発電所での「ゲーム再現動画」はどうやって生まれた? 駒沢アイソレーション×竹原火力発電所の撮影に密着!
※取材は2021年11月に実施しました。
こんにちは、駒沢アイソレーションハヤケンです。僕たちはゲーム再現動画をいろんなところで撮影しているんですが、今回ご縁があって、なんとさんとコラボしたゲーム再現動画を作成することになりました。

ということで、今回は広島県にある
竹原火力発電所
に来ています!制服も着させてもらってテンション上がる!
けど、僕ら作業着が似合わないな…(笑)。あ、どうも。駒沢アイソレーションのしゅんぴです。
発電所って初めて来たけどこんな感じなんだね。広くてデカい!
撮影したらめちゃくちゃ映えそうだね!
今回案内をしてくれる竹原火力発電所の金谷さん(右)と坂田さん(左)
こんにちは! ようこそ竹原火力発電所へ。今回案内をさせていただく金谷と申します。
坂田です。よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
この竹原火力発電所は1967年に運転をスタートし、半世紀以上にわたって西日本に電力を供給してきました。現在の発電出力は130万キロワット、約33万世帯分の電力に相当します。
50年以上の歴史が! そういえば、火力発電所といっても煙はほとんど見えないんですね。
いまは、埃・すすといった“ばいじん”のような、大気汚染の原因となる有害物質を取り除く装置を複数設置するなど、
石炭を燃やした後に出るガスを綺麗にする、たくさんの工夫
をしているんです。黒い煙が見えることはありません。
どうりで空がキレイなわけですね!
今回の動画、序盤の撮影はこのあたりがいいかもね!
今日は船がいませんので、特別に撮影OKです。
ありがとうございます! ちなみに、ほかにもいくつか撮影ポイントを探しているんですけど、オススメの場所はありますか?
それならやはり
「新1号機」
がよいでしょう。竹原火力が誇る
世界最高レベルの技術
が隠されています。
世界最高レベル! パワーワード出ましたね。行ってみましょう!

2020年6月に運転開始。“絶景”も眺められる新1号機で、いよいよ撮影開始!

これが新1号機の建物です。
こんにちは。
この方は?
新1号機の建設に携わった所長代理の鈴木です。「新1号機といえばこの人」ということで呼びました。
ここは2020年6月に運転を開始したばかりの出来立てなんですよ。私は3年弱、建設に携わっていました。早速、中をご案内します。
え!ここも入れるんですか! 発電所の中ってどうなっているんだろう。
鈴木:こちらが蒸気タービンと発電機です。石炭を燃やして発生する熱エネルギーで水から蒸気をつくり、その蒸気の力でタービンを回して発電しています。蒸気の温度は600℃、圧力は27MPaの超高温、超高圧です。
600℃ってやばいですね!電気を作るにはとんでもないパワーが必要なんだ。
そういえば、先ほど新1号機は「世界最高レベル」と言っていましたが、どういうことなんですか?
この新1号機が世界最高水準の「発電端効率」を達成しているんです。
発電端効率?
簡単にいえば、燃料が持つエネルギーのうち、どれくらいの割合を電気として使えるようにできるか、ということです。車の「燃費」に近いかもしれないですね。新1号機は発電端効率約48%、これまで世界最高水準といわれていた、当社の磯子火力発電所が約45%でしたので、さらにレベルを上げることができました。
レベルアップすごいですね!
発電の効率を上げれば、
CO2(二酸化炭素)の排出削減
につながります。新1号機は、今までの設備に比べて、CO2排出量を20%ほど減らしているんです。また、下水汚泥からつくられたバイオマス燃料も一緒に燃やしています。現在、生物由来のバイオマス燃料も大量に混焼できるように準備中で、さらなるCO2削減を目指しています!
屋上もご案内しましょう。瀬戸内海を一望できる、とっておきの場所なんです。
ほんとに絶景! 最近の疲れが取れていく……
私も大好きな眺めです。実はこの建物、竹原市内で一番高いんですよ。
お、豆知識も出ましたね!
今日は撮影日和のいい天気ですね。ちなみに、火力発電は天候に左右されることなく、24時間・365日発電量を維持することが可能です。
たしかにそうですね。
今、J-POWERでも再生可能エネルギーの開発をどんどん加速させていますが、再生可能エネルギーは、天候や時間帯で発電量が急激に変わってしまう傾向があります。
とはいえ、電気は24時間いつでも必要ですよね。火力発電は需要に応じて出力を調節することができるので、
再生可能エネルギーの発電量変動を補完し、フォローする大切な役目
があります。また、発電所では最大で、約30日間発電可能な量の石炭を保管できます。これはつまり、約30日分の電気を貯めることができる、とも言えます。
なるほど、火力発電が再生可能エネルギーをバックアップしているのか。
先ほどお話した、石炭を燃やした後に出るガスをきれいにする装置もありますよ。

また、ここからたくさんの美しい島々が見えますが、その1つに「大崎上島」があります。そこでは次世代の石炭活用技術を目指す最新の取り組みも進んでいます。後ほどご説明しますね。
なるほど。屋上も撮影に使えそうですね。これで動画のプランができました!

