アプリによっては独自の最前面表示機能を備えるものの、複数アプリを併用する環境での固定化は、使いやすさの低下を招いてしまう
それ自体は当然の動作だと思うが、“常にメモを残したい”場合は面白くない。レジストリによる制御も考えたが、Win32アプリ以外にも、多様なアプリを利用するWindows 11の姿勢を踏まえると、過度なカスタマイズは妙なトラブルを招いてしまう。そこで目をつけたのが、Microsoft PowerToys(以下、PowerToys)の「常に手前に表示」である。
PowerToysはWindows 95時代やWindows XP時代から存在したパワーユーザー向けの機能群だ。各機能は必要に応じて取捨選択できるため、公式ドキュメントを参考に、今回利用する機能以外も試してほしい。なお、PowerToysはMicrosoft StoreやWindows Package Manager(winget)など、多くの導入方法を用意している。お好みの方法でインストールしてほしい。
通知領域などからPowerToysを呼び出し、「常に手前に表示」をクリック/タップする。アクティブ化のショートカットは「Win」+「Ctrl」+「T」キーで設定
「[常に手前に表示]を有効にする」のスイッチをONに切り替える。
これで機能有効化は完了だ。任意のアプリ(筆者の場合はテキストエディター)がアクティブな状態で、「Win」+「Ctrl」+「T」キーを押せば、アプリの最前面表示が有効になる。なお、キーバインドは変更できるが、他のアプリと衝突しない範囲でカスタマイズしてほしい。
アプリがアクティブな状態で「Win」+「Ctrl」+「T」キーを押すと、ピン留め(最前面表示)を示す境界線が現れる。画面の例では青い罫線だ
個人的に既定の境界線は太く感じるので、「太さ」のスライダーを調整した。図は4ピクセルだ
著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら