◆差し入れはあげたほうがいいのか、やめておくべきか
さて、この後は「
プレゼントをする側」への話になる。推し活をしていると
イベントの度に“推しへ何かあげたい病”にかかるファンも多いが、特にこれといって思いつかないなら無理に渡す必要はない。すでに
イベント参加費を支払っているのだから、それだけで十分ではないか。
「行けないけど頑張ってください! 家から念を飛ばします!」というリプを飛ばす謎の勢力とは違うので、現地に足を運ぶだけで立派な応援になっていることを忘れないようにしよう。
活動をする本人たちも、差し入れにそこまで執着はない。参加するなら何か上納しろと思う方が少ないレベルで、ファンが思うほど
プレゼントはさほど重要な項目ではないとわたしは考える。むしろ余計なもの(賞味期限ぎりぎりすぎるお菓子とか)を持参して相手の荷物を増やすくらないなら、手ぶらで行こう。それがお互いにとってベストである。
◆どうしても
プレゼントを渡したい時の3つの注意点
それでも、どうしても
プレゼントを渡したい、自分の推し活スタイル的に何かを渡さないと気が済まない、というこだわりが強いオタクたちのために注意点を伝授しよう。
まず一つ目は「推しの好みをリサーチすること」。贈り物とはあげたら終了ではない。渡すことに意義があるのではなく、「相手が喜んでくれるのか?」までを考えなければただの自己満にすぎないのだから、SNS等をくまなくチェックしてからモノを決めるべき。プロフィールに「甘いものが苦手です」と書いてあるのに
チョコレートなんて渡したら、ただの
嫌がらせにしかならないので嫌われても仕方がないだろう。
二つ目は「決められたルールを守ること」。事務所の方針や界隈によってあげていいもの・ダメなものが定められているため、ルール外のアイテムを持っていってはいけない。
代表的なNG
プレゼントは生ものだが、実はアマギフや商品券といった金券も最近では禁止されることが多い。良かれと思って持って行ってもルールに引っかかったらすべてがパーなので、初心者は特に気をつけたい項目である。
◆“熱の入りすぎ”に注意しなければならない
最後は「高額
プレゼントを渡せばいい、という思想に陥らないこと」。推しに認知され、TO(トップオタクの略。要するに一番カネを遣うファン)になりたいがゆえにハイブランドのアイテムを投げまくる人もいるが……。
とにかく“参加するだけで十分”であり、熱を入れすぎると自身がのめり込み過ぎるかもしれない。親戚にランドセルを買ってあげるような気持ちならいいが、「認知されたい」「TOになりたい」というはみ出た感情が少しでも湧いていると、いろいろと危ないからだ。
節度を持ってこその推し活。ハイブラのカバンをあげて推しのハートを掴みたいと思ったら、一度冷静になって考えよう。ただただ喜んでほしい以外の願望が浮かんだ時点で、危険ゾーンにいる自覚を持つべきなのである。
◆外野がとやかくいう問題ではない
差し入れ問題は外野が騒ぎ立てることではないし、今回は業界外の人間が余計な油を注いでお
祭り騒ぎにした点がものすごく気になった。別にわたしは
セクシー女優もそのファンをもかばう気はないが、迷惑を被った人が出てしまった事実をみんなもっと知った方がいい。
SNSの盛り上がり一つで、物事は良い方にも悪い方にも転ぶ。「そんな差し入れ問題で大げさな」と思われるかもしれないが、今一度大人たちは正しいSNSの使い方を見つめ直す機会なのかもしれない。
文/たかなし亜妖
―[元
セクシー女優のよもやま話]―
【たかなし亜妖】
元
セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。
ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、
フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。