Amazonを創業したジェフ・ベゾス氏が所有するヨットが巨大すぎて航行の邪魔になる橋を、一時的に解体する計画が立ちあがっていたオランダ・ロッテルダムで、住民の反発を恐れた造船会社が橋の解体計画を取り消したことを明らかにしました。

Historic Rotterdam bridge won't be dismantled for Jeff Bezos superyacht worth €430M | NL Times

https://nltimes.nl/2022/06/30/historic-rotterdam-bridge-wont-dismantled-jeff-bezos-superyacht-worth-eu430m

ベゾス氏の依頼を受けて造船会社のOceancoにより製造されたヨット「Y721」の大きさは全長127mにもなり、2022年時点で世界第2位の大きさを誇っています。しかし、その大きさ故に海に通じる航路にかかる橋の1つをくぐり抜けることができず、Oceancoは航行の邪魔になる橋を一時解体する計画を打ち立てていました。

問題の橋は地元住民から「デ・ヘフ」の愛称で親しまれる垂直昇開橋です。この橋は1878年に建造され、1940年にドイツ軍の爆撃により破壊されたものの、後に修復されました。すでに橋としては機能しておらず、オランダの国家遺産に認定されて人々に愛されているそうです。

by pvl83

そのような橋を「ヨットを通すため」に解体しようとする計画が明らかになったことで、地元住民やメディアが大きく反発。一部では「ヨットが進水したら卵を投げつけよう」という呼びかけが行われた結果、5000人近くが名を寄せたことも報じられました。なお、この呼びかけを行った地元住民のPablo Strörmann氏は「友人たちの間で冗談として始まったんですが、いつのまにか数千人が興味を示してくれました。ですが、今ではこのイベントは立ち消えになっています。風刺的なジョークが手に負えなくなってしまったことは認めざるを得ませんが、親しまれた橋が傷付けられかねないことに今でもいら立ちを覚えています」と述べています。

解体計画のリーダーを務めるマルセル・ワラヴェンス氏は2022年2月に「未完成のヨットをくぐらせて別の場所で製造するのは現実的ではない」として橋の解体計画を進め、海事都市ロッテルダムで多くの雇用を算出することなど計画の利点をアピール。ロッテルダム市長も、高度なスキルを持つ技術者に多く雇用機会が与えられることに言及していました。

しかし6月に入り、「進行中」となっていた橋の解体計画を当面の間中止することをOceancoは明らかにしました。同社は中止の理由として「この計画が社会的な不安を巻き起こしてしまい、労働者が脅威を感じたためだ」と説明しています。Oceancoがどのようにヨットを海に浮かべるのかは、まだわかっていないとのことです。