1月の国内組合宿から参加している谷口は、1月31日の取材に「去年は『どうやれば代表に呼ばれるのだろう』ともがいていた」と打ち明けていた。
ワールドカップアジア2次予選では2021年6月のタジキスタン戦に交代出場しただけ。しかもその出場はヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の2017年12月E-1選手権で1試合プレーして以来だった。
だが27日の中国戦、2月のサウジアラビア戦という大一番に、吉田麻也、冨安健洋というレギュラー2人がいない守備ラインを板倉滉とともに支え、無失点で終える。吉田からも「ボールの持ち出し方を参考にしている」と言われるほどのプレーを披露し、今回、国内組だけの日本代表ではキャプテンを任されるまでになった。
今年になってから重用されている現状を“歳を取ったシンデレラボーイ”ではないかと問われた谷口は、笑顔を見せながら「今シーズンもある程度コンスタントに呼んでいただいて、自信が付いてきていると思ってます」と語った。
また代表メンバーに定着してきたことで「それに伴う責任というか、日々代表選手という目線でやっていくというのは成長の度合いが変わってくるというのを今シーズン実感しながらやっています」と言う。
ワールドカップ出場はすっかり射程圏内だと言えるだろう。「この大会を通してワールドカップを目指している選手しか来ていないので、野心というかギラギラ感は常に持っていますし、それをプレーに出していければという思いがあります」と谷口も認める。
その一方で「でも今はE-1選手権を3連勝して優勝して終わるというのに集中していて、それができれば先につながってくるのではないかと思っています」とキャプテンらしくチームの勝利に向けたコメントで答えを締めくくっていた。
【文:森雅史/日本蹴球合同会社】