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ほかにも、投資する「時間」を分散させることも非常に重要です。定期的に同額の金融商品を購入する「ドルコスト平均法」という投資方法を行うと、株式など値動きのある金融商品を高値づかみしてしまう危険性を回避することができます。
具体的には、たとえば「毎月1万円ずつ投資信託を購入する」と決めて購入し、金融資産を積み立てていきます。すると価格が高いときは少量、価格が安いときは多量の投資信託を購入することになります。平均していくと、購入コストを抑えることができます。
自分であらゆる資産、地域、通貨を分散購入し、時間まで分散させるのは大変です。運用コストがかかりますが、少額から分散投資ができる「投資信託」の購入は一手です。毎月定額を自動購入できる投資信託や株式もありますので、資産運用に手間がかけられない人には利用価値があるでしょう。
リスクを回避しながら、面倒な時間をかけずに賢く資産を形成していきましょう。
◎投資信託は初心者も始めやすい
かつて株式や債券は一口当たりの購入金額が数十万円、数百万円単位となっており、資金のない個人投資家には購入のハードルがかなり高いものでした。そこで、少額からでも投資を可能にしたのが投資信託です。
投資信託にはたくさんの種類があります。
まず、投資対象は株式、債券、不動産などがあり、それ以外にも金や原油・小麦などの商品価値を対象にしているものもあります。投資初心者はまず株式や債券を対象にした投資信託を始めてみましょう。
投資信託の運用方法には、日経平均株価やTOPIX などの指数に連動して運用しようとする「インデックスファンド」と、それを上回る成果を目指す「アクティブファンド」があります。アクティブファンドのほうが利益の出る可能性がありますが、高利益を狙う分だけ手数料が高いのが特徴です。
一方で、投資信託のデメリットは、手数料がかかることと個別株などと比較すると大きな利回りが期待できないことでしょう。運用会社や管理会社へ「信託報酬」と呼ばれる運用管理費用や、中途解約時に「信託財産留保額」が必要になります。投資信託の購入時にも販売会社へ手数料がかかりますが、ノーロード型と呼ばれる購入時の手数料が無料の商品もあります。
投資初心者でも始めやすい投資信託ですが、なかでも「つみたてNISA」は安全性の高い投資信託のみ購入できる仕組みになっています。基礎知識を備えたら、まずは一歩踏み出すことから始めてみましょう。
◎絶対損したくない!投資信託の選び方
現在、日本で販売されている公募投資信託は5923本と非常に数が多く、いざ購入しようと思っても何を基準に選べばいいかわからないですよね。自分に合った投資信託を見つけられるように、選び方のポイントをご紹介しましょう。
商品を選ぶうえでは、どの資産をメインに購入している投資信託なのかを確認することが大切。商品によってリスクの幅やリターンの大きさは異なります。
配当金の有無も重要なポイント。毎月分配型などの配当金が定期的にある商品は一見魅力的ですが、利益が出ていない場合に投資した資金が元本から配当金に回されるため、気が付いたら元本がほとんどなくなってしまったとなる恐れがあります。利益が出たときだけ配当金が出るタイプか、配当金が出ないタイプのほうが、長期の資産形成には向いているでしょう。
個別のファンド銘柄については、投資家から預かっている資産総額を表す「純資産残高・総額」を要チェック。
純資産残高・総額が少額だと、途中でファンドの運用が終了して途中償還してしまう可能性がありますので、長期投資をするのであれば、ある程度純資産残高が潤沢にあるファンドのほうが安心です。
手数料などのコストも重要です。たとえば信託報酬は、ファンドによって大体0.05〜3%程度の差があります。運用されている財産から毎日差し引かれるため、数%の違いでも長期間運用すれば大きな差が出てきます。ちなみに、アクティブファンドの信託報酬のほうが比較的高くなります。
投資信託を選ぶときには、これらのポイントを「目論見書」で必ず確認してから購入しましょう。
(町田 萌 : FPサテライト株式会社代表取締役、ファイナンシャルプランナー)