防災グッズって何を買えばいい? 東急ハンズの担当バイヤーに聞く備えのポイント
地震や台風、水害などの自然災害に備えて、きちんと揃えておきたい「防災グッズ」。

しかし、「何を買えばいいかわからない」と悩んでいる人も多いはず。そこで日々、様々な商品と向き合っている
東急ハンズの防災用品担当バイヤー
を直撃。

プロフェッショナルがおすすめする最新の防災グッズと災害に備えるためのコツを教えてもらった。

まずは「セット商品」を買ってみよう

東急ハンズに並ぶ商品の選定やPRを担う「バイヤー」。そのなかで別府さんは防災グッズの担当なんだな。
はい! 「機能の高さ」や「普段の暮らしのなかで使っても違和感がない」などいろんな視点のもと、店頭に並べる品質の高い商品を選んでいます。
東急ハンズではどれくらいの数の防災グッズを扱っているんだ?
一番大きい新宿店で扱っているのはおよそ1,200種類ですね。
1,200種類! 防災グッズってたくさんの種類があるから何を買えばいいかわからない人も多いと思うんだ。防災グッズのプロとして、何から揃えるべきか教えてくれ!
まずおすすめしたいのが「防災セット」です。
東急ハンズでは

①家での避難生活で必要なグッズを揃えた「自宅待機セット」
②会社から自宅に避難するまでの「帰宅困難者支援セット」
③車での避難を想定した「車載防災セット」

の3種類のセットをオリジナル商品として開発・販売しています。

また、防災グッズがリュックに入ってそのまますぐに持ち運べる山善の「防災バッグ」なども人気です。
おすすめのセット商品4点はどんな特徴があるんだ?
自宅待機セットは、手回し充電式のラジオ・ライトや簡易トイレ、衛生用品など、家での避難生活を想定したグッズが入っています。
東急ハンズオリジナル 自宅待機セット|【東急ハンズネットストア】
「東急ハンズオリジナル 自宅待機セット」
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ケースのバケツも水汲みなどにも使える防災グッズ。在宅のシチュエーションが増えた今、一番初めに買う商品としておすすめですよ。

帰宅困難者支援セットは持ち運びがしやすいようなポーチ型。会社で被災した際、自宅や避難所までの移動に役立つグッズを揃えました。
東急ハンズオリジナル 帰宅困難者支援セット
「東急ハンズオリジナル 帰宅困難者支援セット」
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車載防災セットはダッシュボードに入れて保管できるようなサイズのケースに入ったセットです。

車内の目隠し用に使用できるロープなど車での一時的な避難生活を送る際に必要なアイテムが入っているのが特徴です。
東急ハンズオリジナル 車載防災セット|【東急ハンズネットストア】
「東急ハンズオリジナル 車載防災セット」
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山善の防災バッグは、必要なアイテム30個がリュックに収納された状態で販売されています。色も目立ちますし、家族で一人一つずつ備えておけばそのまま持ち出せるので、とてもおすすめです。
山善(YAMAZEN)防災バッグ 防災対策30点セット
「山善(YAMAZEN)防災バッグ 防災対策30点セット」
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7日間、電気・ガス・水道なしで生活できますか?

種類も豊富で頼もしいな! 防災セットを買って置いておけば安心だぜ。
いえ、防災セットを買っただけで終わらせないでください!

購入後にまずは1回開けてみて、何が入っているのか、何が足りないのかを確認しましょう。

例えばトイレ。

災害で断水を経験した人からは、簡易トイレの準備をしておくべきだったという声が多く上がっています。簡易トイレが防災セットに入っているか、家族の人数に対して個数は足りているか、などをチェックしていきましょう。
セット商品の中身をベースにシミュレーションしてみよう
なるほど。災害時の安全確保のためには、自分にあった量と種類の防災グッズを揃えていく必要があるんだな。
その通りです。

1週間、電気・ガス・水道が使えない状態での生活を想像してみてください。

忘れがちなのが体拭きシートやマスク、歯磨きなどの衛生用品。口腔トラブルや病気などの健康二次被害を防ぐことはとても大切です。

また連絡の手段や情報源となるスマートフォンの電源を維持するために、モバイルバッテリーを常備することも大事です。

朝起きてから寝るまでをイメージしながら、7日間分の防災グッズを揃えていきましょう。

防災グッズバイヤーがおすすめする「役立ち」防災グッズ

それじゃあ、防災グッズのプロから見たおすすめ商品を教えてくれ。
まず手元に置いていただきたいのが身体の保温に役立つアルミ製のエマージェンシーシートです。
東急ハンズオリジナル エマージェンシーブランケット|【東急ハンズネットストア】
「東急ハンズオリジナル エマージェンシーブランケット」
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薄手で軽く、普段使いのカバンなどにも入れておきやすいグッズです。

"日常生活のなかで使える"という視点でイチ推しなのは「SONAENO クッション型多機能寝袋」。
SONAENO クッション型多機能寝袋
「SONAENO クッション型多機能寝袋」
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防災のプロが監修しているので、寝袋には顔を隠せるフードや貴重品ポケットなど、避難時に役立つ実用的な機能が豊富に搭載されています。通常はクッションとして使用できるため、お客様からは好評なんです。

