高知東生さん(左)と橋爪遼さん(撮影◎初沢亜利)

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依存症問題の正しい啓発に貢献したメディアを表彰

2022年10月4日、東京・大手町の日経カンファレンスルームで、「依存症の正しい報道を求めるネットワーク」主催のグッド・プレス賞2020(雑誌部門)の授賞式が行われました。コロナの影響もあり、2019年~2021年度までの3年分の、薬物やギャンブル、ゲームやアルコールなど、さまざまな依存症を扱った記事とメディアが表彰されました。

【写真】事件後初めてメディアに登場した橋爪遼さん

「依存症の正しい報道を求めるネットワーク」は、2016年7月、依存症関連の市民団体、当事者団体、家族、治療者、研究者らの有志によって結成。

メディアが依存症について紹介する際、まだまだ理解の浅い画一的な見方で報道するという現状もあります。その中で、依存症の本質に迫り、当事者と家族の大きな助けとなる報道をし、依存症問題の正しい啓発に貢献したメディアを表彰する目的でつくられたのが「グッド・プレス賞」です。

同じ悩みをもつ「仲間」の存在

第一部では新聞、テレビ、雑誌、デジタルなど19のメディアへの表彰が行われ、第二部では、「芸能人の薬物事件 〜報道のあり方を考えよう!〜」と題し、当事者と専門家の座談会が行われました。

特別ゲストに、2017 年 に覚醒剤取締法違反(所持)の現行犯で逮捕された俳優の橋爪 遼氏を迎え、高知東生氏 (俳優)ファシリテータの松本俊彦氏(国立精神 神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 部長)、田中紀子氏(公益社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会 代表)が登壇。

橋爪遼氏が事件後メディアの前で語ったのは、今回が初めて。

「現在の心境や生活」「なぜ覚せい剤を使用したか」などのストレートな質問にも、現在も自助グループに参加しながらアルバイトをしていることや、当時の正直な気持ちについて真摯に語りました。 若い頃には合法のドラッグを使用していて、「これをやってるならこれも大丈夫…」と考えてしまったそう。

高知氏も、橋爪氏も、事件当初はひたすら謝ってばかりだったり、周囲の言葉を信じられなかったりしたものの、回復していく過程には、同じ悩みをもつ「仲間」の存在や助けが大きかったと言います。専門家の立場からも、「再起をさせない社会は意味がない」「元いた場所に戻り、かつての夢を追いかけられることが必要」などの意見が出され、和やかな雰囲気で会は終了しました。

社会もメディアも、依存症について正しい理解をし、当事者に接していくことが必要となります。高知氏、橋爪氏は今後も、薬物依存の啓発のために活動をしていく予定です。