平安時代の貴族の女性は優雅に暮らしていたイメージがあるが、身分が高いほど父親からのプレッシャーも大きかった。歴史学者の服藤早苗さんは「摂関時代、貴族の男性は天皇の外祖父となって初めて本格的な政治権力を握ることができたので、妻には娘を産むことを求め、娘には入内して皇子を産むことを期待した。それゆえに不妊や多産に苦しんだ女性も多い」という――。※本稿は、服藤早苗『「源氏物語」の時代を生きた女性たち』(