2022年1月28日に発売されるPlayStation 5(PS5)用ソフトウェア『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』は、PlayStation 4(PS4)用ソフトウェア『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』と『アンチャーテッド 古代神の秘宝』をPS5向けにリマスターして収録するタイトルだ。それぞれ異なる主人公の冒険譚が描かれる。

崖を登ったり、銃撃戦を繰り広げたり、迫力満点のアクションシーンが魅力

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の主人公はネイサン・ドレイク(愛称:ネイト)。プロのトレジャーハンターだったが、結婚を機に引退し、妻のエレナにもう冒険はしないと約束していた。

そんな平穏な日々を過ごしていたところに、突然、15年前に死んだと思っていた兄のサミュエル・ドレイク(愛称:サム)が現れる。かつて、ネイトとサムは、トレジャーハンターのレイフとともに海賊ヘンリー・エイヴリーの財宝の手がかりを探るべく、パナマの刑務所に潜入していた。その際、トラブルによって、刑務所は戦場と化してしまう。しかも、サムは銃で撃たれ、深手を負ったうえ、脱出に失敗。やむを得ずサムを残してネイトとレイフは脱出するが、ネイトが脱出したあともずっとサムと連絡が取れなかったため、ネイトはサムが死んだと思っていた。

ネイトのもとに現れたサムは、15年もの間、服役を余儀なくされていたこと、そして、同じ檻房に収監されていた麻薬王のヘクター・アルカサルとともに脱獄したことを告げる。しかし、ヘクター・アルカサルは、脱獄を手引きした見返りに、ヘンリー・エイヴリーの財宝の一部を要求。3カ月以内に手に入れなければ命はないと脅してきたのだという。

このままではサムの命が危ない。トレジャーハンターを引退したネイトだが、兄を救うため、エレナには「仕事だ」と嘘をつき、再び財宝探しの旅に出るのだった。

『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』をプレイ。『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』では、エイヴリーの財宝を求めて旅に出る

こうして、ヘンリー・エイヴリーの財宝を見つけるために動き出したネイトとサム。ベテランのトレジャーハンターであるヴィクター・サリバン(愛称サリー)を仲間に加え、手がかりを探してさまざまな場所を訪れる。

海賊が財宝を隠している場所を探すだけあって、ネイトたちの進む道は、どこも険しい。財宝を求め、オフロード車で火山をドライブしたり、ボロボロで今にも崩れそうな橋を渡ったり、ロープをかけて谷を飛び越えたりする。なかでも多いのが、断崖絶壁の移動。落ちたらひとたまりのない場所でも、驚異の身体能力を駆使して、わずかな隆起をピョンピョンと登っていく。

ネイト(中央)とサム(左)、サリー(右)の3人でさまざまな場所をめぐる

オフロード車を操作して火山地帯を探索したり……

道なき道を進んだりして財宝を目指す

海賊が残した遺跡は雰囲気抜群だ

建物への潜入や廃屋の調査など、壁を登るアクションが多い

一歩間違えれば命を落とすような断崖絶壁も難なく飛び移っていく

そんな道なき道を進む3人の前に立ちはだかるのが、かつてともに刑務所に潜入したレイフ。15年間あきらめることなく財宝を探し続けてきたこともあってか、その執念はすさまじいものがあった。ネイトたちがエイヴリーの財宝を探していることに気づくと、雇った民間軍事会社「ショアライン」の傭兵たちを使って行く手を阻んでくる。

そのためゲームは、のんびりバカンス感覚で宝探しをするのではなく、いつどこで敵と出くわすかわからないハラハラした状態で進む。ショアラインの傭兵は容赦なくネイトたちの命を奪いにくるので、出くわしたら激しい銃撃戦が勃発。バトルが始まると、障害物に身を隠して、相手の弾丸を避けながら、トリガーを引いて相手を次々と撃ち抜くスキルが求められる。「ヘッドショット」を決めれば一撃で倒せるが、シューティングゲームは得意ではないため、うまくいかないことが多かった。

しかも、レイフはいったいどれだけの金を払ったのか、倒しても倒しても傭兵が現れる。視認できる敵が5人くらいでも、一度こちらの居場所がバレると、さらに奥からゾロゾロと出てくるから、全員倒しきるまで気が抜けない。シーンによっては20人くらい出てくることもある。当然、囲まれればひとたまりもない。

バレずに近づいて倒す「ステルスキル」の要素も搭載されているので、いきなりドンパチを始めるのではなく、最初は1人ずつ静かに消していくのがセオリーだろう。特におもしろかったのが、立体的なステージでの戦闘だ。相手の動きを観察しながら死角に入り込むのは、まるでかくれんぼのよう。壁に張り付いてジッと息をひそめ、近づいた瞬間に引きずりおろす。1度もバレずに全員からステルスキルを奪ったときはかなりの達成感があった。

