(1)まず、一般的に3Gサービスの終了を知っている人が、docomoが50人中39人(78.0%)、SoftBankが11人中9人(81.8%)、Y!mobileが13人中7人(53.8%)。
(2)さらに、自分が利用している通信会社に限って、その終了年まで正しく知っている人が、docomoが32人中25人(78.1%)、SoftBankが6人中3人(50.0%)、Y!mobileが5人中2人(40.0%)という結果です。
このデータから、3Gサービス終了自体を知っている人の割合は高いですが、実際に自分が利用しているガラケーが終了する時期まで、細かく理解している消費者は少ないように感じます。
――ちょっと待ってください! SoftBankとY!mobileは、あと数日以内の4月15日には終了するのですよ。石川県は例外ですが。それぞれ5割、6割の人がそれを知らないなんて大変じゃないですか!
担当者 こちらの設問は「あなたは携帯電話の3Gサービスが終了することを知っていますか?」と聴取しています。
もしかしたら、ガラケー利用者でも「3Gサービス=3Gのみ対応のガラケーが使えなくなる」という認識がない――つまり、3Gサービス自体が何かわかっていない人も含まれるのではと考えます。
通信会社側もメルマガなどを通したアプローチを行い、ほかの端末への乗り換えをPRしている状況ではあると思いますが、ガラケーを利用するシニア層が「どうせ告知や案内だ」と認識して、ちゃんとメルマガを読まないで、自分ゴト化されていないことも問題かと考えます。
auがガラケーをやめた時も、同じ混乱が
――大変なことになっていますね。ところで、若い層も含めて利用している通信会社の3Gサービスの終了を6割近くが知らない結果が出ました。これは4Gや5Gを利用している若い層には、3Gサービスなんて関係ないよ、ということでしょうか。
担当者 おっしゃるとおり、3G回線を利用したことがない世代が増えているため、若い世代は「ほとんど関係ない」といっても過言ではないかと思います。
しかし、【図表2】のサービス終了の認知率と正答率を見ると、さすがに情報感度の高さから、以下のように若年層のほうがシニア層より認知率・正答率ともに高い結果となりました。
10代 認知率:50.0% 終了年の正答率:75.0%
20代 認知率:52.1% 終了年の正答率:77.0%
30代 認知率:49.6% 終了年の正答率:62.5%
40代 認知率:42.4% 終了年の正答率:67.7%
50代 認知率:40.2% 終了年の正答率:60.5%
60代 認知率:44.4% 終了年の正答率:64.5%
つまり若い層は、ガラケーのことは自分には「ほとんど関係ないよ」といっても、当事者であるシニア層よりはよく知っているということです。
――なるほど。じつは私も70代で、auが3Gサービスをやめる2年前までガラケーを愛用していました。現在、スマホの便利さを堪能していますが、ギリギリまでガラケーが使えなくなるなんて知りませんでしたね。
担当者 auがサービスを終了する直前に調べた調査があります。「2022年シニアの3Gサービス終了に関する実態調査」(2022年3月8日)ですが、その時もガラケー利用者の3割以上がサービス終了を知らず、また、知っていると答えた人も3割以上が終了時期を間違えていました。かなり混乱したと思われます。
今回のSoftBank、Y!mobileで4月に終了する3Gサービスですが、終了を迎えると、ガラケー利用者は自動解約となります。通信会社はいかにガラケー利用者の取りこぼしを最小限に抑えるかカギになってくると考え、今後のスマホ利用率の増加についても注目していきたいと思います。
※2022年シニアの3Gサービス終了に関する実態調査」(2022年3月8日)
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)