「画期的な物事を考えつく創造性は、若者の特権である」と考えている人は多いはず。しかし、ノーベル賞受賞者の経歴を分析した2019年の研究では「創造性のピーク年齢は取り組む仕事の種類によって変化する」という新説が導き出されています。

Creative Careers: The Life Cycles of Nobel Laureates in Economics | SpringerLink

https://doi.org/10.1007/s10645-019-09339-9

Creativity is not just for the young, study finds

https://news.osu.edu/creativity-is-not-just-for-the-young-study-finds/

創造性に関する新説を提唱したのは、オハイオ州立大学で経済学を研究するブルース・ワインバーグ氏とシカゴ大学で経済学を研究するデビッド・ガレンソン氏です。両氏はノーベル経済学賞受賞者31人の経歴を収集し、経済学における創造性のピーク年齢を分析しました。

まず、両氏はノーベル経済学賞受賞者を、事実から推論を重視する「実験経済学者」と、数学的な理論を重視する「概念経済学者」に分類。さらに、受賞者が発表した研究論文の被引用数をもとに「受賞者が経済学に影響を与える研究をしていた時期」を割り出しました。

以下のグラフは左のグラフが実験経済学者、右のグラフが概念経済学者の分析結果で、横軸が年齢、縦軸が経済学に影響を与えた度合を示しています。グラフを確認すると、実験経済学者は50〜57歳の頃に大きな影響を与え、概念経済学者は25〜29歳の頃に経済学に大きな影響を与えていることが分かります。

両氏は上記の結果から、創造性のピーク年齢が学者が取り組む研究の性質によって変化すると結論付けました。また、ワインバーグ氏は「私たちの研究結果は、人々が創造性を発揮できるか否かが仕事への取り組み方に依存していることを示唆しています」と述べています。