朝ドラ『虎に翼』良キャラは女性だけじゃない!伊藤沙莉の熱量を受け止める“2人の男性”
朝ドラ『虎に翼』良キャラは女性だけじゃない!伊藤沙莉の熱量を受け止める“2人の男性”
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まず第1週目から“手ごわさ”を感じさせた松山ケンイチ。司法の独立を重んじる気鋭の裁判官・桂場等一郎(かつらば・とういちろう)を演じています。
松山といえば、主演から脇まで幅広い役柄を演じてきており「憑依型俳優」「カメレオン俳優」として名高い俳優ですよね。2012年の大河ドラマ『平清盛』で主演も務めていますが、意外なことに朝ドラは本作が“初出演”。出演発表時には「僕は15年前から朝ドラに出演する事を目標に俳優活動を続けてきました」とコメントしています。
今回の桂場は、堅物で腹の内を決して見せずつかみどころのないキャラクター(実は甘党)。その当時、参政権すら持ち得なかった女性が、法律を学ぶことに疑問を抱いており、現実的な視点をもって、寅子に立ちはだかってゆく存在となるでしょう。
◆堅物男をチャーミングに魅せる顔芸
第2話の夜学で教鞭をとっている登場シーン。第一印象は「やたらいい声だなぁ〜」と。よく考えれば、それもそのはず。裁判官なのだから。現時点で、松山が裁判官として法廷に立つシーンはまだありませんが、あの声で判決を読まれたら納得するしかないだろう! というほど“いい声”です。早くそのシーン観たい!(……あるか分からないけど……いや、あれ!)
一方で、表情は本当に堅物そのもの。誰の前であっても感情を読み取らせない、“無”(決してぼんやりではない)です。しかし、常に無表情で理路整然と意見を述べているからこそ、想定外の返しや出来事に驚く表情はギャップが激しめ! 第3話で、法律的に妻は<無能力者>とされている理由を寅子に説明した桂場。その説明に「はて?」と疑問を投げかけた寅子に対し、「はて?!」と返した顔よ!
◆なかなかお団子が食べられないもどかしさ
そしてなんといっても、第5話の甘味処のシーン。好物のお団子を食べようとした桂場は、寅子にさえぎられ法律を学ぶために母をどう説得したらよいか相談されました。桂場は、女性にとっての厳しい現実とともに、自分も寅子が法学を学ぶことに反対であり、「甘やかされて育ったお嬢さんは傷つき泣いて逃げ出すのがオチ」と諭します。その瞬間、寅子の母・はる(石田ゆり子)が突如現れ、「女の可能性の芽を摘んできたのは男」であり、無責任に娘の口を塞ごうとするなと返り討ちに。そのときの「お母さん?!」と驚き、あっけにとられた松山の面持ちったら!!
そんな表情の緩急に、なかなかお団子が食べられないもどかしさも相まって、一気に松山の虜になってしまいました。第3週は“出番なし”でしたが、次の登場が楽しみでならないのは、筆者だけではないはず! ちなみに甘いものを目にした際の、絶妙な表情の変化も見逃せません。
◆扱いが残念な書生・仲野太賀
もう一人注目なのはやはり、寅子の家に下宿する書生(=勉学中の若者)・佐田優三(さだ・ゆうぞう)を演じる仲野太賀です。昼は銀行で働き、夜は大学で勉学に励んでいる優三。早くに両親を亡くしており、弁護士だった父に憧れて夜学に通うも高等試験(現在の司法試験)にはなかなか合格できません。寅子にとっては、気負うことなく言いたいことが言える相手です。
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