ティモンディ・前田裕太が語るマンガへの愛と尊敬 「生きる楽しみであり、人生を豊かにしてくれるもの」

紙のマンガしかなかったあの頃。週刊誌や単行本の発売を待ち遠しく感じたり、発売日にワクワクしながら本屋やコンビニへ足を運んだり、そんな記憶が蘇ってくる人も多いのではないだろうか。

しかし、電子書籍サービスの台頭により、マンガは“たまの楽しみ“だったコンテンツから“毎日をちょっと豊かにしてくれる“コンテンツへと変化した。さらに、紙では表現できなかったwebtoon(縦読みマンガ)という新しいコンテンツが誕生したのも電子書籍サービスがあってこそだ。

また、LINEマンガでも大人気のwebtoon作品『外見至上主義』がNetflixシリーズとして配信が決定するなど、近年はアニメ化する作品も。

そこで今回は、電子コミックの魅力を探るため、お笑い芸人ながらTV番組やYouTubeチャンネルなどでも推しマンガを紹介するなど、マンガ好きとして活躍の場を広げているティモンディ前田裕太さんへインタビュー。

前田さんのマンガ遍歴やマンガ愛に迫ると共に、webtoon作品の中からイチ推しをセレクトし、作品の魅力を語ってもらった。

取材・文/阿部 裕華 撮影/森カズシゲ

“マンガを買うこと”への思いを強くした、とある後悔

前田さんは月にどれくらいのペースでマンガを読んでいるのでしょうか?また、読む作品の選び方も教えてください。
1日に1冊は必ず、時間がある日は1日3〜4冊読むので、月に30〜100冊くらいは読んでいるかもしれません。

本屋さんに行ってジャケ買いすることもあるのですが、今は電子書籍で「1話試し読み」ができる作品が多いから、いろんな作品の1話をとにかくバーっと読んでみて「面白いな」と思う作品があったら買うという流れですね。自分のペースで読みたい時や連載中の好きな作品は単話買い、1冊買う方がお得な作品は単行本買いしています。そこから本当に気に入った作品をまた紙の書籍で買いますね。
電子と紙、どちらも買われているんですね。
それにはきっかけがありまして……学校と部活で本当にお金がなかった中高生時代。時代もありますが、昔はコンビニや本屋さんで「週刊少年ジャンプ」(集英社)を立ち読みしていたんですよね。それで当時連載していた『TATTOO HEARTS』(集英社)という作品がめちゃくちゃ面白くて、毎週楽しみにしていたのですが、打ち切りになってしまって。単行本2巻くらいで連載が終わってしまいました。その時は「あんなに面白かったのになんでだよ!」と思うくらいだったのですが、大学生くらいに思い返してみたら「自分がお金を払って買っていたら変わっていたんじゃないかな」と気づいたんですよね。

あの頃、毎週のようにワクワクさせてもらっていたのに、たった数百円をケチってしまった。マンガよりハンバーガーを買うことを優先してしまった。僕一人がお金を出したところで変わらなかったかもしれないけど、お金を出すという読者ができる意思表示を積み重ねていたら、続きが読めていたかもしれない。自分がバイトをし始めてから、ようやく気づいたんですよ。そこからは「いいな」と思った作品は絶対に買うと決めました。
後悔がきっかけだった、と。
そうなんですよ……。もちろん美味しいご飯にお金を使いたい気持ち、お金を貯めたい気持ちもわかります。だけど、それだけでは満たされないワクワクもある。急を要するものでもないからと後回しにしていると、気づいた時には無くなっていて、そのワクワクを得られないかもしれない。

無理する必要はないけど、できるだけワクワクを感じたその時に「ワクワクさせてくれてありがとう」「これからもワクワクさせてください」という意思表示や日々頭と肉体を駆使して我々に楽しみを提供してくれている作者の方たちへの感謝の気持ちを伝えるためにも、お金を出すことは大切です。

だから僕は、“にわか”という言葉が好きではなくて。一緒に作品を盛り上げる一員、作者の方に最後まで走り切ってもらうことを応援する仲間です。そこに歴や知識の浅さは関係ないと思っています。

食わず嫌いの自分を変えた、『恋空』の教訓

マンガを読むようになったきっかけを教えていただけますか?
小学1〜2年生の時に、小学校の図書室に手塚治虫さんの『火の鳥』(学童社など)『ブラック・ジャック』(秋田書店)が置いてあったんですよ。それを見つけた時に「学校でマンガを読んでも怒られないんだ!」と。自分の中では革命的な出来事でした(笑)。そこからマンガを読むようになりましたね。