バトルは銃撃戦がメイン。ヘッドショットを決めれば一発で仕留められる

ワラワラと出てくる民間軍事会社「ショアライン」の傭兵たち。1人見かけたら20人くらいいると思ったほうがいい

銃を撃った瞬間、敵がこちらに気づくので、まずは隠れて近づきステルスキルで減らすのがベター

ほかの敵にバレないように静かにキルしていこう

バレてしまったら身を隠しながら応戦だ

武器の数も豊富。基本的に敵の落とした銃を奪って使うシステムだが、ハンドガンからスナイパーライフル、ショットガンなど、さまざまな武器を使えるのもおもしろい。もちろん、強力な武器ほど弾数が少ないので、シーンに応じて武器を使い分ける戦術が求められるだろう。

銃撃バトルでのお気に入りは、走行中の車の上で行われる一戦。並走する敵を荷台から撃つだけでなく、敵の車に飛び移ったり、車を操作してバイクにぶつけたりと、とにかくエキサイティングなアクションが満載だった。

敵を倒したら武器を奪える。同じ武器の場合は弾丸補充、違う武器の場合は持ち替え。持てる武器は片手タイプと両手タイプ1つずつ

遠くからの狙撃に効果的なスナイパーライフルなども使える

グレネードランチャーの「RPG」をぶっ放すときはかなり痛快

敵の装甲車から逃げるシーン。一般市民や露店などがあるにもかかわらず、「関係ない。行け」と、街中を爆走

敵の車にロープを引っ掛けて、走行中の車上バトルへ

引きずられながら銃で応戦

荷台に到達したら、周囲のバイクを打ち落とす

さらに、並走する敵の車に飛び移るなど、かなりエキサイティングなアクションシーンだった

美しい映像による“破壊の演出”がハラハラ感を際立たせる

実写映画を観ているようなグラフィックも本作の魅力のひとつ。元々、PS4のときからグラフィックに対する評価が高かった作品だが、PS5ではより美麗な映像でゲームを楽しめる。

今作では、4K解像度とターゲットフレームレート30fpsでプレイできる「忠実度モード」、ターゲットフレームレート60FPSでプレイできる「パフォーマンスモード」、迫力のターゲット120fps/1080pでプレイできる「パフォーマンス+モード」を搭載。筆者は4K対応ディスプレイを持っていないので「パフォーマンスモード」でプレイしたが、それでもグラフィックの美しさは存分に味わえた。

特に、銃撃戦の合間、ふいに訪れる絶景ポイントは息をのむ美しさだ。海や山などの雄大な自然だけでなく、人でにぎわう市場もカラフルで味わい深い。ある程度自由に探索できるチャプターもあるので、つい高いところに上って景色を見てしまう。また、エイヴリーが各地に残した石像や、歴史を感じさせる廃屋の木材など、その質感をみごとに表現する映像美が物語への没入感を一層高める。ネイトたちの汗やケガもリアルで、ゲーム内の熱が伝わってくるようだった。

足場や建物がバシバシ崩れるのも爽快。同作ではとにかくステージがよく壊れる。敵との戦いによる爆発をはじめ、掴んだ岩場が崩れたり、ジャンプして飛び乗った木の床が崩れたり、何度ネイトの「ヤベー! ヤベー! ヤベー!」というセリフを聞いたかわからないほどだが、映像の美しさに加えて、それらのダイナミックな“破壊演出”が手に汗握るハラハラ感を生み出す。床が崩落する演出が発生するたびに、ネイトと一緒に「ヤベー! ヤベー! ヤベー!」と、心の中で叫んだ。

キャラクター同士のちょっとした言葉のかけあいや、王道ながらのめりこむストーリーも秀逸。物語では、海賊に振り回されていつまで経っても財宝に辿り着かないもどかしさがあるものの、一歩ずつ近づいている実感もあり、おのずと財宝への欲求が高まっていった。しかも、財宝を守る仕掛けとして用意されている謎解きの要素が、“トレジャーハンティング感”を強める。また、道中にはいくつもの「宝物」が隠されているので、やりこみ要素として実際に宝探しが可能だ。

高い場所に登ることの多い本作では、随所で絶景を堪能できる

マダガスカルの美しい海を冒険することもある

壁や天井、石像の質感が歴史を物語る

ステージはよく壊れる。映像の美しさとダイナミックな破壊がハラハラ感を演出

建物もバシバシ崩れていく

ちょっとした謎解き要素は、激しい戦闘の合間にひと息つけるシーンでもある。サラッと解けると気持ちがいい

ステージの至るところに宝物が隠されている。トレジャーハンターらしく、できるだけゲットしたい

追加エピソードでは女性トレジャーハンターであるクロエの冒険を体験!

