用できるようになるということです。

なお、Windows 11の必要最低要件は「1GHz以上×2コア以上の64bit互換CPUを搭載するチップセット(SoC)やメモリー(RAM)4GB以上、ストレージ64GB以上、9インチHD(720p)以上」などとなっており、現在利用しているWindows 10搭載製品がWindows 11の動作対象かどうかは専用ツール( https://aka.ms/GetPCHealthCheckApp )にて確認できるようになっています。

また同社ではこれからWindows 10搭載製品を購入する場合にWindows 11へのアップグレードに対応できるように販売パートナーと協力していき、対象製品は今年の年末から2022年内にかけて順次適用する予定で、来週にはWindows 11 の初期ビルドを「Windows Insider Program」で公開するとしています。

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発表会に登壇して全般的にWindows 11の紹介を行ったMicrosoftのPanos Panay氏

Microsoftでは2015年に現行バージョン「Windows 10」を“最後のバージョンのWindows”としてリリースし、その後、半年に1回のメジャーバージョンアップや頻繁なセキュリティー更新を実施してきており、元々は開発コード名「Sun Valley」(バージョン「21H2」)として開発されてきたものをUIなどが大きく変わるため、主にマーケティング的な要素から新たなWindows 11として提供することになりました。

Windows 11では主に「新しいデザイン」および「高い生産性」、「高い接続性」、「優れたゲーミング体験」、「より洗練されたWebアクセス」、「Microsoft Storeの大幅な改善」という6つの特徴があるとし、また設計段階から高いセキュリティーを組み込んでおり、新しい組込型セキュリティー技術を活用して生産性向上と新しいエクスペリエンスを実現しながらSoCからクラウドに至るまで保護機能を提供するということです。

【デザイン】

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Windows 11では新デザインが採用され、Windowsロゴの「スタート」ボタンが画面下部にあるタスクバーの中央に寄せられており、左右どちらの利き腕でもより等しく使えるようになっているほか、システムアイコンも変更されてよりカラフルで視認性が高くなっています。

またWindows 10ではタスクバーに表示されている検索窓がフローティング表示になり、サウンドも変更されてよりわかりやすくなっているとのこと。さらにキーボードやマウスに加え、ペンや指などによるタッチ操作や音声操作も強化され、タッチ操作向けのソフトウェアキーボードが改良されているということです。

【生産性】

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Windowsでは柔軟な複数のウィンドウによってアプリを並べるマルチタスク機能を提供して常に希望通りの作業を支援してきましたが、Windows 11では新機能としてスナップレイアウトやスナップグループ、デスクトップを導入し、マルチタスクをより使いやすく実行して必要な作業を常に把握するためのさらに強力な方法を提供します。

これらはウィンドウを整理して画面の領域を最適化し、視覚的に綺麗なレイアウトで必要なものを思い通りに表示できるように設計され、また生活の一部ごとに個別のデスクトップを作成し、好みに合わせてカスタマイズすることもできるため、生産性を向上させるとしています。

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【接続性】

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特に最近では接続性は重要なテーマとなっており、Windows 11では「Microsoft Teams」のチャットがタスクバーに統合され、Windowsだけでなく、AndroidやiOSなどとプラットフォームやデバイスに関係なく、テキストや音声、ビデオを介してすべての個人の連絡先と即座に接続できるようになっています。

また相手がMicrosoft Teamsアプリを導入していない場合でも双方向のSMSを介して接続可能で、Windows 11によってチームを介して友人や家族とつながるためのより自然な方法が提供され、タスクバーから直接ミュートやミュート解除を行ったり、プレゼンテーションを開始したりできるようになるということです。

【ゲーム】

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またWindows 11ではゲームにも力を入れており、Windows 11ではシステムのハードウェア性能を最大限に引き出し、最新のゲームテクノロジーのいくつかを活用します。

例えば、高いフレームレートで息を吞むような没入感のあるグラフィックスを可能にする「Direct X12 Ultimate」はード時間を短縮し、より精細なゲームの世界を実現するDirect Storage、より鮮やかな色を提供して魅惑的なビジュアル体験をもたらすAuto HDRなどに対応します。

さらに同社ではこれまで通りにハードウェアの互換性を重視する方針に変わりはなく、お気に入りのPCゲーム用アクセサリーや周辺機器をサポートし、Xbox Game Passfor PCまたはXbox Game Pass Ultimateによって継続的に追加されている100タイトル以上の高品質なPCゲームにアクセスでき、PCでもコンソールでも一緒にプレイする仲間を容易に見つけることが可能です。

【Web】

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Windows 11はウィジェットによって関心のあるニュースや情報に素早くチェックすることができ、ウィジェットはAIを利用した新しいパーソナライズされたフィードリーダーであり、Microsoft Edgeによる最高のWebブラウザーパフォーマンスを備えています。

【ストア】

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新しいMicrosoft Storeはアプリやコンテンツを視聴、作成、再生、作業、学習するための唯一の信頼できるストアで、スピードを重視して再構築され、シンプルで美しいまったく新しいデザインになっています。

これまで以上に多くのアプリを提供するだけでなく、アプリやゲーム、番組、映画など、すべてのコンテンツを厳選されたストーリーやコレクションで簡単に検索して見つけられるようにしています。またMicrosoft TeamsやVisual StudioなどといったMicrosoftのアプリだけでなく、Disney+やAdobe Creative Cloud、Zoom、Canvaなどの主要なサードパーティー製アプリも間もなくMicrosoft Storeにて提供開始されます。

さらにWindowsとしてIntel Bridgeテクノロジーを利用して初めてAndroidアプリを利用できるようにし、今年の後半からMicrosoft StoreでAndroidアプリを見つけてそのまま「Amazon Androidアプリストア」からダウンロードしてAndroidアプリが利用できるようになるとのこと。これにより、TikTokやKhan Academy KidsなどのAndroidアプリがWindowsで使えるようになります。

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開発者やクリエイターにより大きな経済的機会を提供するためにMicrosoft Storeのさらなるオープン化に取り組んでおり、開発者や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)がWin32やProgressive Web App(PWA)、Universal Windows App(UWP)などのアプリフレームワークにかかわらず、アプリを提供できるようにします。

またMicrosoft Storeにおける収益分配ポリシーを段階的に変更し、開発者はMicrosoft Storeにてアプリを配信することで収益の100%を確保することができるようになります(Microsoftの取り分はありません)。さらに開発者は競争力のある85:15の分配収益で利用することもできるとのこと。

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記事執筆:memn0ck


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