[8.10 ルヴァン杯準々決勝第2戦 浦和 3-0 名古屋 埼玉]

 埼玉スタジアム2002の大声援が2年半ぶりに戻ってきた記念すべきホームゲーム、試合を決めたのは幼少期からクラブを愛してきた“浦和の男”だった。「自分自身、小さい頃から埼スタに来ていて、あの声援をスタンドで感じてきて、あの中でプレーしたいと思ってプロに入って、この日を本当に楽しみにしていた」。そんな夢舞台を熱狂させる圧巻の2ゴール。浦和レッズMF伊藤敦樹がルヴァン杯タイトルへの次なる扉を開いた。

 カップ戦らしい拮抗した展開となった一戦。「苦しい展開の中で耐えるのは大事なことだったし、無失点を意識していた」。中盤の一角で攻守に粘り強さを見せていた背番号3は前半31分、チームにとってのファーストチャンスで結果を出した。

 ボランチの相方を務めるMF岩尾憲のロングフィードで布陣を押し上げ、セカンドボールを起点とした左サイド攻撃。MF松尾佑介がボールを持つと、迷わずゴール前に飛び込んだ。「佑介君が持った時にいいボールが上がってくると思ったし、本当に上がってきて、走り込んで勝てると思った」。ゴール前にふわりと浮き上がったクロスに対し、182cmの上背以上に高い打点で反応。見事なヘディングシュートをゴール隅に流し込んだ。

「身長はでかいけどあまりヘディングで合わせるの得意じゃない」という伊藤だが、7月30日のJ1第23節・川崎F戦(○3-1)に続いてのヘディングシュート。「ここ最近ペナの中に入っていく回数は多くて、意識もしている」というトライも実り、「強いヘディングではなかったけど、いいコースに飛んでくれたので入ってよかった」と笑顔を見せた。

 さらに1-0で迎えた前半41分、今度は岩尾からの左CKに対して「前日練習でやっていた」というサインプレーを繰り出すと、フリーの状態から左足ダイレクトで突き刺した。「ボールが来ているときに入りそうな感じが自分でもあった。ボールをしっかり待って、ミートすることができた」。スタンドを熱狂させる美しいボレー弾。伊藤自身も「本当に最近の調子の良さが出たと自分自身でも感じている」と手応えの残る一撃だった。

 このゴールが勝負を決定づけ、さらに終盤に1点を追加したチームは3-0で勝利。2戦合計スコア4-1で準決勝進出を決めた。試合後、ピッチ上で凱歌『We Are Diamonds』に包まれた伊藤は「熱い声援だったし、自分のゴールで勝利できて良かった」と喜びを表現しつつ、「本当にこの日を楽しみにしていた。夢見ていた光景だったし、鳥肌が立った」と感激した様子で話した。

(取材・文 竹内達也)