シューティングゲームや格闘ゲームなどを競技として楽しむ「
eスポーツ」の規模は拡大続けており、日本でも高額な賞金を得られる
eスポーツ大会が数多く開催されています。
韓国では日本で
eスポーツが一般的になるはるか以前から大規模な大会が開催されており、記事作成時点でも世界有数の
eスポーツ大国として影響力を保っています。そんな
韓国で
eスポーツが発展した経緯をゲーム関連YouTuberのRESPRiT氏が解説しています。
StarCraft was never meant to be played the way Koreans played - YouTube
韓国における
eスポーツの歴史を語る上で外せないゲームタイトルが「StarCraft」です。StarCraftは1998年に発売されたリアルタイムストラテジーゲームで、
韓国で一大ブームを巻き起こし、大規模な大会がいくつも開催されるようになりました。
StarCraftは家庭用ゲーム機ではなくPC上で動作するゲームです。
韓国におけるPCゲームの爆発的な流行は
韓国の政策や経済の歴史が関係しています。
韓国の経済は1960年頃から急速に発展し、1990年頃からは政府がデジタル関連技術の発展に力を注ぐようになりました。
しかし、1997年にアジア通貨危機が発生し、経済成長は一時的に鈍化します。
経済成長の鈍化と同時期に、
韓国ではインターネットが急速に普及しました。
インターネットの急速な普及には、アジア通貨危機によって新たな市場へ進出する必要に迫られた経営者が次々に開業した「PCバン」が大きな役割を果たしました。PCバンは日本におけるインターネットカフェに相当する施設で、顧客はPCバンに設置されたPCからインターネットを利用できます。
1999年には1万3000箇所を超えるPCバンが開業し、多くの
韓国人がインターネットに接続できるようになりました。その後も
韓国ではインターネットの普及率が増加し続けました。
1998年に発売したStarCraftは比較的低スペックなPCでも動作可能なことから、インターネット接続を得た
韓国人の間で大きな人気を獲得しました。
また、
韓国では家庭用ゲーム機のシェアが低く、PCゲームを扱う店が数多く存在したこともStarCraftの爆発的なヒットに一役買いました。
韓国ではStarCraftの大会が次々と開催され、メディアもStarCraftの人気を特集するなど、普及を手助けしました。
その後、2000年には
韓国政府が
韓国eスポーツ協会(KeSPA)を設立し、プロリーグの立ち上げやルールの制定を推し進めました。政府がKeSPAを設立したことは
韓国国民に対して「政府が
eスポーツの普及を後押ししている」というメッセージを伝えることになり、
eスポーツの発展に大きく寄与しました。
さらに、
eスポーツ業界ではFlash選手などのスター選手が登場。KeSPAによるリーグ運営やスター選手の登場によって
eスポーツは
韓国国民から大きな人気を得る産業に発展したというわけです。