2011年、小池は学校とともに日本サッカー協会がエリート教育を行っている「JFAアカデミー福島」に通う中学3年生だった。
3月11日、卒業式のあとに大震災が襲う。小池は生活とサッカーの場を失った。その後、「JFAアカデミー福島」は静岡県に移転して活動を続けたが、葛藤もあったという。
「震災があって拠点が変わって、『自分たちだけサッカーをしていいのか』という心境もある中で、それでも福島で応援してくださるみなさん、アカデミー設立するにあたってご尽力いただいた方々にどれだけ貢献できるかというのは、いいニュースを与えたり、僕たちに関わってくださった方々に活力を与えられるかどうかだと思っています」
「それに尽きるからこそ努力を続けてくれましたから、自分が一番最初に代表の場に来られたと思うので、実際に努力してきた時間、背景は見えないと思いますが、努力が見えるようなプレーを見せたいですし、少しでも感じ取っていただければと思います」
しかも小池は「JFAアカデミー福島」を卒業した2014年、すぐプロ選手にはなれなかった。当時JFLに所属する山口に加入したものの契約はアマチュア。働きながらプレーを続ける日が続いた。
その後、山口はJ3、J2と順調にステップアップし小池もプロ契約を勝ち取って、2017年にはJ1の柏に移籍する。さらに2019年にはベルギーのロケレンに移籍した。ところが今度はロケレンが破産。それでも2020年、横浜FMに加入すると、ついに日本代表デビューまであと一歩まで近づいた。
「夢として設定する場所は日本代表、海外でのプレーでしたが、JFL、アマチュアでやっている以上、難しいというのは自分でもわかっていました。でもそこで何かを変えたり、諦めるというのは自分の生き方とは反するので、同じやり方、成長の仕方を証明したいと思っていました」
「その結果が今こうなっているので、自分の思い、人生の進め方だったり、僕しかできない部分もあると思いますが、少しでも知ってもらった中で、同じように取り組んでもらえる選手が増えたり、僕から感じ取ってもらえる、サッカー選手やアスリートじゃなくても同じように感じてもらえたらと思います」
7月19日(火) 6 - 0 香港戦
7月24日(日) 19:20 中国戦
7月27日(水) 19:20 韓国戦
【文:森雅史/日本蹴球合同会社】
※「JFAアカデミー福島」は2021年から順次福島に戻りつつある