一方、東口の西武
池袋本店については、セブン&アイ・ホールディングス(セブン&アイHD)が国内外のコンビニ事業に集中するため、運営元のそごう・西武の売却に向けた入札を実施すると伝えられ、先日、その続報として、ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」が優先交渉権を獲得したと報じられた。しかも、買収にあたり、家電量販店「
ヨドバシカメラ」などを運営するヨドバシホールディングスとの連携を視野に入れ、協議しているというのだ。
JR山手線の西側のターミナル駅、
池袋・新宿・渋谷と、東側の秋葉原には、
ビックカメラと
ヨドバシカメラの両方もしくは片方が出店し、
池袋東口には
ヤマダデンキも出店している。もし将来的に、
池袋にも
ビックカメラ、
ヨドバシカメラ、
ヤマダデンキ、ノジマがそろうとなると、JR埼京線・湘南新宿ラインで最短5分で行き来できる
池袋と新宿は国内有数の家電量販店競合エリアとなる。フォートレスの優先交渉権を獲得の報道を受け、SNSでは、さすがにオーバーストアではないかと危惧する声も上がっていた。
セブン&アイHDは、22年4月に開催した決算説明会で、グループの企業価値最大化を目的に、そごう・西武の事業の戦略的見直しを行うと発表したものの、決定した事項はない。また、
ヨドバシカメラ広報にこの件に関して問い合わせたところ、「コメントする内容はない」との返答だった。
正式発表までは全て憶測となるが、ECの普及や、自動車でアクセスしやすい郊外型店舗の人気の高まり(休日の電車利用離れ)といった外部環境の変化を受け、今後の成長性から、セブン&アイHDが百貨店という業態を見限った形のそごう・西武の売却問題がどのように決着するのか、引き続き注目だ。そごう・西武の関連会社となる雑貨専門店「ロフト」の扱いも気になる。(BCN・嵯峨野 芙美)