祖父江さんたちがお世話をしている猫ちゃんたち(祖父江さん提供)

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夫婦で運営する2階建てバスの保護猫カフェ「ひだまり号」(名古屋市西区、オーナー祖父江吉修さん)がこのほど、第6回「川島なお美動物愛護賞」で「エンジン01動物愛護・ワンダフル・パートニャーズ賞」を受賞しました。

【写真】保護猫カフェひだまり号を訪れた「動物愛護委員会」委員の鎧塚シェフ

同賞は、各分野の著名人で構成されるボランティア団体「エンジン01文化戦略会議」の「動物愛護委員会」(湯川れい子委員長)が主催。長年にわたって活動された俳優の故・川島なお美さん(享年54歳)の遺志を継承して設立された「川島なお美動物愛護基金」が、犬・猫の愛護に関わることで多大な貢献をしている、あるいは地道な活動を続けている個人や団体を表彰しているもの。

受賞した「ひだまり号」は祖父江さん夫婦が2階建てバスを改装して2018年8月に開店。オープンから4年ほどにわたり、約350匹の保護猫を里親に送り出してきました。新型コロナウイルス流行のあおりを受け、一時はお客さんが激減するなど運営危機に直面・・・何とか乗り越えながらの今回の受賞となりました。オーナー祖父江吉修さんの妻、昌子さんに受賞の経緯や喜びの声を聞きました。

動物愛護委員の鎧塚シェフがカフェに訪れ推薦を決めた

――今回推薦されたのは川島なお美さんの旦那さんで動物愛護委員会のメンバーでもあるパティシエの鎧塚俊彦さんとのこと。受賞の経緯は?

「6月に鎧塚シェフがひょっこりうちのカフェに来てくださいました。以前から私たちのホームページなどを見てくださっていたようで、名古屋に立ち寄った際に一度行ってみたいと思っていたそうです。カフェでは猫たちが寄ってきてスリスリしたり、ゴロゴロしたりしてなでてもらっていました。目尻を下げてかわいいかわいいと言っていましたね。どの子も『かわいい。連れて帰りたいな』と言ってくれて(笑)。また『普段は出張が多くかわいそうなことをしちゃうから飼いたいけど飼わない』ともお話してくれました。

赤ちゃん猫や病気の猫たちがいる専用のシェルターもご案内したのですが・・・『こんなにたくさんの猫がいるのに部屋がすごくきれいで匂いも全然しなくて、日ごろから丁寧に取り組んでいらっしゃることがよく伝わります』と褒めてもらって。そのときに賞に推薦したいとのことをお声掛けしていただきました」

――9月24日、東京都内で行われた授与式にご夫婦でご出席されましたが、いかがでしたか。

「名誉ある賞をいただき、とても感激しています。保護猫カフェを始めたきっかけは、人生の“真っ暗なトンネル”に入り込んでしまった私を救い出してくれた1匹の赤ちゃん猫との出会い。実は9年ほど前に23歳の息子を突然亡くしたショックで、3年半ほど家で引きこもっていました。飼い猫のかかりつけの獣医さんから『赤ちゃん猫を育てないか?』と言われ、預かり育てることになったんです。身の回りのことも自分ではできずにいた私でしたが、この子猫のためにだったら世話ができると思うようになり、少しずつ前向きになってきて。私たち夫婦は猫に恩返しをするつもりでひだまり号を“発進”させました。

そして、これまで殺処分ゼロを目標に1匹でも多くの命を守り、病気の猫とも真っ正面から向き合ってきました。FIP(猫伝染性腹膜炎)という難病の病気も借金をして20匹余り救って参りました。ひだまり号は夫婦の経営なので、人を雇うお金もありません。ただ、たくさんのボランティアの方々がお手伝いをしてくださっています。受賞できたのも、そのボランティアの方たちのお力添えがあってのこと。感謝しています」

今後も「初心を忘れず猫たちと向き合っていきたい」

――今後の抱負は?

「一時はコロナ禍で売上が半減するなど運営が厳しくなったりと紆余曲折いろいろなことがあり、辞めようと思ったことが何度かありました。本当に苦労の連続でしたが、鎧塚シェフをはじめ、委員の皆さまからこのような賞をちょうだいしたことで苦しかった毎日が報われたような気がしております。現在カフェとシェルターに合わせて50匹以上の猫たちがいます。これからも初心を忘れず一生懸命猫たちと向き合って活動を頑張っていきたいと思います」

今回受賞されたのは、下記の通り。
「エンジン01動物愛護・川島なお美賞」(1組)
・さかがみ家 (坂上 忍 氏)
「エンジン01動物愛護・ワンダフル・パートニャーズ賞」(4組)
・犬童 一心 氏 (映画監督/映画「ハウ」)
・有動 敦胡 氏 (一般社団法人ぼいす 代表理事)
・パナソニック株式会社 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」マーケティングチーム
・保護猫カフェひだまり号

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 「ひだまり号」では、保護猫たちの里親さんを募集しています。実際に「ひだまり号」に来店し、猫と触れ合って決めていただきたいとのこと。お電話にてお問い合わせください。

▽保護猫カフェ「ひだまり号」
愛知県名古屋市西区香呑町(こうのみちょう)3-74
電話:052-522-6295
営業時間:11:30〜20:00(最終入店:19:00)
定休日:毎週水曜日、木曜日

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)