また、図書室だけではなく、近所の公民館にもマンガが置いてあって。当時は『ONE PIECE』や『SLAM DUNK』(ともに集英社)が人気だったのですが、そういう流行り作品が公民館にはずらっと並んでいたので、公民館に入り浸って流行りのマンガを読む幼少期を過ごしていました。
最初に自分で買ったマンガは覚えていますか?
「月刊コロコロコミック」(小学館)だと思います。頑張ってお小遣いを貯めて買った記憶がありますね(笑)。当時連載されていた『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』『ポケットモンスター』『ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん』とかを読んでいました。
前田さんは野球少年の幼少期を過ごされていますが、当時から野球マンガも読んでいたんですね。
野球マンガはほとんど読んでいると思います。王道の名作である『ドカベン』(秋田書店)『巨人の星』(講談社)はもちろん、それこそコロコロコミックで連載されていた『ドラベース ドラえもん超野球外伝』(小学館)とか。クロえもん率いるチームとシロえもん率いるチームが、1試合につき3つまでドラえもんのひみつ道具を使って野球をするというめちゃくちゃな設定が面白かったんですよね(笑)。


やはり好きなマンガのジャンルは「野球」や「スポーツ」なのでしょうか?
昔は野球マンガと流行っている作品だけしか読んでいなくて。学生時代は食わず嫌いなところがあり、中でも「少女マンガは読まない!」と思っていました。でも今はジャンル問わず読んでいますね。
ジャンル問わず読むようになったのには何かきっかけが?
マンガではないのですが、中学生くらいの時に携帯恋愛小説がすごく流行っていたんです。最初は小説なのに縦スクロールで横文字だし、大体どちらかが病気になって死ぬんでしょ?と思っていて……(苦笑)。だけど中学3年生の時に彼女ができて、たまたま映画の無料券があるからとデートで『恋空』を見に行ったんですよ。

それまでは斜に構えて「どうせこんなものだろ」と決めつけていたのに、見てみると俳優さんの演技力の高さやきれいな映像などが相まって、すごく面白く心動かされました。見る前・読む前に作品に対して決めつけたり入口を狭めたりするのはやめようと決めたんです。その教訓から、少女マンガはもちろん、女性向けのマンガや児童マンガを読むこともあります。
以前、TV番組で『女の園の星』や『違国日記』(ともに祥伝社)といった女性向け作品を紹介していたのが印象的でした。
最近のマンガはジャンル関係なく、どの作品も本当に面白いというのも大きいですね。「どうせこうなるだろう」と思って読んだ作品も、しっかり裏切られる。王道のジャンルや設定だとしても、どこかしらマイナーチェンジしている作品が多くて。それぞれの作品にそれぞれの楽しみ方があるんですよね。ストーリーがコミカルで楽しい、登場人物に共感できて感動する、反面教師になって学びになる、とか。伏線回収できる作品が流行ったりしますけど、伏線がない作品でも作者の意図を考えるだけで面白い作品はたくさんあって。面白くないマンガはないんですよ。

「流行っている作品を読めばいいや」「自分はこのジャンルが好きだから、このジャンルだけ読めばいいや」というのも分かるけど、好きなものばかり食べ続けていても飽きてしまうと思う。実はそれ以上に美味しいものがあるかもしれないのに、それに気づかず生きるのはもったいないなって。だからこそ、食わず嫌いせずになんでも読んでみようと思っています。
ちなみにwebtoon(縦読みマンガ)を読むこともありますか?
人気の作品は読むようにしています。webtoonは紙の書籍になっていない作品も多いので、電子ならではの楽しみの一つでもあると思っています。
今回、LINEマンガで配信中の人気webtoon作品からイチ推しを2作品ピックアップしていただきましたが、なんでもLINEマンガからのおすすめリストの作品を全てを読んでいただいたとか……。
知っている作品も多かったので、この機会だしせっかくなら全部読むか!と思って読んでみました(笑)。

