雷に打たれやすくなる?高齢じゃないと受けられない?人工関節に対する誤解

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「体に人工物を入れるのは怖い」と抵抗を感じる人も多い、人工関節。しかし、痛みが取れて自由に歩けるようになるため、「人工関節にしてよかった」と喜んでいる人がとても多いそうーー。

近年、手術を受ける人が増えた“人工関節”。女優の中村玉緒(82)も、’17年に変形性股関節症で人工関節にする手術を受けている。それまでは、杖を突いて歩いていたのが術後は楽に歩けるようになったという。

また、女優の堀ちえみ(55)も、変形性股関節症の関連疾患である特発性大腿骨頭壊死症により’15年に人工関節に。手術をするまでの3カ月は、あまりの痛みに毎日泣いて過ごしていたのが、人工関節にして一転。痛みもなく普通に動けるようになったそう。

「怖い、歩けなくなるのではという誤解を持たれることが多い人工関節ですが、むしろ手術を受けることでスタスタ歩けるようになるケースが多いんです」

こう語るのは、神奈川リハビリテーション病院院長の杉山肇先生。

「股関節に痛みを感じる人は、全国で500万人ほどいるとされていますが、その大半が変形性股関節症によるものです」

演歌歌手の島津悦子(60)も変形性股関節症により、57歳のときに人工関節に。手術をする前は、痛みのあまり眠ることもできなくなり、仕事にも支障をきたしていたが、術後1カ月たったころには杖なしで歩けるまでに回復。痛みもほとんどなくなったという。

これほどまでに、回復が早いのは、進歩した医療の功績も大きいそう。

「手術の傷を小さくする低侵襲手術が広まり、傷の大きさは10センチほどで済みます。また、ロボットやコンピューターを活用して正確かつ精密な手術ができるので、手術は1時間から1時間半ほどで終了。体への負担も少なくなりました。以前は術後3週間の安静が普通でしたが、今は手術翌日から動いてもらいますよ」(杉山先生)

リハビリは、術後2〜3日ごろから行うことが多いという。

「術後のリハビリでは杖を使った歩行や階段の上り下り、自宅での安全な動作の仕方を覚え、約2週間で退院・帰宅できます。リハビリをしっかりされたい方は、1カ月程度入院できるリハビリ機能のある病院を選ぶと安心です」

さらに、かつて懸念されていた“人工関節の耐久性”も格段に上がったと杉山先生。

「以前は、人工関節自体の耐用年が10〜15年とされ再度交換手術が必要になる場合もありました。しかし、今は一般的な運動量の人で30年は持つように。さらに、加齢とともに運動量も減少するので、75歳以降はいわれている耐久年数の2倍は持つと考えられます。60歳で人工関節に換えた人なら105歳まで持つという計算ですね。耐久年数の向上から、50代で手術を受ける人も増えています」

人工関節に関しては、誤解されている部分も多い。以下のQ&Aを参考に、人工関節を検討してみて。

【Q1】スポーツができなくなる?

答え:できます!

水泳やサイクリング、ジョギングなどは問題なくできる。ただし、接触が多かったり激しいスポーツは避ける必要がある。

【Q2】雷に打たれやすくなる?

答え:なりません!

金属を身につけているかどうかと、雷の落ちやすさは無関係。

【Q3】お年寄りが受ける手術?

答え:50代で受ける人が増加しています!

これまでは、65歳以上の人を対象に行われることが多かったが、人工関節の耐久性が向上し、50代でも利用する人が増えている。

【Q4】正座ができなくなる?

答え:できます!

正座はできる。ただし、女の子座りや股関節を深く曲げる動きは脱臼を引き起こすことがあるため避けること。

【Q5】寝たきりになる?

答え:むしろ歩けるようになります!

寝たきりになるのは全くの誤解。リハビリ後は杖なしでスタスタ歩く人がほとんど。

【Q6】大手術が必要?

答え:手術は1〜2時間で終了!

技術が進歩したことで、手術時間は1〜2時間ほど。入院日数も2週間程度が多い。