日本のみならず、世界中から愛されるスタジオジブリの作品たち。そのなかでも屈指の人気を誇る『となりのトトロ』が、イギリスの「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」によって舞台化されることが明らかになりました。

本記事では、『となりのトトロ』が舞台化に至った経緯や、関係者のコメントをお届けします。

久石譲の提案によって実現

宮崎駿監督の代表作『となりのトトロ』は、1950年代の日本を舞台に、サツキとメイの姉妹が、東京を離れ引っ越してきた田舎の森で不思議な生きものたちと遭遇する物語。

1988年の劇場公開から34年の時を経て、世界最高峰の劇団の一つであるイギリスの「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」(以後「RSC」)によって舞台化が決定。 「RSC」は以前から今作の舞台化を熱望しており、今回実現することとなったのは数々のスタジオジブリ作品の音楽を手掛けてきた久石譲の提案があったからだそう。

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本作でエグゼクティブ・プロデューサーを務める同氏によると、原作の作者である宮崎駿は「久石さんがやるなら」と快諾してくれたと、プレスリリースのコメントで振り返ります。

「僕は原作の映画に携わっていたので、映画を壊したくないという思いが強くあります。最初から日本語で舞台化したら、どうしても映画と被ってくる。ならば外国でやったらどうかと考えました」
「この作品に本当の意味で普遍性があるなら――僕はあると思っていますが――まったく違うカルチャーで育った人たちが違う言語でやっても、きっと世界中の人に伝わるはずです」
「外国で舞台化すると、スペクタクルになってしまう心配があります。トトロが飛び回ったりすることがないよう、僕は言い続けています。お互いに率直に意見を言い合える、いい関係で作っています」

舞台では原作でおなじみの楽曲を使用するほか、以前映画のために書かれたのちに使われなかった楽曲も採用されるとのこと。

日本人を含むアジア系スタッフを起用

今作の演出を手掛けるフェリム・マクダーモットは、今作の製作チームに、衣装を中野君枝、ムーブメントを山中遊里など、日本人のアーティストを起用。

マクダーモット氏は、日本を含めるアジア系のキャストやスタッフとともに製作することへの興奮を語ります

「私は日本の文化のなかで生まれ育ったわけではないので、物語の細部を理解できないことがあります。その文化の中からの“声”が、絶対的に必要なのです」

また、キャスティングに関しても言及。原作では幼い姉妹が主人公であるものの、ハードな舞台となるため、成熟した役者を起用する可能性があることを示唆しています。

「人形劇や体を使った表現などをこなせるパフォーマーを選択する必要があります」

舞台版『となりのトトロ』は、ロンドンのバービカン・センターで、2022年10月8日から2023年1月21日まで15週間にわたって上演される予定。