水蒸気で加熱するため、内釜の内部温度はもちろん100℃を超えることはありません。世の中には、高火力で勢いよく釜内を「踊らせる」炊飯器も多くありますが、BALMUDA The Gohanは「絶対に踊らない」炊飯器なのです。このため、お米同士がこすれて傷つきにくく、さらにデンプンが外に溶け出しにくいという特徴があります。
BALMUDA The Gohanの本体と二重釜。大きい釜には水を180ml、外側が銀色の釜には米と水を入れて炊飯します。最大の炊飯容量は3合です
高級炊飯器の多くは、炊飯の熱ムラ抑えるために内釜の「蓄熱性」にこだわっているため、内釜が重くなりがち。一方でBALMUDA The Gohanは水蒸気で内釜を包み込む加熱方式なので、そこまでの蓄熱性は必要としません。
ということでBALMUDA The Gohanの内釜はかなり軽量。内釜だけだと230g、外釜を合わせても495gほどしかないのです(実測値)。700g超の内釜でも高級炊飯器としては軽いほう――とされるなか、この軽さは圧倒的。高級炊飯器には内釜の重さが2kg近い製品もあるのですが、重い釜だと炊飯や洗い物が面倒に感じることが多々あるんですよね。BALMUDA The Gohanは取り扱いがラクでした。
○新型で炊いたごはんの味は……?
準備ができたら炊飯開始。BALMUDA The Gohanには5通りの炊飯モードがあり、まずは標準の「白米」モードで炊いてみます。
なお、BALMUDA The Gohanは新旧ともに保温機能はありません。我が家は夫婦ふたり暮らし。一度に3合のごはんは食べきれないので、余った分は一杯分ずつラップで包んで冷凍しています。新BALMUDA The Gohanで炊いたごはんは、冷凍・解凍しても粒がしっかりしていて、ほぐれやすいままでした。この点では、冷凍派にもオススメできる炊飯器です。
冷凍ごはんを解凍したところ。冷凍ごはんを解凍するとツヤがなくなる場合もあるのですが、BALMUDA The Gohanで炊いたごはんはツヤも復活! かなり冷凍に向いている炊飯器だと思います
粒立ちがよいので、おにぎりにしても美味しい! ごはんを握ってもダマになっていないのがわかりますか?
白米モードの炊飯時間は50分〜65分くらいですが、BALMUDA The Gohanには約34分〜41分で炊飯できる「白米早炊」モードもあります。
BALMUDA The Gohanは最大炊飯量が3合、玄米や炊き込みモードだと最大2合しか炊けないので、大家族には不向き。また、保温機能がない、外釜に水を入れる手間が必要など、ライフスタイルによっては合わない家庭もあるでしょう。
一方で、外釜に水を入れる手間を惜しまないなら、白いごはんや玄米の美味しさはかなりのもの。さらに「蒸気を使った調理」を応用することで、普通の炊飯器ではできない調理も楽しめます。バルミューダらしい独特のスタイリッシュなデザインも魅力的です。今回は数カ月かけて新型のBALMUDA The Gohanをじっくり試しましたが、結論としては「誰にでもすすめられる炊飯器ではないけれど、ハマると大ファンになれる!」というものでした。