玉ねぎの甘味と鶏肉の旨味をまとめる絶妙に柔らかな半熟卵に/(C)関斉寛

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普段使いの食材や調味料で作るいつもの味に飽きてきたら、プロの技を試してみませんか?

お店の親子丼がおうちでできちゃう!ふわふわ卵に仕上げるコツを画像で見る

「美味しさには理由がある」「なぜ美味しくなるのか?」という考え方に重点を置き、和食の定番料理を中心にプロのコツを紹介してくれるのは、料理人の関斉寛さん。

味に差がつくひと手間を踏まえながら、家庭で極上の料理を作るコツをお送りします。

■ふわふわ親子丼

玉ねぎの甘味と鶏肉の旨味をまとめる絶妙に柔らかな半熟卵に

■主な旨味成分

鶏肉(イノシン酸)

玉ねぎ(グルタミン酸)

一番だし(イノシン酸、グルタミン酸)

◆材料(1人分)

鶏もも肉 70g

玉ねぎ 40g

卵 2個

温かいごはん 茶碗1杯分

〈煮汁〉

一番だし(作り方は下記参照) 100ml

濃口しょうゆ 20ml

みりん 15ml

砂糖 5g

三つ葉 お好みで

◆作り方

1 鶏肉は皮をはがして余分な筋、脂を除き、薄いそぎ切りにする。皮は粗く刻む。玉ねぎは食感を残すよう幅5mm程度に切る。卵はコシが残る程度に溶きほぐす。

2 フライパンに煮汁の材料を入れて沸かし、鶏肉の皮を加える(一)。旨味が煮汁に溶け出たら、玉ねぎを加えて弱火(二)にし、玉ねぎが透き通ってくるまで3分ほど煮る。

(一)鶏肉の皮を煮汁に入れ、脂の旨味をよく引き出す

鶏肉の皮を刻んで煮込み、脂の旨味をだしに溶かします。鶏肉と一番だしでうま味成分の掛け算になります。

(二)玉ねぎの甘味をゆっくりとだしに抽出する

玉ねぎの甘味もだしに移します。甘味を引き出すために弱火でゆっくり火を入れるのがポイントです。

3 鶏肉の身を加え、肉の色が変わったら溶き卵の半量を加えて火を強める。半熟状になったら火を弱め、残りの溶き卵を加えて(三)火を止めて蓋をし、半熟状になるまでひと呼吸蒸らす(四)。

(三)溶き卵は2回に分けて加える。半熟にするため

1回目は煮汁が沸いたところに加えます。2回目は弱火にして表面が固まる手前の半熟を目指します。

(四)火を止めて蓋をし蒸らすことでふわふわになる

蒸らして全体を湯気の熱で包みます。優しい熱で卵の表面がふわっと絶妙な半熟具合に仕上がるのです。

4 器にごはんを盛って3をのせ、お好みで三つ葉を添える。

■美味しいだしの取り方

■昆布だし

湯冷ましした軟水で、旨味を引き出す。

あっさりとした鍋物や煮物に

◆材料(作りやすい分量)

昆布 10cm角

水 1L

◆作り方

鍋で湯を沸かし、火を止めて人肌まで冷ます。ボウルに入れ、表面をさっと拭いた昆布を加え、冷蔵庫で一晩(8〜10時間)浸す。

湯冷ましした軟水に浸しておくと旨味が格段に違う。

■一番だし

澄み切った黄金色。

吸い物など、だし自体を味わう料理に

◆作り方

1 昆布は沸く前に取り出す

昆布だしを鍋に移し火にかける。60℃位で昆布を取り出して香りが飛ぶのを防ぐ。

2 アクをよくすくう

そのまま沸かしてアクをよく取る。雑味がなくなる。火を止め粗熱を取る。

3 温度を測る

温度が下がり、80℃になったら4の工程へ。1℃違うと風味が変わるので測る。

4 かつお節を加える

80℃になったら、かつお節を加え、沸騰しない火加減をキープし1〜 2分煮出す。

5 静かに流し入れてこす

ボウルにザルを重ねてさらしを敷き、 4をこす。かつお節は押さない。

6 冷蔵庫で2日保存可能

5のとき、ボウルに菜箸を渡して、その上にザルをのせるとこしやすい

■レシピを参考にするときは

・「旨味」とは、「素材が本来持つ美味しさ」の意味、「旨味成分」とは、たんぱく質を構成するアミノ酸(グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸)の意味で記載しています。

・特に記載がない場合は、砂糖は上白糖、塩は自然塩、酢は穀物酢、酒は清酒、みりんは本みりん、小麦粉は薄力粉、梅干しは塩分8%を使用しています。

・液体の5mlは小さじ1、15mlは大さじ1、200mlは1カップで計量できます。

・水溶き片栗粉は、片栗粉と水を1:1の割合で混ぜた分量を記載しています。

・黄ゆず、木の芽、白板昆布以外は、スーパーで購入した食材と調味料を使用しています。

・野菜類、きのこ、豆類、果物は、特に記載がない場合、洗う、皮をむくなどの作業をすませてからの手順です。

・フライパンは鉄、鍋はアルミの雪平鍋を使用しています。

・特に記載のない場合、火加減は中火です。

※本記事は関斉寛著の書籍『プロが教える和食の基本 素材の旨味を引き出せば究極に美味しくなる』から一部抜粋・編集しました

著=関斉寛/『プロが教える和食の基本 素材の旨味を引き出せば究極に美味しくなる』(KADOKAWA)