代理出産をテーマにした桐野夏生さんの書籍『燕は戻ってこない』が話題を呼んでいる。「生殖医療の進歩で選択肢が広がった」という声もあるが、選択肢を得ているのは「持つ側の人間」だけ。選択肢となる側の気持ちを考えさせられる問題作だ。以前から社会問題や女性の不利益を描き続けてきた桐野さんは「女性が不利な立場に置かれていると考えていく訓練、習慣が必要」という――。(前編/全2回)写真=iStock.com/Andy445※写真