ソウル中央地裁=(聯合ニュースTV)

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【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は20日、朝鮮戦争時に北朝鮮に拉致された被害者の遺族が北朝鮮と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、北朝鮮と金正恩氏に対し、原告12人に1人当たり最大3000万ウォン(約300万円)の賠償金を支払うよう命じる判決を言い渡した。

 原告の代理人を務める保守系弁護士団体「朝鮮半島の人権と統一のための弁護士会」は、訴訟にあたり「戦争後も北は拉致の事実自体を認めず、拉致被害者に関する情報提供を拒んでおり、被害が続いている」と説明した。

 北朝鮮側は訴訟に応じていないが、裁判所は公示送達によって訴訟が起こされたことを通知し、判決を言い渡した。

 公示送達とは訴訟の相手が文書を受け取らず、裁判に応じない場合、裁判所での掲示や官報公告などにより内容が伝達されたと見なす手続き。

 これに先立ち、朝鮮戦争で北朝鮮軍の捕虜となった元韓国軍兵士2人も北朝鮮と金正恩氏を相手取って訴訟を起こし、2020年7月に一審で勝訴したが、賠償金は受け取れなかった。

 裁判所は南北経済文化協力財団に賠償金を支払わせるため取り立て命令を出したが、その後、同財団の抗告が認められたため取り立ては実現しなかった。