王道と斬新が掛け合わさった『喧嘩独学』

1作品目は『喧嘩独学』をあげていただきました。第25回⽂化庁メディア芸術祭・マンガ部門「審査委員会推薦作品」に選出された作品です。本作を知ったキッカケはなんだったのでしょうか?
最初はSNSの広告で見かけたのだと思います。「動画配信サービスを使って喧嘩が強くなる」という売り文句で、今時の動画配信をしているキャラクターが主人公なのかなと気になって読みました。それが『喧嘩独学』のイチ推しポイントの一つでもあって。主人公や登場人物たちが動画配信サービスを使っているとか、動画配信者が登場する作品はこれまで多々ありましたけど、主人公も登場人物もみんな動画配信者と動画配信に振り切った設定の作品はなかったなと。

今時の設定をいち早く取り入れていることから、ほかの作品にはない“新しさ”を感じて楽しませてもらっています。さらに、新しさだけではなくマンガとしての“エンターテインメント性”もしっかり担保しているんですよ。
エンターテイメント性、ですか?
例えば、『ベスト・キッド』という映画がありますが、いじめを受けている主人公が、そいつらを見返すためにカンフーの達人の弟子になり、強くなって返り討ちにするストーリーです。そういう“いじめられっ子が成長していく作品”の持つ面白さってエンターテイメント性があると思うんですよ。その面白さを軸に、“動画配信”という今時の要素を取り入れている。これまでは知る人ぞ知る道場や達人からしか得られなかった強くなる方法を、誰でも見ることができる動画配信サービスから学べるって斬新ですよね。

さらに、いじめられっ子の成長物語って、基本的にはいじめっ子を返り討ちにしたらそこで終わりだったじゃないですか。だけど『喧嘩独学』はそれで終わりじゃない。喧嘩に勝って、動画配信で成功しても、物語が続いていくんですよ。成功を重ねてしまったからこそ、調子に乗ってしまう様も描かれているという。
マンガというフィクションのコンテンツなのに、現実世界にすごく寄り添ったリアルさがあります。ここまで描かれる作品はあまりなかったかもしれません。
その“リアルさ”もイチ推しポイントの一つです。『喧嘩独学』の主人公は家が貧乏で、クラス内のヒエラルキーは最底辺、「いじめられないことが幸せだ」と思っていた。そんな主人公が動画配信を始めたら、あれよあれよと登録者数が増え、お金が稼げるようになっていく。そして、鼻が高くなり調子に乗っていく。若ければなおさらそうなるかもしれない。学生時代に劣等感を持っていて平凡であれば十分だったのに、急に名声を得てしまったら浮ついてしまうなって思いました。

何も考えずに読んでいるだけなら「こいつ何浮ついているんだよ……」と思うかもしれないけど、自分がもしその立場に身を置いたらと考えると「あなたもゼロじゃないよ」と言われているように感じて。それが『喧嘩独学』の面白さだと思います。
『喧嘩独学』を読んでみる

一番感情移入した、『喧嘩独学』のイチ推しシーン

『喧嘩独学』で特に印象に残っている話やシーンはありますか?
一番感情移入したのは6話ですね。主人公の(志村)光太がバイト先の同僚で店のアイドルでもある朝宮(夏帆)とデートをするのに、動画配信で稼いだお金でめちゃくちゃ背伸びをして15万円くらいする高級ジャージを買うんですよ(笑)。光太は母子家庭で入院中のお母さんに代わって、バイトを掛け持ちしながら生活費を稼いでいるような子なのに、動画配信を始めてお金を得たことで見栄を張れるようになってしまった。

その話を読んだ時、「おいおい、何やっているんだよ」と思ったのですが、よくよく考えてみると実は人間の深い心理を描いているなと。高級ブランドは縁のない人生だったけど、意中の女の子からデートに誘われて、周りの人たちに「いい服を着た方が良い」と焚きつけられ、しかもお金を持っていたら……たぶん自分も同じことをしてしまうかもしれない。
©PTJ cartoon company・金正賢スタジオ/LINE Digital Frontier
先ほどお話されていた“リアルさ”が描かれているシーンですね。
自分もいろんな条件が重なってしまった時、普段なら絶対にしない選択を取ってしまう可能性もある。なんなら無意識のうちにそういう経験があったかもしれないと改めて考えさせられるシーンでした。