もう1つの収録作品である『アンチャーテッド 古代神の秘宝』は、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の追加エピソードとして発売されたタイトルだ。主人公はネイトではなく、『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』で登場した女性トレジャーハンターのクロエ・フレイザー。『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』でレイフに雇われた民間軍事会社の元ボスであるナディーン・ロスとともに、古代インドの神「ガネーシャ」にまつわる秘宝「ガネーシャの牙」を追う。

出会った時点ではビジネスライクで距離のある2人。自由奔放なクロエと生真面目なナディーンは相反する性格ゆえ、ときに衝突することもあるが、物語が進むにつれ、少しずつ信頼関係を築いていく。

『アンチャーテッド 古代神の秘宝』はクロエとナディーンの冒険譚が描かれる

最初は相容れない様子を見せるが、徐々に信頼関係を築いていくところにも注目だ

ゲームシステムは基本的に『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』と同じ。目的地に向かう道を探したり、銃撃戦やステルスを駆使したバトルをしたりと、迫力満点のアクションを楽しめるほか、遺跡の仕掛けを突破する謎解き要素も豊富に用意されている。

一本道で進むステージや、ある程度自由に探索できるステージなど、エキゾチックな雰囲気を醸すインドの遺跡は、追加エピソードとは思えないほど広大だ。特におもしろかったのは、チャプター4の「西ガーツ」。オープンワールドゲームのようにマップをチェックしながら自由にステージをオフロード車で駆け回れる。

ここでは、あちこちに落ちている「宝物」とは別の「コイン」を収集できるようになっている。メインストーリーの進行には関係ないが、すべてのコインを集めると特殊アイテム「女王のルビー」を入手できるため、ついついエリアのすみずみまで探索してしまった。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』で使える武器に加えて、サイレンサー付きのピストルやC4爆弾といった新武器も用意。カギを開けるピッキングシステムも追加されている。

銃撃戦はもちろん

ステルスキルもお手のもの

謎解きも用意されている

広大な西ガーツのマップ。さまざまな遺跡があるオープンワールドのステージを自由に探索できておもしろい

ピッキングを使って鍵付きの補給ボックスを開けられる

PS5ならではの体験で、よりリアリティのある冒険に

さらに、PS5の機能が冒険をよりエキサイティングなものにしてくれた。DualSense ワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックでは、車で悪路を走ったときエンジンが「ブルブル」している振動を再現するほか、銃を撃つときには「カタカタ」するタイプや「ドルルル」と感じるタイプなど、種類によって異なる振動を両手に伝える。さらに、アダプティブトリガーの抵抗もほどよく、連射するタイプの銃は撃つたびにトリガーの反動を再現していた。

『アンチャーテッド 古代神の秘宝』では、先述した「女王のルビー」を入手すると、宝物に近づいたとき、コントローラーの振動の強さで宝物までの距離を教えてくれるのだが、方向まで振動で分かるようになっていた。たとえば、宝物が画面の左側にあるときは、コントローラーの左側が強く振動。そのうえ、宝物に近づくにつれ、コントローラーのLEDカラーも、青から紫、そして赤と、変化した。

なお、コントロールセンターのアクティビティは進行度のみの表示。もともと、一定時間同じ場所をウロチョロしていると、ゲーム画面にヒントを表示できるようになっているので、動画のヒントは必要ないと判断したのだろう。実際、「どこ行けばいいの?」と進む道がわからなくなることはあったが、ヒントで方向を表示してくれるだけで解決できた。

『アンチャーテッド 古代神の秘宝』で「女王のルビー」入手後、宝物に近づくと、DualSenseの振動で距離と方向を示してくれるだけでなく、LEDカラーでも距離を教えてくれた

筆者はこれまで「アンチャーテッド」シリーズをプレイしたことがなかったが、各タイトルで完結されているため『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』からでも十分楽しめた。もちろん、過去作品から引き続き登場するキャラクターが多いので、これまでのタイトルをプレイしていたら、より「アンチャーテッド」の世界に入り込めるだろう。だが、シリーズ未プレイの人でも、PS5の美しいグラフィックで描かれるネイトとクロエの冒険譚には満足すること間違いなしだ。

ひとつ、購入時の注意事項として、定期サービス「PlayStation Plus(PS Plus)」に加入している人は、PS5の「PS Plus コレクション」でPS4版『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』を無料でプレイできる。しかし、銃を撃ったときのハプティックフィードバックの振動やアダプティブトリガーの抵抗はPS5版『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』でしか味わえないため、よりリアリティのある冒険に出たいなら『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』を手に取ってみるのがいいだろう。