現在はマリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏【写真:Getty Images】

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300勝も3000安打も、野球殿堂入りを約束するものではなくなった

 米国野球殿堂は25日(日本時間26日)に今季の殿堂入り選手を発表し、元レッドソックスのデビッド・オルティスが唯一選ばれた。オルティスは通算2408試合に出場し2472安打、541本塁打。ただ主なポジションは指名打者で、守備面での貢献は低いと言わざるを得ない。

 米メディア「FOXスポーツ」は「現在の殿堂入りの基準は何か」という原稿で、長年殿堂入りを約束する数字とされてきた300勝、500本塁打、3000本安打について「そのような時代ではなくなってきているようだ」と指摘した。さらに新たな基準を考えていくと、2025年に投票対象となるイチロー氏の殿堂入りもより確実なものと考えられるようだ。

 今回殿堂入りしたオルティスはツインズで現役生活をスタート。レッドソックスへ移籍した2003年に31本塁打101打点を残し、リーグ有数の強打者と認められた。記事は「27歳までブレークせず、DHであったために、守備面での価値は全くなかった。殿堂入りは珍しいケースと言えるだろう」とし、オルティスが残してきた成績では殿堂入りを「正当化できない」と指摘する。一方で、それに代わる価値だったのが3度のワールドチャンピオンと541本塁打だった。

 さらに「以前は3000安打を記録すれば殿堂入りが確実と言えたが、それは2011年にラファエル・パルメイロ(元レンジャーズ=通算3020安打)の得票率が11%だった時に終わりを告げた」と指摘。これには、90年代後半から大リーグに暗い影を落とした薬物使用問題が影響している。3115安打、696本塁打のアレックス・ロドリゲスは今回殿堂入りできず、354勝したロジャー・クレメンスは今回の落選で殿堂入りの資格を失った。現状、殿堂入りしていない唯一の300勝投手だ。記事は「では、新たな殿堂入りの基準は何なのか」と投げかけている。

新たな基準は数字に表れない「誠実さやチームへの貢献」を考慮?

 記事はWAR(勝利寄与度)が新たな基準を務めるようになった一方で「他にも考慮すべきことがたくさんある」としている。数字に表れない部分が重視される傾向が出てきているといい「野球殿堂側は、投票者に選手の記録、能力、誠実さ、スポーツマンシップ、性格、チームへの貢献度などを考慮して決めるように求めている」と指摘している

 今後の殿堂入り候補として、2025年には引退後5年を経過する大リーグ通算通算3089安打のイチロー、251勝のCC・サバシアが投票対象となる。

 記事は「サバシアとイチローは現代の野球に大きな影響を与えた。イチローは、日本人野手のアメリカ進出という、後世につながる道を切り開いた。サバシアは、より多くの黒人プレーヤーを野球へ導くことに努力した」と彼らの数字以外の価値を指摘し「現時点で私は、彼らの殿堂入りを支持する」としている。(Full-Count編集部)