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前半、試合を優勢に進めたのはエクアドルだった。
エクアドルはアメリカと違い、バックラインにしっかりボールを持てる選手がいるのが特徴的と言えるだろう。戦術的に攻守のバランスがよく、練度の高さを見せた。日本のプレスを回避すると、ポゼッションを高めつつ、ゴールにも迫った。いくつか獲得したCKからの空中戦でもアドバンテージを得て、日本を苦しめている。
しかし、エースFWのエネル・バレンシアを温存していたこともあったのか、得点力は高いと言えず、先制点は奪えていない。
日本はアメリカ戦同様、前線の選手が果敢にプレスに行った。しかし、うしろがラインを上げられず、次第に間延びしていった。中盤の選手も、前とうしろを連結させるようなインテンシティはなく、しばしば空中戦でも敗れており、ボールの出どころにもなっていない。たまらず南野拓実が下がってボールを受けようとしたが、それも効果的ではなかった。
前半、相手のミスからペナルティエリア内でパスカットした古橋亨梧が決定的シュートを放つシーンはあったが、相手をほとんど一度も崩せていない。これは大いに論ずべき点だろう。なぜなら前線の選手の責任だけでなく、チーム全体の問題だからだ」
エチャリはそう言って、前半の出来に関しては厳しい評価を与えている。
「後半も、大きな流れは変わっていない。選手同士の距離感はむしろ悪くなる一方だった。上田綺世には長いボールが入ったが、問題は解消されていない。
遅まきながら好転したのは、後半22分だった。
鎌田大地、遠藤航のふたりを投入してから、守備が安定し、攻撃に軸が生まれている。特に鎌田はボールを受けると、的確に持ち運び、ピッチを広げ、深みを与え、プレーを活性化。そのおかげで南野、上田、堂安律などがシュートシーンを迎えている。
しかし80分、相手に押し込まれると、谷口彰悟がたまらずエリア内で相手の選手の足を引っかけ、ファウルを犯してしまう。やや軽率なファウルだった。これで与えたPKを、GKシュミット・ダニエルがすばらしいシュートストップをした。シュミット・ダニエルはハイボールをこぼす場面もあったが、窮したチームを救ったと言える。
結果として、スコアレスドローは妥当だろう。しかし、日本は攻撃の形を作れない時間が長く、相手に決定機を与えた数も多かった。課題が出た試合になったと言える」
そう分析したエチャリは、ポジティブな面を探すように、最後にこう締めくくっている。
「鎌田、遠藤の投入で攻守がかみ合うと、日本がいいプレーを見せたのは紛れもない事実である。今回は違ったが、酒井宏樹のように、コンディションさえ上がったらもっと頼りになる選手もいる。2試合を完封したことに関しては、肯定的に捉えるべきだろう。
しかしながら、アメリカ戦のリポートでも書いたように、攻撃はてこ入れが必要かもしれない。9番の選手が見つかっていないのは、由々しき事態だろう。もし私が代表監督だったら、南野をゼロトップのように使い、トップ下に鎌田を用いるだろうか。ただ、南野自身のプレーレベルがこの1年、下がり続けてきたのも事実である。
カタールW杯本大会まではカナダ戦を残すのみ。森保監督は大変な労苦で仕事をしてきたはずだ。最後まで、最善を尽くしたチーム編成を期待したい」