前田さんは、
アイドルグループ「AKB48」の第1期生として“絶対的エース”と呼ばれ、2012年まで活動。卒業後は、
テレビドラマや映画、舞台に多数出演。独立後も俳優として多方面で活躍するほか、一児の母親としても日々を精力的に過ごしています。
前田さんに現在の仕事への想い、多忙な中での子育てのこと、映画『一月の声に歓びを刻め』のこと、そしてこの先のことを聞きました。
◆息子にとって“重たい親”にはなりたくない
――今回の映画、放送中のドラマと、仕事が充実している日々だと思います。以前よりさまざまな
インタビューで「仕事は自分から切り離せない大切なもの」と言っていましたが、そのスタンスは今も変わらないですか?
前田:変わらない、ですね(笑)。仕事をしている時のほうが日常みたいになっちゃっている自分がいるかもしれないです。プライベートで楽しんでる自分が、ちょっと非日常な感じになっちゃっていて。
もちろん、子どもとの時間はまた全然別なのですが、前田敦子というひとりの女性としてのプライベートを、というイメージがまったく湧かなくて。だから友達にもあまり会っていないですし、ますます仕事人間化してる自分がいます(笑)。
――より仕事への想いが強くなっていると。
前田:そうなんですよね。実感しています。子どもがもうすぐ5歳になるのですが、本当に絶大なる、かけがえのない存在でいてくれるんです。最近はますますしっかりした人間らしくなってきて。そうなるとより一層、お互いに一人ひとりの人間として完結しているなって感じなんです。
子どもが大きくなると誰でも変わってくるものだと思うのですが、少なくともわたしは子どもに寄りかかるような母親にはなりたくないんです。なりたくないからこそ、ますます自立みたいなのを、ちょっと追い求めてる部分はあるかもしれないです。
特に男の子ってね、お母さんを大切にしてくれるじゃないですか。気を遣わせる母親になりたくないんです。ちょっと先を見過ぎている感じも自覚しているのですが、重たい親にはなりたくないなって思っています。
◆かっこいい背中を見せられていることが自信に
――数年前にそれまでの事務所より独立されましたが、そのことと強くあろうとする想いは関係あるのでしょうか?
前田:強くならなきゃと思っていないんです。でも、強くならなきゃいけない選択を、勝手に自分がしているんですよね。自分で強くなりたいから、そっちに行ってるわけじゃない、強くなっちゃうんです。自分がやりたいほう、行きたいほうを選ぶとそっちに行くんですよね。
――そういうお母さんって、子供にしてみたらかっこよく映っているのではないですか?
前田:そうですね。そういう背中を見せられてる感じは、ちょっと自分の自信にも繋がります。実際、子供を見ていると、自分の足で立つような生き方をしようとしてくれてる感じがすごくあるので、このままこういう背中見せれたらいいなとは思っています。でも、それが終わった時に「じゃあどうする?」って感じは残りますね(笑)。
――これからいろいろと親の仕事も分かってくるでしょうしね。
前田:あ、5歳ですが、もうそれはもう全然理解しています。わたしが元
アイドルということも知っています。『
【推しの子】』の星野アイちゃんと同じって言っていて、「そ、そうだね」としか言えないですよね。確かに同じことをやっていたなあと(笑)。