そうして、奥田記者は前に行く馬をより重視。先手を奪うことが有力なシフルマン(牡6歳)に目をつけた。
「シフルマンは、前走の都大路S(5月14日/中京・芝2000m)で2番手から抜け出して快勝。初のオープン勝ちを決めました。安定して先行できる脚質で、今回の狙い目とマッチします。
3歳時にはGI菊花賞(京都・芝3000m)にも出走した素質馬ですが、その後はずっと足踏み。3勝クラスを勝ち上がるまでは、12戦を要しました。
それでも、オープン入り後は果敢に重賞にもチャレンジ。強豪相手に経験を積んで、着実に力をつけてきています。管理する中尾秀正調教師も、『ここをステップに、秋には大きなレースで(の活躍を)期待している1頭』と意気込んでいました。
小倉の舞台は、3走前のオープン特別・関門橋S(2月6日/小倉・芝2000m)での経験が一度あるだけですが、その際には逃げて2着と好走しました。鞍上もその時と同じ西村淳也騎手。中京記念ではベレヌスを勝利に導いていますし、今回も同様のレースができれば、残り目は十分にあると思いますよ」
やや成績にムラがあるものの、今年に入ってからは3戦1勝、2着1回。ハンデも背負い慣れた56kgとなれば、重賞での躍進があっても不思議ではない。
"荒れる"夏のハンデ重賞。今年は先手を奪って気分よくレースを運べそうなシフルマンが、オイシイ配当をもたらしてくれるかもしれない。