(※画像はイメージです/PIXTA)

写真拡大

世の中の離婚の約9割は夫婦間の協議離婚で成立しますが、合意ができない場合、「協議」→「調停」→「訴訟」と段階を踏んでいきます。今回は調停に進んだ場合の流れについて、世田谷用賀法律事務所の代表者、弁護士の水谷江利氏が解説します。

調停という場は、何をするところなのか

夫婦関係調整調停は、裁判官の判断に服する厳格な裁判の手続きとは異なり、話し合いを家庭裁判所の場に移し、調停委員を介して話し合いをする手続きです。

離婚そのものだけでなく、離婚後の子どもの親権者を誰にするか、親権者とならない親と子との面会交流をどうするか、養育費、離婚に際しての財産分与や年金分割の割合、慰謝料についてどうするか、など財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

どこに申し立てるかというと、申し立てる側が、原則として相手の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てます。

各地の管轄の裁判所のHPで、夫婦関係調停申立書の書式がダウンロードできるようになっていますのでご確認ください。

費用についてですが、裁判申立をするだけでは印紙代1,200円と、別途収める郵便切手代が数千円分あるのみ。弁護士に依頼した場合には、別途費用がかかりますが、これはあくまで「弁護士費用」ということです。

調停の一連の流れについて。家族は同席できるのか

裁判と違って、調停はあくまでも話し合いの場。双方が納得のいく解決ができるようにするのが目的です。ですので調停は、1回で結審することはまずありません。1回2時間程度、1.5ヵ月に1度ずつ期日を設けながら、話し合いを詰めていく手続きです。

調停自体は、裁判官と「調停委員」2名の3名から構成されますが、「裁判官」が出てくることはまれ。実際は男女各1名の「調停委員」が双方から交互に話を聞く方式になります。

男女の調停委員が調停室にて当事者を待っており、当事者から交互に話を聞きます。したがって、当事者同士がお互い対峙することはありません。

まず申立人待合室にいる我々申立人を呼び出して30分程度話を聞き、待合室に返して、次に相手方待合室にいる相手方を呼び出して同様に話を聞き、待合室に返します。

双方が言っていることを交互に伝達していくことで、話し合いの余地を探ります。

待合室に付き添いをいただくことはできますが、調停には本人と弁護士以外は入室できません。

離婚調停に弁護士は必ず必要か?

待合室でお見かけするパターンとして、弁護士と一緒に座っている方とご本人だけで座っている方と、大体半々くらいかと思います。調停に関してはご自身で対応することもできますし、手続代理人としての弁護士をつけて対応することもできるということです。

また、ご自身が感情の起伏が激しく冷静に対処できそうにない、相手方が過剰な主張をしている、財産分与や養育費など高度な判断を必要とするといった場合は、弁護士に相談されるのがよいでしょう。

筆者にご依頼いただいた場合、「調停手続きは可能な限り、弁護士とともにご当事者様にご同席いただきたいと思います」とお伝えしています。気持ちを整理して伝える上でも、ご本人がご出廷されたほうがよいかと思います。

調停委員には「判断権」があるわけではなく、裁判官室に待機している裁判官の指示のもとで調停を取り進めるのが調停の建前です。とはいえ、ここでは話を聞くのは裁判官ではなく調停委員ですので、調停の進行は調停委員の経験値、力量や価値観によるところが大きいです。

調停委員に事実認定をする権限はないのですが、調停委員によい印象を持たせることが、調停を優位にすすめる鍵となることは間違いないと思いますので、調停に臨む際は、万全の準備をして臨みましょう。