【和牛の目利きクイズ】おいしい生肉の表面は…「ほどよく乾いている」「瑞々しく光沢がある」のどっち?

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管理栄養士のともゆみです。ステーキや焼肉をおうちで食べるなら、お肉選びはとっても重要ですよね。せっかく奮発するのだから、よりおいしいお肉を選びたいもの。おいしい牛肉の選び方のひとつにお肉の表面を見て判断するというものがあるそうです。情報番組『ポップUP!』で紹介していました。表面で見分けるって一体どうやるんでしょう? 実際においしいお肉を選んで、焼いて、食べてみようと思います。

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ここでクイズです。

おいしい牛肉の表面は「ほどよく乾いている」か「瑞々しく光沢がある」のどちらでしょうか? 

普通、お肉が乾いていたら、パサパサしておいしくないんじゃないの? と思いますが…。
瑞々しい方がしっとりしていて多分おいしいと思うんですけど、ホントのところは?

正解は…






「ほどよく乾いている」でした。

えーそうなんですか? にわかには信じられないんですけど。
では実際にスーパーに見に行ってみようと思います。


いざ、スーパーの和牛コーナーへ

行きつけのスーパーが何軒かあるのですが、まずは駅近くの安さが売りのスーパーで見てみることにしました。
牛肉コーナーへ行ってみると、和牛、ありました。これはどっちかっていうと、赤身肉でもテカテカしているので「瑞々しく光沢がある」部類に入るのでしょうか。ここのスーパーは「ほどよく乾いている」お肉はありませんでした。

次に、近所の中ではちょっと高級感のあるスーパーへ行ってみます。
和牛、ありました。おぉ、「ほどよく乾いている」とはこのことですね。さっきのスーパーとは明らかに水分量の感じが違います。テカテカ感が全くないです。ここのスーパーは逆に「瑞々しく光沢がある」和牛は全くありませんでした。

それでは、ここの「ほどよく乾いている」和牛を買ってみることにします。
部位はやわらかいとされる「ヒレ」の部分です。
それがこちら↓



少しアップしてみますね。
「ほどよく乾いている」感じわかるでしょうか?



フライパンで強火のまま両面さっと焼いてみます。



焼肉のたれをつけて食べてみます。



さすが、ヒレ肉。やわらか~いです。そして赤身の味が濃くておいしいです。

「ほどよく乾いている」お肉がおいしい理由

ほどよく乾いているということは、水分が適正に抜けているということです。
水分が抜けていると、味が凝縮されていて、焼き目も付けやすいんです。焼き目を付けると香ばしく食べられます。
一方で、「瑞々しく光沢がある」お肉は、びしゃっとしていて焼いても蒸したような感じになってしまい、焼き目が付けにくいんです。よって香ばしさも出しにくい。
なので、きちんとしたお肉屋さんがきちんとした処理をしたお肉というのは「ほどよく乾いている」のです。

なるほど、そういうことでしたか。言われてみれば、お肉をフライパンでサッと焼いただけでもすぐに焼き目が付きました。焼き目の香ばしさもおいしさのひとつですよね。味が凝縮されているかについては、確かに水っぽいお肉よりは「ほどよく乾いている」お肉の方が味が濃いと容易に想像がつきますね。

和牛ヒレ肉の栄養素

エネルギー…207kcal
たんぱく質…19.1g
脂質…15.0g
鉄…2.5mg
ビタミンB1…0.09mg
ビタミンB2…0.24mg
ナイアシン…4.3mg

参考:文部科学省 日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)

和牛ヒレ肉の栄養素で注目したい成分は、たんぱく質、ビタミンB群、鉄です。

たんぱく質は、三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)のひとつで、筋肉や内臓、血液などを作る重要な構成成分です。牛ヒレ肉は体内で作ることが出来ない必須アミノ酸が豊富な良質のたんぱく質を含んでいます。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳におけるたんぱく質の推奨量は女性50g、男性65gとされています。和牛ヒレ肉100gを食べれば、1日の1/3以上のたんぱく質を摂取できます。

ヒレ肉には他の部位よりも鉄が多く含まれています。鉄は血液中で赤血球の成分であるヘモグロビンと結びついて、肺から取り込んだ酸素を全身に運搬する作用に関わっています。鉄不足になると必要な酸素が全身に行き渡らなくなり、動機や息切れ、集中力の低下、スタミナ不足につながります。最近なんだか疲れやすいなというときには、鉄不足かもしれません。鉄が摂れているか、食事を見直してみてはいかがでしょうか。

ヒレ肉にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB1・B2をはじめ、ナイアシンもビタミンB群のひとつです。ビタミンB群は体内でエネルギーを生成するのに重要な役割を果たすため、不足すると肌荒れや疲れやすくなるなど様々な不調が起きやすくなると言われています。元気に過ごすために欠かせない栄養素です。また、ビタミンB群は水溶性ビタミンで、過剰に摂取したものは尿として排出され体内で貯蔵が出来ないため、こまめに摂取する必要があります。

和牛の赤身肉には、疲労回復効果が期待できる鉄分とビタミンB群の両方が豊富に含まれています。特に疲れたときにおすすめする食材です。
お店によって違いがありそうですが、和牛を選ぶときには「ほどよく乾いている」お肉がおいしいと覚えておいてくださいね。

※食中毒菌は、主に牛肉の表面に付着しているので、牛肉の表面・側面をしっかり焼けば、牛ステーキをレアで食べても基本的には問題ありません。ただし、食中毒菌は時間とともに牛肉の表面から内部に浸透するので、子どもや高齢者など食中毒に対する抵抗力の弱い方は、中までしっかり焼いて食べましょう。

<参考文献>
書籍
『専門医が教える ビタミン・ミネラル早わかり』 著者 吉川敏一 幻冬舎 
WEB
東京都福祉保健局「生の牛肉を食べてはいけないと聞きましたが、牛ステーキをレアで食べても大丈夫ですか?【食品安全FAQ】」 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/anzen/food_faq/chudoku/chudoku08.html