2017年頃まではアップル、ファーウェイ、ASUSの三つ巴状態が続いていた
タブレット市場。しかし、2018年にASUSがシェア争いから脱落。一時はアップルと互角に戦っていたファーウェイも、米中貿易摩擦のあおりを受けて19年ごろからシェアが激減。以降、アップルが6割前後のシェアを維持する展開が続いている。足元では、コロナ禍特需ともいえる20年は好調に推移したものの21年以降は前年割れ基調。過去13カ月の販売台数で前年を上回ったのはわずか3回だけという現状だ。
8月は4カ月ぶりに販売台数前年比が102.3%と前年並みに戻してきた。しかしトップ3の一角NECが大きく前年を下回り、市場全体の足を引っ張っている。一方で、上位3社以外のメーカーを合算した「その他メーカー」の前年比では、5月以降4カ月連続で前年比増を続けている。日本の
タブレット市場から一旦撤退していたサムスンが、この4月に新製品で再参入した影響だ。メーカーシェアはまだ1%台だが、今後に期待だ。その他、新たに参入するメーカーも徐々に現れ始めている状況で、市場が上向く可能性が高まっている。
OPPOも新規参入組。9月30日、新製品の発売とともに日本の
タブレット市場に登場した。その名も「
OPPO Pad Air」。どこかで聞いたことがあるようなネーミングだが、本家さながらにと薄くて軽く使い勝手がいい。ただ、GPSは搭載せずWi-Fiモデルのみで、外出先で地図アプリなどは使えない。「位置ゲー」の代表格ポケモンGOはインストールすらできない。主に自宅等で動画視聴などに利用することを想定しているようだ。ややスペックが中途半端な点は残念だが、キャリアフリー
スマートフォンでは、アップルに次ぐ2番手までシェアを上げ、すっかり日本市場に浸透した同社。日本の
タブレット市場活性化にも貢献しそうだ。(BCN・道越一郎)