ほかにも喧嘩の強さや登録者数の多さなどのステータスが人を評価する一つの軸になっているようなシーンもあって。そういう数字だけで相手に対する印象が変わるんですよ。もし自分が学生時代にクラスにインフルエンサーみたいな人がいたら同じように思えていたか分からないなって。
身近にそういう人がいたら、無意識にでも気にしてしまうことはありそう……。
必要以上に「何がインフルエンサーだよ」と思っていたかもしれない。憧れて「自分もインフルエンサーになりたい」と思っていたかもしれない。逆に「インフルエンサーなら友達になりたい」と思っていたかもしれない。マンガだから誇張はされているけれど、現実世界で実際にある要素をテーマに据えているのですごくリアリティを感じます。そういうお話が『喧嘩独学』の中にはたくさん描かれているんですよね。毎回楽しんで読んでいます。
『喧嘩独学』を読んでみる

ファンタジーだけど“リアル”な『外見至上主義』

続いて2作品目には『外見至上主義』を挙げていただきました。Netflixシリーズとしてアニメ配信が決定するほど、話題の作品です。
めちゃくちゃ面白いんですよ……! 周りから「不細工」と言われていじめを受けている主人公が、すごく容姿の整っている肉体を得て、元の肉体と行き来するという話なのですが、自分自身がビンタを食らう気持ちになる作品です。
『喧嘩独学』とは異なりファンタジー要素の強い設定ですが、思わず共感してしまうんですね。
卑屈になるばかりで外見に対して何の努力もしてこなかった人間が、ふと目覚めたら男前の肉体を手に入れてしまったという設定の面白さはもちろんあります。それ以上に、中身は同じ人間なのに外見が違うだけで周りの人たちからの評価も自分の意識も変わるところがすごくリアルで面白いんですよ。

みなさんが知っている『美女と野獣』もですが、容姿に関する作品はこれまでにもいくつかあると思います。そういう作品群でも見た目によって他者から受ける態度や対応が変わることが描かれてきました。見た目の良し悪しで好意的に捉えられたり、否定的に捉えられたりする。寄ってくる人間も変わる。それが露骨すぎるくらい如実に描かれているのが『外見至上主義』ならではの推しポイントでもあります。
ここまで“外見”について露骨に描かれている作品はあまりないですよね。
はい。しかも、表面的には外見の問題をコミカルに描いていたり、外見を見下しているやつに一泡吹かせるような気持ちよさもあったりする。だけど、それだけが『外見至上主義』の魅力ではないんだよなと。人それぞれ外見的な好みや感じる価値は違うと思うのですが、それによって無意識のうちに人を判断してしまう瞬間って誰しも経験しているはず。

僕自身、男性アイドルも好きなのですが、ああいうキラキラしたアイドルの方と、いつもつるんでいるような芸人たちが同じ言葉を言ったら、同じ意味として受け取れるか分からないなと思ってしまう。アイドルの方が言った言葉には「わざわざ自分にこんな言葉をかけてくれるなんて」と思っちゃいそうだけど、芸人仲間の言葉には「こんな言葉をかけてくれるなんて」とは思わないだろうって。人を見た目で判断してはいけないと理解しつつ、自分にも無意識のうちに見た目で判断している時があるな……と思わされる作品です。
本作では見た目だけでなく、地位の高さや腕っぷしの強さなど表面的な部分で人を評価するシーンも多く描かれています。
そうなんですよ。顔がイケメンか不細工か、身長が高いか低いかという見た目的な評価は入り口でしかなく、徐々に実力や地位なども見られるようになってくる。高い服を着ているか、有名人と知り合いか、とか。理性とは切り離された人間の本能的な価値観がすごくむき出しに描かれている。「自分は絶対に違う」とは思えない。そういうところに、いい意味で作者の方の性格の悪さを感じますね(笑)。
『外見至上主義』を読んでみる

 

究極の反面教師! 『外見至上主義』のイチ推しシーン

では、『外見至上主義』も特に印象に残っている話やシーンを教えていただけますか?
「遠足回」(132〜141話)がすごく印象に残っていますね。いろんな学校が集まる遠足に主人公(長谷川蛍介)が行ったら、毎回のごとく他校のやつらにバカにされるんですよね。そんな中、遠足場所のテーマパークでたまたまやっていたアイドルショーに蛍介と面識のあるアイドルグループが出演していて、蛍介を「一緒に踊ろう!」とステージに誘うシーンがあって。バカにしていたやつらがそれを見た瞬間、「あの人と友達なの!?」と手の平を返すという。このシーンは特に作者の方の性格の悪さを感じます(笑)。

