2018年ロシアワールドカップのあと「次のワールドカップのことは考えられない」と語っていた川島だったが、森保一監督は招集し続けた。そして呼ばれるたび、川島はひたすら代表トレーニングに打ち込み、出場に向けた意欲を見せ続けた。
ドーハ入りした後も、決して「先輩」だったり「精神的主柱」という役だけではなく、現役選手としての取り組みを続けた。「他のGKにアドバイスをしているのか」という質問をされるたびに、「聞かれたら言うが、そういう立場ではない」と謙虚に答えていた。
大会を終えて今、4年間を振り返る。
「自分はやっぱり常に成長することしか考えてないですし、そういう意味で自分の夢をロシアのあと思いかけようとやってる中で、こういう形で日本代表の一員として、こういう場所に来られたのはすごい幸せなことです。本当に自分自身が逆に若い選手が多く刺激をもらってここまできましたし、ある意味本当夢のような4年間だったと思います」
「本当にこのチームは……素晴らしいチームだったと思うし、やっぱりそれは一人ひとりの能力もそうですし。ヨーロッパや日本での経験もあった上で、チームとしてこれだけまとまれるチームなかなかないです」
2010年南アフリカワールドカップでもベスト16でパラグアイとPK戦の末敗れた。そのときにゴールを守っていたのは川島だった。
「できれば他の選手を同じような思いをしてほしくないですよ。でも、サッカーはPK戦の上でも勝ち負けしかないんですよ。4大会を経験させてもらって、大きな大会の中で勝ちか負けしかないですし、でもそれでもサッカー人生ってのは続いていくし。本当一人ひとりがもう1回受け止めて、まだ前に進まなければいけないんです」
川島の現役は続く。現役であるかぎりは日本代表に選ばれるかもしれない。そう聞かれると川島は「そうですね、それはまた考えたいと思います」と曖昧に答えていた。
【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】