一大観光地・鎌倉の高徳院に鎮座する「鎌倉大仏」(国宝銅造阿弥陀如来坐像)。奈良・東大寺にある「奈良の大仏」(東大寺盧舎那仏像)と並んで日本を代表する大仏のひとつだが、実は謎も多い。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には、建長4年(1252年)に鋳造が始まったとあるが、完成年や原型の作者、鎌倉幕府とのかかわりやその目的などは、今もはっきりとは分かっていない。今回は、その鎌倉大仏の謎の1つに着目したい。それは背中に存