たしかに、僕も学生時代に周りで「テレビに出ている人と友達だよ」と言っている子がいたら、その子の価値は何も変わっていないはずなのに一目置いちゃう可能性もあるなって。「誰と誰が仲が良いからすごい」と思うことは、内面で人を見ていない証拠だよなって。何をもって人を判断しているのか改めて自分自身に問われる。読み手がすごくチクチクするようなことを、わざわざ描く性格の悪さがすごくいいなと思いました(笑)。
©T.Jun/LINE Digital Frontier
耳が痛くなるようなシーンですね……。
ここまで読み手の痛いところをついてくる作品って今までなかったからこそ、ランキング上位だったりアニメ化になったりするのだろうなと思います。ただのファンタジーでもコメディでもない。外見のいいやつらに対するひがみだけでもない。どんでん返しの気持ちよさだけでもない。考えさせられる作品だから、逆に何も考えずに読んだらもったいない作品でもありますね。
自分と照らし合わせて読むと、より面白さを感じられると。
一歩踏み込んで「こういう自分は嫌だな」「そういう評価をしていたかもしれないから、意識的にそういう選択はしないようにしよう」と考えながら読むとハッとさせられることは多いと思います。究極の反面教師みたいなマンガです(笑)。自分に置き換えて読むことが好きな人にすごくオススメの作品です。
『外見至上主義』を読んでみる

日々の楽しみの入り口に電子コミックがいる

電子コミックやwebtoonならではの良さは、どんなところにあると感じていますか?
いくつかありますね。まず、かさばらないところ。例えば、友達にマンガを紹介するという点で紙は少し難易度が高いんですよ。おすすめのマンガを貸す時、紙の場合は重い思いをしながら数十冊持ってきて、友達にも重い思いをして持ち帰ってもらわないといけない。それもそれで趣があっていいんですけどね……! ただ、電子コミックならアプリさえダウンロードしてもらえれば、「おすすめだから試し読みしてみてよ」と紹介がしやすい。
「とりあえず数冊読んでみて」と「とりあえず数話読んでみて」だと、読むハードルの高さも変わりますもんね。
好みじゃなければ試し読みで終わりますし、続きが読みたければ借りるのを待たずして自分のペースでも読めますしね。
同じく、かさばらないからこそ、電子であれば旅行に行く時も移動中も読むことができるという利便性の高さがある。僕自身、紙で育ったので、やっぱり紙が大好きなのですが、電子はそういう良さがあるなと思います。ほとんどの電子コミックは1話無料や試し読みができるので、「好みの作品を見つける」という点でハードルが低いと思います。

自分の好みのジャンルがわからないマンガ初心者の方にも、色々読み漁ってしまったマンガ好きな人にも良い入り口になっているので、電子コミックは誰に対してもおすすめできると思っています。
マンガ愛を感じるお話が聞けたところで、最後に改めて前田さんにとってマンガとはどんな存在なのかお聞かせください。
生きる楽しみであり、人生を豊かにしてくれるもの。連載中の作品は定期的に楽しみを提供し続けてくれるし、完結している作品もまだ出会えていない作品に出会う楽しみを提供してくれるんですよ。好きな作品の更新やまだ見ぬ作品との出会いがあることで、本当に毎日楽しみを感じています。

毎日の楽しみをつくる点においても、電子コミックはいい入り口になっているんですよね。毎日のように何かしらの作品が更新されていたり、新しい作品が追加されていたりする。電子コミックのおかげで、より手軽にマンガが楽しめるようになったと思います。

そんな楽しさを提供してくれているからこそ、楽しませてもらった分だけ「ありがとう」の気持ちを込めて、さらに作者の方たちが終わらせたい形に向かって最後まで走り続けてもらうためにも、僕はお金を払いたいと思う(笑)。それが自分の未来の楽しみをつくることにも繋がりますからね。自分が惜しみなくお金を出し続けることで、ワクワクをずっと得ることができる。「この作品を買うために仕事頑張ろう」というモチベーションにも繋がっています(笑)。
『喧嘩独学』を読んでみる


『外見至上主義』を読んでみる

 
[PR企画:LINEマンガ×ライブドアニュース]
前田裕太(まえだ・ゆうた)
1992年8月25日生まれ。神奈川県出身。B型。
2015年、高済美高校野球部の同期生である高岸宏行とコンビ「ティモンディ」を結成。ツッコミ、ネタ作り担当している。趣味はサッカー観戦、読書。特技は勉強、野球。