世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第1回はハゲのおっさんがショッピングカートで滑るだけのゲーム「Cart Racer」を紹介します。あらゆる斜面を滑り降りて、ジャンプ台の向こうに待っている巨乳のお姉さんやドラゴンに見事突っ込めばクリアです。
カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。
先月はじめにSteamでこっそり発売されたこのゲーム。スキンヘッドのおじさんを操作してショッピングカートに飛び乗るだけと、操作はこの上なくシンプルな一方、クリアするのは至難の業。カートに触れただけで血が吹き出すし、乗り損ねて地面に激突しただけで動かなくなるし、すぐパンツ破れるし。人によっては斜面を滑るまでに心折れるかも。
無事カートにお尻を突っ込めれば、あとは乱れた物理法則に身を任せるだけ。進行方向だけ微調整しながら、ジャンプ台の向こうに待つゴールを目指します。
全4ステージあって、それぞれ3段階の異なるゴール地点が用意されています。最初はピンポイントで壁やサンタクロースに突っ込むだけ。次はジャンプ台でセクシーお姉さんのベッドルームやドラゴンが鎮座する城壁へ。最後はさらに高く飛んでヘリやクジラに乗り込みます。
これが想像を絶する難易度で、100回や200回やり直すのは当たり前。ショッピングカートはフレーム単位での入力が求められるほどかじ取りが難しいです。それでいておじさんはスペランカーのように脆弱で、大抵カートに乗り込んだ時点で死んでいるのでジャンプ台から放り出された後はピクリとも動けません。うまくゴール地点に着地できるかは、ジャンプ台に突入する際の速度と角度が全て。見た目に反して繊細なゲームなんです。
どうしてこんなものを作ろうと思ったのか小一時間問い正してみたいけれど、胸の奥で眠っていた子供のころからの夢みたいな、そんなうまく言葉にできない思いはなんとなく伝わってきます。
誰もが童心に帰れるバカゲー「Cart Racer」は、Steamにて98円で発売中。開発元のHFM Gamesは過去、ゴキブリになってキッチンでの壮絶な生き様を体験できるゲーム「Cockroach Simulator」をはじめ、実は数々のバカゲーを手掛けてきた常習犯。7月11日からはハエの気持ちになれる「Fly Simulator」の販売も予定しています。
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