同社は2007年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。スマート倉庫物流の設備、ソフトウェア、システムの研究開発、設計、販売、およびスマート倉庫物流ソリューションプランの提供を主業務としている。スマート物流は、材料や物品の出入庫、保管、輸送、運搬、生産、並べ替え、選別、配送、データ分析などの自動化、情報化、インテリジェント化を実現し、効率と精度の工場、コストの節約、占有スペースの削減といった効果を生む。21年の売上構成は、スマート倉庫物流システムが85.85%、スマート倉庫物流設備が14.15%となっている。
中国のスマート倉庫物流システム市場規模は2015年の143億1000万元から19年には419万8000元と年平均30.87%のハイペースで成長しており、コンピューティング技術と通信技術のさらなる発展に伴って24年には1067億6000万元まで増加するものとみられている。
現在、中国のスマート倉庫物流システム市場は、国内業者と海外業者が数多く参入する激しい競争状態にあり、国内業者はローエンド・ミドルレンジで、海外業者は高い技術力からハイエンド市場で明らかな優位性を持っている。同社を含む国内業者もハイエンド市場に参入する実力をつけつつあるものの、海外業者と競争してシェアを拡大するためにはなお一層の研究開発強化と、技術的な蓄積が求められている。
同社は幅広い製造業分野の顧客に対しスマート倉庫物流システムソリューションを提供する能力を持っていること、自社開発のAGV(無人搬送車)車載制御システムを開発するなど高い技術力を持っていること、特殊な設備の速やかな開発能力を有していること、設計から開発、製造、アフターサービスまで一貫したサービスを提供できることなどを強みとしている。一方で、資金力不足とこれに関連するハイエンド人材不足、生産規模の不足といった点がボトルネックとなっている。
2021年12月期の売上高は5億3864万元(前期比34.08%増)、純利益は6828万元(同27.23%増)。22年1〜3月期の売上高は8006万元(前年同期比953.52%増)、純利益は1617万元(前年同期は891万元の純損失)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)