女性主人公の名前が作品タイトルにつけられた韓国ドラマが4作品も放送中…それぞれの評価は?

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同時期に女性キャラクターが“タイトルロール”のドラマが4作品も放送されたことがあっただろうか。2022年夏、女性のワントップドラマで韓国ドラマ界が熱い。

【写真】女優ペ・スジ、意外すぎる「背中のタトゥー」

タイトルロールとは、表題役のこと。つまり、演劇ㆍ映画ㆍオペラㆍドラマなどで、タイトルと同じ名前の登場人物を指す。現在、タイトルロールを受け持った女優は、『なぜオ・スジェなのか』(原題、SBS)のソ・ヒョンジン、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ENA)のパク・ウンビン、『アンナ』(Coupang Play)のペ・スジ、『ユミの細胞たち2』(TVING)のキム・ゴウンだ。

過去にタイトルロールドラマを演じた女優は、『宮廷女官チャングムの誓い』のイ・ヨンエ、『がんばれ!クムスン』のハン・ヘジン、『私の名前はキム・サムスン』のキム・ソナ、『善徳女王』のイ・ヨウォン、『ファン・ジニ』のハ・ジウォン、『千秋太后』『インス大妃』のチェ・シラ、『チャン・オクチョン』のキム・テヒ、『力の強い女ト・ボンスン』のパク・ボヨンなどがいる。ただ同時期に、これほど女性のタイトルロールの様々なドラマが放映されることは少なかった。

一般的にタイトルロールドラマは、主人公一人に集中するワントップものとなるケースがほとんどだ。たった一人で責任を負い、作品を引っ張っていかなければならないが、引き受ける俳優は演技力だけでなく、知名度、相手俳優との調和、制作スタッフからの信頼、誠実性、責任感などが必要といえる。

現在放送中のタイトルロールドラマ4作品

ドラマのタイトルを主人公の名前に定める理由は明確だ。その“人物”だけに集中せよということだ。その人物に集中すれば、キャラクターの人生の歴史と痛みが見える。視聴者は自然にタイトルロールの主人公に感情移入し、熱中することになる。

現在放送中の4作品はどんなドラマ?

ソ・ヒョンジンが出演する『なぜオ・スジェなのか』は、成功だけを追求してきた冷酷なエリート弁護士が温かい感情を持った弁護士に変貌する過程を描いた作品だ。競争社会に暮らしている今日の視聴者は、ソ・ヒョンジンの演じるオ・スジェが、いつもしっかり立って自らを守ろうと全力を使っても一人で取り残されたとき、彼女の傷を垣間見て、共に胸を痛める。

善と悪を明確に分けることができない両面的な人物であるにもかかわらず、視聴者の心を奪ったソ・ヒョンジンの『なぜオ・スジェなのか』は、最高視聴率10%を超え、物語は終盤に向かっている。

(画像提供=SBS)『なぜオ・スジェなのか』ソ・ヒョンジン

パク・ウンビンが出演中の『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、自閉スペクトラム症の新人弁護士ウ・ヨンウが大型法律事務所で生き抜く姿を描く。ウ・ヨンウは天才的な頭脳を持っているが、自閉症であり、新社会人だ。

法律事務所の入り口にある回転扉を一人で通過できないウ・ヨンウは、自分の名前について「草冠のヨン(英)に福のウ(禑)と書くが、賢いヨン(怜)に愚かなウ(愚)のほうが似合うのではないか」と自責する。それでもウ・ヨンウは、すぐそばに普通のドアがあるにもかかわらず、回転扉に挑戦する。視聴者は、まさにそんなシーンでウ・ヨンウの人生の痛みを感じながらも応援し、共感するようになる。

子役出身で演技経歴27年目のパク・ウンビンは、6月29日に公開された第1話で細かいディテールから瞳・指の動きまで徹底的にキャラクターを表現し、一気に『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を話題のドラマに浮上させた。

(画像提供=ENAチェンネル)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』パク・ウンビン

ペ・スジが演じる『アンナ』は、些細な嘘から完全に他人の人生を生きることになった女性の話を盛り込んだ。誰にでも成功に対する欲があるように、思いがけずほら吹きのように嘘をついたことが雪だるまのように増え、苦境に立たされている人物の物語は、視聴者に他人事ではないように感じられる。

アイドル出身の女優ペ・スジは、大きな挑戦をした。人気スターであるペ・スジの初のタイトルロールドラマという点で話題を集めたが、彼女の知名度がすべてではないという評価を受けている。ペ・スジは劇中、ユミとアンナという2つの名前と人生を持つ人物を引き受けており、その両極端な人物を見事に表現している。

(画像提供=Coupang Play)『アンナ』ペ・スジ

キム・ゴウンの『ユミの細胞たち』は、細胞と一緒に暮らして成長する平凡なユミの話を描く。原作の同名ウェブトゥーン(ウェブ漫画)を含め、この「ユミ」という人物の日常生活における数多くの感情を繊細に表現し、“共感もの”として人気を得ている。ユミが恋人と付き合って別れる過程や新しい恋人に会う過程を、細胞を通じて繊細に表現し、視聴者にまるで自分の心がそこにあるかのような気分にさせる。

キム・ゴウンは毎回、ユミの多様な感情の変化を正確に捉え、繊細な演技力で表現している。

(画像提供=TVING)『ユミの細胞たち2』キム・ゴウン

放送中の女性タイトルロールドラマについて、大衆文化評論家チョン・ドクヒョンは、6月30日に本紙『スポーツソウル』の取材を受け、「ドラマの主な視聴層は女性であるため、女性主人公がメインとなって作品を引っ張っていく現象は常にあった傾向」としながらも、「最近出てくる特異性は、キャラクターが過去とは違うということだ。既成のシステムや枠組みの中から抜け出そうとするキャラクターが多い」と話した。

続けて「過去には女性が主人公でも、主人公として能動的に何かをするというよりは受動的なキャラクターが多く描かれた。また能動的だったとしても、挑発的な感じを与えるキャラクターが少なかった。善悪の構図でも善良でおとなしい女性のキャラクターに偏っていた部分があったとすれば、最近は悪いキャラクターがかなり多く現れた」と述べた。

そして「ところが、その“悪”をよく覗いてみれば、そうするしかない現実と理解されたり、共感されたりする部分がある。それらを通じて現実での女性の姿を反芻させるようになった点が、変わったところだと思う」と付け加えた。