これまで行われてきた複数の研究により、楽観主義者は長生きなことが分かっています。そこで、一体なぜ楽観主義者だと長生きなのかや、生まれついての楽観主義者ではない人でも楽観主義者と同じ健康メリットを得る方法について、専門家が解説しました。

Do optimists really live longer? Here's what the research says

https://theconversation.com/do-optimists-really-live-longer-heres-what-the-research-says-184785

50〜79歳までの女性約16万人を26年間追跡する調査では、楽観主義者の女性はそうでない女性より全体的に長生きで、特に90代まで生きる可能性が高いということが分かりました。イギリス・ダラム大学で健康心理学を研究しているFuschia Sirois氏によると、この研究で特に興味深いのは「教育レベルや経済状況、民族、うつ病やその他の慢性疾患など、寿命に関する他の要因を考慮しても結果が変わらなかった」という点にあるとのこと。

この研究は女性だけが対象でしたが、男女両方が参加した別の研究でも、楽観主義者は寿命が平均して11〜15%長いことが確かめられています。

楽観主義者は寿命が平均して11〜15%長く85歳以上まで生きる割合が高いことが判明 - GIGAZINE

ではなぜ楽観主義者は長生きなのかというと、少なくともその要因の一部は健康的なライフスタイルが関係していると考えられています。楽観的な傾向と生活習慣の関係を調べた2018年の研究では、楽観的な人は健康的な食事をし、体を動かし、たばこを控える傾向が見られたことが分かりました。

しかし、16万人の女性が参加した前述の調査では、「楽観主義と長寿との間にある関係性のうち、ライフスタイルが占める割合は24%でしかない」とされています。つまり、楽観主義な人の寿命の長さには、ライフスタイル以外にもさまざまな要素が関係しているということです。

ライフスタイル以外の要因としてSirois氏が考えているのが、「楽観主義者のストレスへの対処法」です。Sirois氏によると、楽観主義者はストレスに満ちた状況に直面すると、そのことに正面から取り組む傾向があるとのこと。具体的には、ストレス要因に対処する方法を探したり、他の人にサポートを求めたり、「明るいきざし」を見つけてよりストレスが少ない捉え方をしたりするのがこれに当たります。

ストレスを感じると、ストレスホルモンと呼ばれることもあるコルチゾールが分泌され、心拍数や血圧の上昇、免疫系の機能低下など長期的な健康に悪影響な反応が起きて心血管疾患などのリスクが高まります。このことから、Sirois氏は「楽観主義者はストレスに対処することで、その悪影響からある程度身を守っているのかもしれません」と述べました。

楽観主義は、遺伝と幼少期の経験の両方によるものだと考えられますが、大人でも簡単なトレーニングで楽観主義的な考え方を身につけることができます。そのトレーニングの1つが、「最高の自分」、つまり目標を達成した未来の自分を想像してそれを文章にすることです。この時気をつける必要があるのは、目標は単なる希望的観測ではなく、前向きで合理的なものを設定する必要がある点です。また、将来のポジティブな出来事について考えるのも、楽観主義的な見方を高めるのに効果的とのこと。

理想の未来を期待していると、うまくいかなかった時にがっかりしてしまいそうですが、そうした問題は「自分がコントロールできることとできないことを区別すること」で和らげることができると、Sirois氏は指摘しています。楽観主義は思い通りにいったときに強化され、そうならなかったときに後退するので、定期的に最高の自分を思い描いてその達成に向けて少しずつ現実的なステップを踏むことが、楽観的な考え方を育むのに役立つそうです。

Sirois氏は末尾で、「もちろん楽観主義者になるのは口で言うほど簡単なことではありません。しかし、生まれつき楽観的になれなかった人にとっても、体を動かし、健康的な食事をして、ストレスを管理し、よく眠るといった健康的なライフスタイルを送ることは長生きへの近道です。さらにトレーニングで楽観的な考え方を身につけられれば、長生きのチャンスはより大きくなるでしょう」とまとめました。