前節の北海道コンサドーレ札幌戦では終盤の猛攻で逆転勝ちを収めた川崎Fだが、ターンオーバーをして臨んだ第102回天皇杯は東京ヴェルディに敗れた。唯一残されたJ1のタイトルと3連覇へ必勝の気概を見せるべく、札幌戦で途中出場ながら2得点を挙げた小林を先発で起用した。
対する磐田も前節のサガン鳥栖戦で前半の大量リードを守り切って4試合ぶりの勝利。天皇杯でも湘南ベルマーレを相手にクリーンシートを達成し、守備に自信を付けて今節へ臨んだ。
キックオフ前には両チームに所属経験がある元日本代表FW大久保嘉人氏が、川崎Fの公認キャラクター・カワサキまるこのフルグラフィックTシャツを着てプレゼンターを務めるなど、和やかな雰囲気でゲームはスタートした。
戦前の予想通りにボールを握るのは川崎F。16分にはショートコーナーを使って大島のクロスに谷口が頭で合わせるも、GK三浦がファインセーブを披露。磐田はワントップの杉本がハーフウェーラインより後方まで下がる[5-4-1]でセットアップし、耐える展開も上等の構えを見せる。
相手陣地でのプレーが続くも、明確な決定機を作れなかった川崎Fだが、33分についに均衡を破る。左サイドを起点にショートパスを多用して機を伺うと、敵陣中央でボールを受けた谷口が浮き球をディフェンスラインの背後へ。軽く外へ膨らみ、大外から右のポケットへ侵入した山根は、右足ワンタッチで優しく合わせてゴール左隅に流し込んだ。
ビハインドで折り返した磐田は、後半から川崎Fの最終ラインへチェックを掛けるようになる。ただ、川崎Fも磐田のプレスをいなし、55分にはチャナティップが背後のスペースを突いてGKと一対一の決定機に。シュートは右のポストに嫌われたが、後方からの縦パスを引き出すなど、71分の塚川との交代まで精力的に動いた。
残り15分を切ると、磐田もポゼッションを高めて押し込む時間が増え、ボックス内にボールが入る回数も増加。途中出場のジャーメインや金子らが前線でアクセントとなり、小川のシュートから右CKを得ると、84分に試合を振り出しに戻す。遠藤のキックを車屋から逃げながらニアで伊藤が薄く合わせ、ファーへ流し込むJ1初ゴールで同点とした。
さらに、カウンターからジャーメインのヘディングが右ポストを叩くなど勢いの乗る磐田は、大井を最前線起用して3ポイントを取りにいく。
互いに次の1点を目指したが、新たなゴールは生まれずに試合はタイムアップ。多くの時間でボールを支配した川崎Fは、追加点を奪えなかったことが響いた。対する磐田は押される時間が長かったにも関わらず、最少失点にとどめたことで勝ち点「1」を手にするに至った。
川崎フロンターレ 1-1 ジュビロ磐田
【川崎F】
山根視来(前33)
【磐田】
伊藤槙人(後40)