ちなみに今回の動画、発電所に勤務する職員さんにもエキストラで出演してほしいんですが、どうですか? もちろん僕が演技指導します!
緊張しますが大丈夫です(笑)。職員総出で協力するので、どんどん指導してください! こんな機会ないですし(笑)
めちゃくちゃノリがいいですね!
あと、もし可能なら今回ドローン撮影もしたいと思っていて……。
その話、事前に聞いていたので用意してあります。最近、発電所でもドローンを使って施設の点検などを行うので。操縦できる職員も連れてきました。
準備よすぎです!
これはいい動画になりそうだ。それでは、ガシガシ撮影していきましょう!
やっていきましょう!
▼実際に完成した動画はこちら!

石炭から“水素”をつくる。J-POWERが行う最先端の研究はどんなもの?

お疲れ様でした! 皆さんの協力で無事に動画を撮り終えることができました。にしても、皆さん演技うますぎじゃないですか?(笑)
ありがとうございます、だいぶ緊張しましたけど(笑)。でも素晴らしい動画ができてよかったです。
新1号機の近くで撮ったシーンもカッコよく決まったと思います!
 
今回の動画はをテーマに撮らせていただきました。詳しくいうと、どういうものなんですか?
カーボンニュートラルと水素社会の実現に向けて、私たちの行うこれからの取り組みを公表したものです。カーボンニュートラルとは、
CO2の排出を全体でゼロ
にすること。そして水素は、
利用する際にCO2を出さない、未来のエネルギー
として期待されています。
水素は今でも色んな方法で作られていますが、作る過程においても、CO2を出さないようにすることが大事になってきます。これが
「CO2フリー水素」
です。J-POWERは、いま、
石炭から水素をつくる研究
をしているんです。
石炭から水素をつくる…… ?どういうことですか?
石炭を特殊な方法で熱してガスの状態にすると、水素や一酸化炭素などを含むガスが発生します。そのガスを水素と二酸化炭素に変えた後、二酸化炭素を取り除けば純度の高い水素ガスを作ることができます。すでにJ-POWERが実証試験を進めている技術なんですよ。今後は、取り除いたCO2を地中に埋めたり、有効利用することで「CO2フリー水素」とする計画です。
そんなプロジェクトが進んでいるんですね!
さきほど屋上でご説明した、大崎上島のプロジェクトもその1つです。大崎クールジェンプロジェクトと言って、経済産業省およびNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から支援を受け、中国電力さんと実施しているプロジェクトです。水素をつくって発電に利用する実証試験を行っています。

J-POWERは、
2050年に向けて火力発電から水素発電に移行するのが目標
です。それに、再生可能エネルギーの電気を使って水素を作ることもできます。未来においては、J-POWERの様々な発電所が水素エネルギーの生産を担う場所になるかもしれません。

「私たちの行っていることが、5年後、10年後の社会のためになると信じている」

壮大な話……。お話ししているときも、みなさん生き生きしていますね!
石炭火力発電が逆風に立たされている時代ですが、火力だからこその“役割”もあるんです。それなら長所を活かしながら、
CO2を排出しない発電方法
を模索するのも手段の1つだと思っています。「カーボンニュートラル社会」というゴールは一緒です。
たしかに。今日のお話でイメージが変わりました。
そして、ゆくゆくはCO2フリー水素の製造や発電を行っていく。日々の積み重ねが、5年後、10年後の社会のためになると思っているので。それがやりがいですし、一緒に働いている仲間だけでなく、様々な方々に、この思いが伝わっていってほしいですね。
熱いですね……!
話が長くてすみません(笑)
新1号機の建設を見守ってきた鈴木さんはどうですか。
そうですね。まずは新1号機が完成したときの感動は一生忘れませんし、これからも人々の生活を支える存在になればいいなと。だからこそ、環境を守りながらエネルギーを途切れることなく提供していきたいですね。
坂田さんはこの中では若手だと思いますが、竹原火力で働いていてどんなやりがいを感じていますか?
私は今年1年目なのですが、入社した理由は「
人々の当たり前を支える仕事がしたい」
と思ったからなんです。
めちゃくちゃかっこいい!
電気は当たり前のものだと思われがちですが、発電所では毎日24時間、交替制で必ず職員が常駐して監視・運営しているんですよね。そういう人たちがいるからこそ、電気がいつも使えるんだと。ここで働く中で、みなさんの当たり前を支えられていることを日々実感しています。
思いが実現できたわけですね!

今日もそうですが、発電所の見学にいらっしゃった方々をご案内すると、設備の大きさにみなさん驚かれるんです。そして先ほどお話した火力発電の大切さを伝えると、いろいろと感動いただけたりします。それもやりがいになっているかもしれません。水力や風力など、J-POWERの全国の発電設備についても知っていただきたいですし、これからもいろいろ発信できればと思います。
僕たちも今回、本当に勉強になりました。最高の動画も撮れたし、新しい発見がありました。
J-POWERがつくった水素で、未来の生活を支えてほしいな。
そして、J-POWERさんとの僕らのプロジェクトはまだまだ終わりません。次はなんと「ダム」でゲーム再現しちゃいます!
舞台は奈良県の池原ダムですよ。今度は水力発電も学んできますよ!
ということで、ぜひ次回の動画もご期待ください。改めて竹原火力発電所の皆さん、本当にありがとうございました!
今回お世話になったのは…
J-POWER(電源開発株式会社)
ホームページはこちら
1952年の創立以来、約70年にわたり日本と世界で電気をつくり送り届けている。今回訪れた竹原火力発電所のほかにも、水力、火力、風力、地熱などさまざまな形で全国に約100カ所の発電所を運営。2050年のカーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギーの導入拡大やCO2フリー水素実現に向けた取り組みを進めている。