また、自宅待機セットにも入っていますが、手回し充電式ラジオライトもおすすめですね。
東急ハンズオリジナル STAYER 手回し充電式ラジオライト|【東急ハンズネットストア】
「東急ハンズオリジナル STAYER 手回し充電式ラジオライト」
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ソーラーと手回しでの充電が可能で、ラジオ、ライト、サイレン音など、電気が使えない状況で役に立つ機能が集約されています。

災害時に「あたたかい料理」を食べられると身体も心も安心できます。だから料理やお湯を沸かすためのカセットコンロも備えておくと便利ですよ。

岩谷産業の「カセットフー タフまるJr.」はコンパクトなサイズで持ち運びに役立つケース付きで、風に強いおすすめのモデルです。
岩谷産業 カセットフー タフまるJr
「岩谷産業 カセットフー タフまるJr」
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日常でも使えますし、デザインがおしゃれなので東急ハンズではすごく売れています。

CoCo壱番屋や吉野家がコラボ 美味すぎる防災食

避難時の食べ物や飲み物は健康の面でもメンタルの面でも大事だよな。でも、防災食って「味より保存期間」みたいなイメージがあって苦手意識が…。
そのイメージはもはや過去のものです! 防災食の進化はここ数年で目覚しく、開発メーカーの努力によって「美味しくて長持ちする」商品が次々と生まれています。

なかには大手レストランチェーンなどとのコラボ商品なんかもあって選ぶのが楽しくなりますよ。

例えばこちら。
尾西食品 CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット|【東急ハンズネットストア】
「尾西食品 CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット」
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CoCo壱番屋とアルファ米で有名な尾西食品がコラボを組んだ商品です。馴染みの味を災害時でも楽しむことができます。
吉野家 缶飯 牛丼
「吉野家 缶飯 牛丼」
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牛丼の吉野家も防災食を販売。缶なので湯煎であたたかくして食べることも可能です。
CoCo壱番屋に吉野家! 俺も大好きだぜ。
あとは、湖池屋の缶入りポテトチップスや「カラムーチョ」などのお菓子もありますね。
湖池屋 じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩|【東急ハンズネットストア】
「湖池屋 じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩」
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湖池屋 カラムーチョ ホットチリ味|【東急ハンズネットストア】
「湖池屋 カラムーチョ ホットチリ味」
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袋入りのものと味はほとんど変わらず、製造から5年間の保存が可能です。小さいので行動食として通勤リュックに入れておけば、避難所に向かう途中でのエネルギー補給などに役立ちます。

ギンビスのビスケット菓子「たべっ子どうぶつ」も保存食として発売されています。
ギンビス×IZAMESHI 厚焼きたべっ子どうぶつ|【東急ハンズネットストア】
「ギンビス×IZAMESHI 厚焼きたべっ子どうぶつ」
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小さいお子さまが防災食を食べるのを嫌がってしまった時も、お菓子だったら食べやすい。知っているブランドが非常時にあると安心にもつながりますし、選ぶのも楽しくなりますよね。
どれも美味しそうだぜ。普段からつい食べてしまいそう…。
むしろどんどん日常生活に取り入れていきましょう! 普段の食事に防災食を取り入れながら新しい状態のものを備蓄しておく「ローリングストック」はとても大切です。
保存食を身近なものにすることで、防災意識の向上にもつながるな。別府さんのおすすめの防災食はどれなんだ?
長期保存食「IZAMESHI(イザメシ)」シリーズです。ごはんやパンなどの主食、おかずやスイーツなどメニューがバラエティ豊かで味も美味しいんです。
IZAMESHIのスープシリーズはガスパチョやアホブランコなどラインナップがおしゃれ
「枝豆とブロッコリーのグリーンスープ」はレストランで出てくるくらいの完成度で、最初に食べた時はびっくりしました(笑)。
IZAMESHI 枝豆とブロッコリーのグリーンスープ|【東急ハンズネットストア】
「IZAMESHI 枝豆とブロッコリーのグリーンスープ」
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防災グッズは「楽しむ」気持ちも大切

防災グッズって「揃えなきゃ」と焦っていたけれど、知れば知るほど選ぶのがすごく楽しくなるな。別府さんは防災グッズの担当者としてどんな思いで仕事に当たっているんだ?
東急ハンズとしては、物を売るだけではなく、防災への意識を少しでも広げられるような提案をこれまでやってきました。今後もその姿勢は変わらずに、お客様に良い商品を提供していきたいです。
私が担当する防災グッズはドアふみくんのように何を備えていいかわからなくて焦っている方も多いと思います。でも、難しく考えずに、最低限の水やお菓子を家に常備しておくなどすぐにできることはたくさんあります。

日常のなかで防災についてちょっと意識してみる。そこから広がっていくと思います。

まずは「備える!」と構えるよりも「今できることを楽しむ」からはじめていっていただければいいですね。

防災のポイントを漫画で解説

今回の取材先:
東急ハンズ
住まいと住生活・手づくり関連の製品・道具・工具・素材・部品の総合専門小売業。
東急ハンズを国内外に63店舗、ハンズ ビーを20店舗展開する。
※2021年2月1日現在
取材・文/ドアふみ
撮影・ドアふみの手伝い/編集部
漫画/龍たまこ