敷地に野営しているホームレスを立ち退かせるだけでなく、自宅確保や再就職などの支援を行ってきたAppleですが、同社の資金力を持ってしても決して順調ではないようです。

数百万の資金を投じたが

2021年9月、Appleは敷地内に野営していたホームレス56人を立ち退かせ、9カ月の間モーテルに宿泊してもらうとともに、新たな住居を探すための支援を行ってきました。
 
ところが数百万ドル(約数億円)の資金を投じても、多くの人が新たな住まいを見つけていないことが明らかになりました。住居を見つけられたのは8人だけで、少なくない人数が再就職すらできていない状況のまま、プログラムは終了となりました。モーテルに住めなくなった支援対象者には緊急シェルターがあてがわれる予定です。

プログラム終了を非難する声も

Appleが資金を提供してきた非営利団体のHomeFirstは一定の効果があったことを強調しますが、実際には適切な価格の住宅が不足していることや、彼らの職歴や医療需要などが大きな困難として立ちはだかったそうです。
 
地元紙のFinger Lake Timesは、Appleがモーテルの部屋を今後も提供し続け、入居者が心身ともに恩恵を受けられるようプログラムを延長すべきだとする活動家の声を紹介しています。「もし彼らが(再び)路上に出てしまったら、それは完全にAppleの責任だ。Appleの恥だ」
 
実際、記事ではプログラムを通じて住居に定住する権利を得られると言われ、トラックを売って商業向けの運転免許を取得しようとした男性を紹介しています。ところが、彼は結局講習を試験を受けるどころか、講習を受けるための資金すら捻出できませんでした。
 
確かにHomeFirstの言う通り、「ただ人を追い出すだけでもよかったのに、Appleはそうしなかった」のは事実でしょう。しかし、約2.2兆ドル(約280兆円)もの時価総額を保有しているAppleが、56人のホームレスの支援すら難儀するとは、自助努力の必要性を踏まえても、世情の厳しさを感じずにはいられません。
 
 
Souce:Finger Lake Times,AppleInsider
(kihachi)