カナダ大会から約7年。なでしこジャパンは再び世界のトップに立てるのだろうか。すでに澤穂希や宮間あやといった主軸はチームを去っており、2019年のフランス大会はベスト16敗退、昨年の東京五輪もベスト8で敗れるなど、最近は国際大会でやや苦戦している印象もある。
2010年代のチームと比較すると、個の力の部分は気になるか。先日米『ESPN』は『現世界の女子選手ランキングTOP50』と題した企画を組んでいたが、ここに日本人選手は1人も入っていない。
ランキングには世界ランク11位のノルウェーから2人、12位オーストラリア、5位ドイツ、4位オランダ、2位スウェーデンから3人ずつ、6位のカナダから4人、3位フランスから5人、8位のイングランド、7位のスペイン、1位のアメリカから最多となる6人ずつが選ばれており、世界ランク上位10チームのタレントたちがこのランキングを支配している。ちなみに日本の世界ランクは13位だ。
同メディアの選ぶランキング1位に選ばれたのはバルセロナでプレイするスペイン人MFアレクシア・プテジャスで、同選手は2021年の女子バロンドールを受賞している選手でもある。
女子バルセロナは今年に入って満員のカンプ・ノウで歴史的な一戦をおこなうなど、女子サッカー界に新たな風が吹いているのは間違いない。プレイレベルも上がっており、勢力図も10年前とは変わってきている。
日本にもイングランドのウェストハムでプレイするMF長谷川唯、ドイツ・バイエルンのDF熊谷紗希、アーセナルのFW岩渕真奈など世界で活躍するタレントはいるが、澤やFW永里優季らがいた頃に比べると少々寂しく感じるのも事実だ。
翌年にはオーストラリアとニュージーランドにて女子ワールドカップ2023が開催される予定で、この大会より出場チーム数が24から32に増える。女子サッカーの人気は確実に高まっており、競争力も増している。個の力も明らかに上がっており、ここの競争に勝たなければ再び世界の頂点に立つのは難しい。10年前とは女子サッカー界での日本の立ち位置も変わっているが、なでしこは来年のワールドカップで頂点を狙えるか。