駅舎の外観。レトロな電飾・モニターに映るドット絵が印象的 ※宮澤さん提供

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Twitterに戦中・戦後の頃を含む多くの写真が公開され、大きな話題となっています。

【写真】貴重な写真を撮影した、宮澤さんのお祖父さま

写真を公開された宮澤修平さん(@room_909)によると、写真を撮影したのはご自身のお祖父さん。数年前に亡くなった伯父さんから預かったSDカードに入っており、その枚数はなんと1万6000枚もあったといいます。撮影時期は、昭和10年代〜40年代と思われるとのこと。投稿した宮澤さんに聞きました。

偉大だったお祖父さん

これらの写真を撮影されたのは、レンズ工学や天文学を専門とされ、京都大学花山天文台職員や関西光学研究所(カンコー)の所長を務めた宮澤 堂(たかし)さん。

西村製作所と共同で国産初の反射式望遠カメラ(ミヤニ式)を開発するなど、生涯を通じてレンズや天体望遠鏡の開発に携わりました。

また、プライベートでもカメラ好きで、どこに行くにもカメラを持っていったそうです。

数々の写真も、おそらくは趣味で撮っていたのだろうとのこと。しかし、「天体写真なども沢山撮っていましたので、実益も兼ねていたんだと思います」と宮澤さんは話します。

当時の時代を鮮明に現代に伝える堂さんの写真。そこまで高質な写真を撮れた背景には、仕事柄、非常に高性能なフィルムで撮影ができたという背景もあったようです。

なんと家一軒が建つほどのお金をフィルムに費やしていたとか。仕事でも趣味でも、究極のカメラ人生だったようですね。

また、堂さんは晩年になってコンピューターについて学び始めるなど、とても勉強熱心な方だったそうです。

堂さんは宮澤さんが5歳の時に亡くなったそう。しかし、宮澤さん自身、そんなお祖父さんの影響でパソコンに興味をもち、現在Webデザイナーを本職にしているなど、お祖父さんから受けた影響は非常に大きなもののようです。

また、コンピューター関係だけではなく、宮澤さん自身もカメラでの撮影に取り組まれているそうです。

そんな宮澤さんから見ても、お祖父さんのカメラの腕前は相当なもののよう。「同じカメラを渡されても、ちょっと撮れる気がしない…」とさえコメントされています。

なお、堂さんが設立し、所長を務めた関西光学研究所ですが、現在すでに閉所しているとのこと。しかし、宮澤さんがTwitterに写真を公開したところ、当時の同僚やその家族たちから連絡があったそうです。

「こんな形で当時を知る方とコンタクトが取れるとは思いませんでした。伯父の奥さんやうちの父も良く知る人なので、近々直接お会いしてお話を伺う予定です」

と、宮澤さんも驚きを隠せない様子。お祖父さん、本当に偉大な方だったんですね。 

歴史的価値のある写真、保管してくれた伯父にも感謝

宮澤さんのお祖父さんが撮影された写真には、戦中から戦後にかけての各地の風景や人々の暮らしの様子が写されています。なかには、大阪大空襲の跡など、戦争の生々しさを物語る風景もありました。当時の時代の風景を現代に残す、歴史的価値のある貴重な写真ばかりといえるでしょう。

ツイートのリプ欄にも多くの反応が。

「本当に素晴らしいご遺産ですね。見せて頂きありがとうございます」
「恐ろしく貴重な写真だと思います」
「写真に歴史ありですねえ」
「さすがレンズ技師やってらしただけのことはあります」
「もし叶うならば書籍にしていただき出版して欲しいです。それかどこかで閲覧できれば…個展開けるレベルかと」
「当時の人の暮らしなどは中々資料にならないのでありがたいです」
「全部の写真を拝見させていただきたいくらいです」

また、これらの写真は、もともと亡くなった伯父さんが所有していたもの。

宮澤さんによると、「伯父は普通のサラリーマンで、特段PCにも詳しくなかった」とのこと。しかし、父親が遺した写真の価値に気づき、デジタルデータとして保管することを考えたようです。

先述の通り、SDカードには16000枚もの写真が入っていましたが、伯父さんは2012年の5月から2014年の1月まで、2年近くもかけて一枚一枚スキャン。そして、このデータをSDカードにコピーし、宮澤さんをはじめ、親戚一同に配っていたといいます。

お祖父さんが撮って、伯父さんが遺してくれた貴重な写真の数々。しかし、その存在に今まで気づかなかったことを、宮澤さんは残念に思っているといいます。

「もう少し早く、伯父が存命の間に気付くことが出来ていればいろんな話ができたのに……それだけが心残りです」(宮澤さん)

ここで紹介させていただいた写真はごくごく一部。宮澤さんのTwitterではさらに多くの写真が紹介されています。

しかし、宮澤さん自身もまだすべての写真を公開できてはいません。データがあまりにも膨大でなうえ、なかにはごくプライベートなものや確認が必要なもの、門外不出となる写真もあるそうで、まずはそれらを整理するところから始めているといいます。

「いずれ何らかの形で、皆さんに写真をお見せできたら良いなと考えています。写真展なども開けたら楽しいだろうなと思うのですが、何せまだ発見して数日なので、まずは作業を見守っていただければと思います」(宮澤さん)

すべての写真がお披露目になる時が楽しみですね。

  ◇  ◇

宮澤さんに今回の写真が注目されたことについて、感想をうかがいました。

「改めて感じたのは、写真を残すこと、伝えることの大切さですね。何気ない風景でも、時が経てば時代の証明にもなるし、これだけ沢山の方の心を動かすことができるんだなと実感しました」

さらに、宮澤さんは今回のご自身の経験を踏まえて、次のようにも話します。

「この記事を読んでおられる皆さんのお家にも、ひょっとしたら貴重な写真が残っているかもしれません。よければ一度アルバムを見直して、手間はかかると思いますがデジタルデータとしてアーカイブしてみて下さい。いずれ僕と同じように、その写真がかけがえのない宝物になると思います」

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))